第9話:揃う身体

 

食べ終わったドライフルーツの袋を丁寧に丸めたレイちゃん、2順目だ。

 

「これは〜、中学の学校のせんせ〜から聞いた話なんだけど、東京の高層マンションに住んでる男の人がね〜、

 夜寝てたら、壁から急に足が出てきたんだって〜、にょき〜、って出てきてびっくりしてたら、その足がね、

 綺麗な女の人の足だったんだけど、青白くてね〜、怖い!って思ったんだけど〜、つつつ〜〜〜って降りてきて、

 その壁際に丁度ベッドがあってそこで寝てたんだけど〜、寝てた股間をきゅっ、て踏んできたんだって〜、

 思わず『うおっ』て声をあげたら、今度はその足がひねってきて、おちんちんを踏み潰すんじゃなくって、

 気持ちよく刺激して、勃起させてきたんだって〜、グリグリされているうちにすっごく良くなっちゃって〜、

 恐怖より快感の方が勝っちゃって、腰浮かしながらとうとう、びゅっ、て射精しちゃったのねパンツの中に。

 そうしたら足は満足したみたいに、また『すーーーっ』て壁の中へ消えて行っちゃったんだって、出て来た方へ〜」

 

足だけの幽霊・・・しかも踏んでイカせてくるなんて、マニアックだなぁ。

 

「次の夜、あれは夢だったのかな〜と思いながらうつらうつらしてると、また足がにょっきり出てきて〜、

 もうそれだけで股間が熱くなっちゃったんだって、で今度は足で器用にトランクスを下げられて、勃起したのを、

 踏むんじゃなくって足の指で挟んでコキコキしたのね、綺麗な足でされてあっという間に射精しちゃって〜、

 出したとたんさっさと逃げるように壁の向うへ消えちゃって〜、足だけの色情霊か〜って思ってたんだけど、

 その次の夜に出てきたのは、今度は腕だったのね〜、マニキュア塗った綺麗な手で、それが太腿を撫でてきて、

 さわさわされて気持ちよくなって手で〜、やさし〜くおちんちんをモミモミされて勃起しちゃって射精して、

 あまりの快感に凄い量の精液出したんだけど手にべっとりついたまま、また壁の中へ消えていったのね〜、

 足、足、腕ときて、ここでもうピンときたのね、案の定、4日目の夜も腕が出てきたんだけど、手の動きが、

 どこかぎこちなくって〜、あ〜やっぱり昨日のは右腕で今日のは左腕なんだな〜と思いながらもその手の、

 一生懸命しごいてくれるテクニックにまた射精しちゃって〜、両腕両足と揃って明日出てくるのはって考え込んだのね〜」

 

両足、両腕ときたら、次は・・・・・口!?

 

「5日目は〜、壁から何が出てくるのかな〜って半分期待しちゃってたのね〜、怖いんだけど射精はさせられたいってゆ〜。

 そしたら壁から出てきたのが、おっきなおっぱいで〜、腰から上の胸の部分だけ入ってきてね、もちろん腕とか頭とかなくって、

 そのおっぱいの先が体中を愛撫しはじめたんだって、乳首で体中をなぞられたりして、これがすっごい気持ちよくって、

 もっと感じたくて自分で全裸になるくらいに〜。それで最後はおっぱいで挟まれてパイずりってやつ〜?これがすっごい吸い付いて、

 白くって大きくってやわらかくって、すっご〜く気持ちいいおっぱいで、お餅におちんちんが練りこまれるみたいな快感で、

 目がとんじゃうくらい射精しちゃったんだって〜、こうなってくると怖さ半分、いやらしさ半分、あとちょっと面白いって感じで、

 次の日をちょっと楽しみにしてたんだって〜、そしたら来たのが、あ、6日目ね〜、夜中に壁から出てきたのが頭の部分!

 ショートヘアだけど若い、20歳ちょっとくらい?綺麗な人だったんだけど、顔が青白くって、あきらかに生気が無いのね〜、

 やっぱり幽霊だったんだ、と思ってたらニタリと笑ったまま体中舐めたりキスしたりしてきて、パンツも歯で脱がされちゃって、

 おちんちんをしゃぶり尽くされて射精しちゃったのもゴクゴク飲まれちゃって、吸い尽くされる〜って感じで気持ちよさに痺れてぇ、

 そのまま寝ちゃって、怖いんだけどもっともっとされたいっていう性欲が膨らんじゃって、そして迎えた7日目に出てきたのは〜・・・」

 

両腕両足、胸、頭ときたら・・・!

