第7話:襲い来る髪

 

ナミちゃんの2順目、ちらっと僕を見てから話す。

 

「私たちと同じくらいの年齢の、男子高校生が体験した話ぃ、夜遅く塾の帰りに近道のつもりで、

 人気のない森の方で行ったんだけど坂の上から何か黒い固まりが飛んできたんだって、

 最初は暗くてよくわからなかったんだけどぉ、長い尾を引いてる?と思ったらよく見てみると、

 それは長い長い髪の毛だったんだってぇ、髪の毛のかたまりっていうか空飛ぶカツラみたいなのぉ?

 でも作りモンじゃなくってぇ、どっちかってゆーと顔とか無い頭部?ほんとに髪の毛部分だけ。

 そんなのが来たから慌てて逃げたらしいんだけどぉ、道から外れた茂みでそれに捕まっちゃってぇ、

 何されたかっていうとねぇ、髪の毛がしゅるしゅるしゅるしゅる伸びてきてぇ、体中に巻きついてぇ、

 絞め殺される!と思ったらそうじゃなくって、服の中とかに入ってきて、くすぐってきたんだって!

 なんだかよくわからないまま全身髪の毛で覆われちゃってぇ、匂いで、あ、女性の髪だ、くらいは

 わかったんだけどぉ、くすぐったさと同時に全身の敏感な所をこちょこちょされてると、

 どうしても勃起しちゃって、くすぐりっていう愛撫されてるみたいな感じぃ?それで悶えてたんだけど、

 相手が髪の毛の固まりだからいくら取り払おうとしても1本1本が絡み付いてくるから無理で、

 しかもくすぐられまくって力が入らない、そのうち勃起してる乳首や股間にも巻きついてきて、

 本格的に気持ちよさが大きくなってきて、その黒い大量の髪の毛に蹂躙されながらぁ・・・イッちゃったんだってぇ」

 

・・・う、ついモモちゃんやさやかちゃんの、長い髪に目がいっちゃう・・・。

 

「イッてる最中も髪の毛にしごかれて、全身ビクンビクン大きく震わせながらも何とか逃げようとするんだけど、

 逆に逃げられないのをいい事に耳の中とか指の間とか細かいところまでしゅるしゅるとくすぐり愛撫してきて、

 泣き喚きながら何度も何度もイカされちゃって、イケばイクほど襲ってきてる髪の毛の量も増えてきちゃって、

 気がついたら自分が巨大な髪の毛の毛玉の中に取り込まれてるような感じになっちゃってたんだってぇ、

 その中でもう何十回もイッで出る量もほとんどなくなって、もう許してもらえるかな、許してもらえないと狂っちゃう、

 そう思いながら悶えてたら今度はその髪の毛が尿道やお尻の穴にまで入ってきちゃってズボズボしはじめて、

 出る精液が無いのに髪の毛使って無理矢理イカされてるって感じぃ?体も髪の毛で締め付けながら愛撫されて、

 乳首なんか髪の毛の先でコリコリコリコリされっぱなしでもう気持ちよすぎて頭もおかしくなってきちゃう感じでぇ、

 結局、朝までそのまま髪の毛に犯され続けたんだって、それで東の空が明るくなってきた頃になってようやく、

 髪の毛の動きが少しずつ大人しくなって、髪の毛にレイプされ続けてたその男の子も意識を持ち直してきて、

 これでやっと解放されるのかな、と思ったらその髪の毛が、とんでもない動きをしはじめたの!それはぁ・・・」

 

さわさわっ

 

「ひっ!!」

 

僕の右耳をくすぐったさが襲い、ビクビクッ!となった!

 

「びっくりした〜?」

「レイちゃん!髪の毛でくすぐらないで!」

「え〜体感アトラクションだよ〜」

 

・・・放っておいて話の続きを聞こう。

 

「まとわりついてた髪の毛が、体の中に入ってきたんだってぇ!尿道から、お尻の穴から、

 耳も鼓膜を破るんじゃなくってすり抜けて、さらに口やおへそ、男なのに乳首の乳腺にまで!

 爪の間とか、体中の穴という穴に髪の毛が一斉に入ってきて、あっという間に全てからだの中に入ってきて、

 しばらく時間置いて・・・全身の毛という毛が抜け落ちたんだってぇ、そのまま気絶しちゃってぇ、

 気がついたらもう太陽が昇ってて、全身まさぐると毛はちゃんとある、もちろん自分のがねぇ、生えてるやつ。

 でもすっごい体が重くてぇ、酷い夢を見た、と汗びっしょりなのをぬぐいながら家に帰ったんだけどぉ、

 本当に怖いのはそれからで、夜、寝てると自分の全身の毛が伸びてきて、体の上であの大きな毛玉になって、

 また全身を犯してくるんだってぇ、憑りつかれたっていうか、自分とと一体化されたっていうか、乗っ取られたっていうか、

 毎晩毎晩その髪の毛に犯されて、イカされて、出なくなっても髪の毛でズボズボされて、逃げようにも逃げられなくって、

 それは霊から逃げるんじゃなくって、霊の髪の毛責めの快感から逃げられなくって、今でも髪の毛に犯され続けてるんだってぇ」

 

恐ろしい・・・霊が逃がしてくれないのもあるんだろうけど、自分もその霊からは逃げられないってことか。

 

「それでその後はどうなったのー?」

「終わりだよっ、今でも犯されてる、っていうお話でおしまいっ」

「女の髪には恐ろしい念というものも篭っているといいますから・・・」

「それって妖怪・土ころびの一種かな〜、土ころびの女の子〜」

 

髪の毛で犯される・・・されてみたい気がない訳ではない・・・

なんて考えはじめたら、その霊に犯される資格有りなんだろうな、わ、忘れよう。

 

『ふうっ!!』

 

息で吹き飛ばすように火が消された。

もどる めくる