第6話:真夜中の手

 

2順目、モモちゃんに戻ってのお話だ。

 

「これはー、今夜のように蒸し暑い夜、寝苦しくてなかなか寝付けない男の子が体験した話なんだけどー、

 暑い〜って胸をはだけてたら急にひんやりした感触が首筋を撫でてきたんだってー、見たらそれが白い手でー、

 手首の先が消えてる本当に手だけの幽霊だったんだってー、それが首筋から頬を撫でてきて、最初は怖かったんだけど、

 やさしくやさしーく胸へと下りて来て、まさぐってきたんだってー、それがほんとうに愛撫っていう感じでー、

 気持ちよくなっちゃってされるがままにしてたらお腹から下へ・・・パンツの中に手を突っ込んできて撫で回されて、

 うっとりしながらもうちょっとでイク!っていう所でスッと引いたりして焦らしてー、すんごいテクニシャンの手で、

 悶え続けているうちに30分くらいで消えちゃったんだってー、もっとして欲しかったのにー、って思っちゃってー、

 明日も来るかなーって期待して待ってたらー、やっぱり夜中に来たんだってー、しかも今度はー・・・2本もー」

 

そう言って自分の手がまさにその白い手でもあるかのように、艶めかしく妖しく動かす。

 

「両手でやさしーく体中をまさぐってきてー、両耳を同時にさわさわしてきたりー、乳首も両方同時に撫でてきたり、

 両脇の下のラインも同時に上下へつつつーーーっと撫でてきてー、エロいマッサージ受けてるみたいになってー、

 それがだんだんと腰骨を撫でてきたりー、パンツの中へ来ると思わせて太腿を撫でてきたりとかー、

 もうビンビンになってるんだけど変に逆らったり手を掴もうとしたりするとまた消えちゃうかもって思ったら

 されるがままにしかできなくってー、ようやくパンツの中に手がスッスッて2本とも入ってー、

 冷たくってなめらかな指にすっかり爆発しそうになっちゃったんだけどー、あと一歩っていう所で、

 うまーく袋の方に行ったりとか毛の方を撫でてきたりとか焦らされてー、焦らされてー、それで結局、

 今度は最初から40分くらいたった頃かな?やっとイク!っていう所で、フッと両方消えちゃってー、

 しょうがないから自分で処理したんだけどー、明日こそは、あしたこそはお願いだから、ってお願いしたらー・・・」

 

なぜかナミちゃんの手をとった。

 

「次の夜はー、3本出てきたんだってー、それで次の日は4本、そのまた次は手が5本・・・

 時間も50分、1時間、1時間半って延びてー、愛撫だけは執拗に増えたにもかかわらず、

 どーしても焦らして焦らして焦らすだけ焦らしておいてイク直前になると消えちゃうの毎日でー、

 12日目になった頃は4時間延々と12本の手に愛撫され続けて、もうそうなると小指で耳の穴をコチョコチョしたり

 口の中に指を入れてきて舌を愛撫してきたり、鎖骨1本1本を撫でてきたり、足の指の間も執拗に愛撫したり、

 手という手にあらゆる場所をもてあそばれてー、乳首なんかもコリコリされっぱなしでー、

 いくら悶えても12本の手が相手だからどうしようもなくってー、泣きながら『いかせてー!』って懇願しても、

 やっぱりイク直前に手が一斉に消えちゃって、自分で泣きながらしごいて4回連続出して寝ちゃったんだってー、

 でもこの日は凄く嫌な予感がしたんだってー、明日こそは、じゃなくってー、明日が怖い!ってー・・・」

 

・・・そうか、13日目がくるのか、何かといわくつきの日数だ。

 

「でもー、逃げられなかったんだってー、12日連続で愛撫され続けて、すっかりやみつきになって、

 怖いんだけど逃げられない、霊が相手だってわかってるのにイカされたいっていう複雑な心境かなー、

 不安と期待を半分半分で夜を待ったのねー、そしたらやっぱり13本出てきてー、体中をまさぐりはじめて、

 顎と両腕と両脇と両胸と両腰と両太腿と両足を一斉に愛撫しはじめてきてー、すぐにうっとり身を任せちゃって、

 もうこれだけでイケそう、って陶酔しきって全身震わせて感じ続けて4時間半くらい経った頃にー、

 やっとパンツの中に手が入ってきてしごいてきたんだけどー、それだけじゃなくって他の手も集まってきて、

 玉を撫でたりお尻の穴に指を突っ込んだり、恥骨揉んできたりとか、股間が燃えそうな位、熱くなっちゃって、

 思いっきりシゴかれながら、ついに・・・イク瞬間、股間に行ってない手は両手両足を押さえつけてて、

 無理矢理イカされてるみたいに身動きできないままイカされちゃったんだけどー、イッでも許してくれなくて、

 精液で滑りがよくなったからってさらにクチュクチュとしごき続けて、他の手も愛撫をさらに激しくして、

 今まで最後の最後で逃げられて自分で出すしかなかった、溜まりに溜まった鬱憤が全部出るくらいに、

 立て続けに13回もイカされてー、最後にイッた瞬間、その13本の手が体中を掴んできて、ぐいって持ち上げて、

 自分は寝てるんだけどもう1人の自分?わかりやすく言うと分身っていうか幽体っていうか、そういうのを、

 持って行っちゃって天井に消えていっちゃったんだってー、すっごく大事なものを持っていかれたみたいで、

 恐怖でガタガタ震えながら疲れ果てて寝ちゃったんだけどー・・・それから1年1ヶ月間、勃起できなくなったんだってー」

 

うわ・・・男として大事なものを持っていかれたんだろう、生命力というか精力というか。

 

「それ以来、白い手を見ると今でもビクッ!てするんだってー、おしまい」

「ビクッてなりながらもおっ起ててそうだねっ、もう回復してるならっ」

「1年1ヶ月、つまりそれは、すなわち13ヶ月という事になりますわね」

「それだけかかって〜、もっていかれた男の子の能力を回復させたってすご〜い」

 

うーん・・・白い手・・・

この4人の中では、さやかちゃんの手がそれっぽいかな?

あの手でまさぐられてみたいかも・・・よく見ると薄くマニキュアしてる。

 

『ふうーっ』

 

消えた消えた。

息と同時に焦げ臭い匂いが・・・

休憩時間は障子を全開にした方がいいかな?でも蚊が大量に入ってきそうだ。

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