 

「待ってるうちに寝ちゃってたらしいんだけど、なんだか息苦しさに目が覚めたのね、見ると鼻と口が、女性の腰から下、

 つまりオマ○コね〜、それに塞がられてたんだって〜、慌てて起きたらそれがキスみたいに唇に重なってきて〜、

 思わず舐めちゃって、その気になっちゃって、すぐに勃起しちゃって、そこへオマ○コも下りてきて、入れたそうにくっついてきて、

 パンツ脱いで入れようとしたんだけど〜、入口でクニクニなぞってるだけで入れてくれないんだって〜、でも濡れてるから、

 ぬるぬるして気持ちいいんだけど入れたくても入れてもらえない、自分で入れようと腰を突き上げても逃げられちゃう、

 どうして〜?と思ってたら壁から昨日出た頭部がまた来て、喋り始めたんだって〜『私を助けてくれたら体全部でイカせてあげる』って。

 助けるってどうやって?と思ったんだけど、聞こうとしたら『今日はこれだけ使ってイカせてあげる、だから私を助けて』

 そう言って出てきたのは両腕と片足で〜、何するのかと思ったら寝たまま両足首を掴まれて上へ持ち上げられて、股間を足が踏んできて、

 そのまま激しく振動されたんだって〜、電気アンマっていうやつ〜?『うおおおおぉぉぉ!!』って獣みたいな声で、

 あっという間に射精しちゃってそのまま意識が遠くなったんだけどぉ、落ちる前に耳元でその生首が一言ささやいたんだって〜、

 『助けてくれたら最高にイカせてあげる』って・・・それで次の日考えたのねえ、助けるってどうやって助ければ?って」

 

・・・お払いで成仏させるとか?

 

「考えてみたら体の部分が出てくる壁っていうのは、その先は隣の家なんだって〜、だからひょっとして隣に何かある?

 その隣の人って中年男性が1人で住んでるんだけど、挨拶もしない不気味な人なんだって〜、ひょっとして監禁か何か?

 そう疑って、隣が出て行ったのを確認してベランダ伝いにその家を覗いてみたらぁ〜・・・丁度壁の先の位置にあったのは、

 大きめの冷蔵庫だったんだって〜、それですっごく嫌な事が頭をよぎったのねえ、まさか・・・でも・・・と思ってその重い扉を、

 思い切って開けてみたら、やっぱり!!そこには・・・バラバラになった女性の死体が!!慌てて警察に連絡して〜、結局それは、

 行方不明になってた別の階の女性だったんだけど〜、あまりの怖さに警察署から直接家には帰らず、友達の家に泊まったのね〜、

 それで翌朝、部屋に帰ってみると〜・・・ベッドのシーツがビリビリに引き裂かれてて、ベッドもバラバラになってたんだって!

 壁には体の揃った、女の人の姿のシミが・・・きっとお礼に来た、警察に体を繋ぎ合わせてもらった女性の霊が、いなかったからって、

 しようとしていた事をベッドにしたんじゃないかって・・・もし性欲に負けて警察から真っ直ぐ帰ったら、きっと揃った体の霊に・・・」

 

うわ・・・物理的に証拠の残る霊の仕業は、こ、怖い・・・

 

「きっとお礼にイカせてー、そのまま天国まで一緒に連れて行きたかったのでしょうねー」

「バラバラにされてたのがベッドで済んでよかったねっ、帰ってたら体がバラバラにされちゃってる」

「冷蔵庫は電磁波で霊を縛り付けるという話もありますから、隣の部屋へ抜けるのが精一杯だったのでしょうね」

「結局、怖くなってその日のうちに引っ越したんだって〜、お礼に殺されちゃったらたまらないからね〜、という話〜」

「・・・・・あ!ひょっとして、ベッドをバラバラにしたのは、霊じゃなくって・・・通報された仕返しで、犯人の男じゃあ・・・?」

 

・・・う、ちょっと空気が・・・まずいこと言っちゃったかな?

 

『パンッ!』

 

両手で叩いて蝋燭の火を消しちゃった。

 

「え、えーっと、じゃあ次は空気を読んで、僕の話は・・・」

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