第1部:「ちょっとこだわりの列車」その24/紀勢本線・快速2929M |
「旅行記強化月間(意味不明)」シリーズ第4弾です。(^^;
小旅行記第4弾から3日後の土曜日。またしても出掛ける事にしました。今度のターゲットは紀州
路方面です。
まず1本目の列車は新大阪発・紀伊田辺行の快速2929Mです。では、何でただの快速列車がこ
だわりの対象になるのかをまず説明しましょう。
現在、京都/新大阪発で阪和線方面に向かう特急列車は、新大阪を出ると天下の大阪駅をパスして、
環状線経由で阪和線へと直通しています。
大阪駅をパスする際は、新大阪の南側で東海道本線から分かれる梅田貨物線を通るのですが、本来
は貨物列車専用の同線を旅客列車が走るのが珍しいと言う点で鉄道ファンからささやかな注目を浴び
ているのです。(一般の人々は、そんな事ぜんぜん気にしていないと思いますが・・・)
私もかつて旅行記第10弾で特急『はるか3号』に乗って早朝に梅田貨物線を通過した事がありま
すが、普段乗っている普通列車では見る事の出来ない風景に少々興奮を覚えたものでした。
で、ある日、紀伊半島一周の旅行記のプランを練っている時、時刻表で新宮方面行のいちばん早い
特急を探していると、新大阪発で特急と同じく梅田貨物線を通る快速列車を発見しました。それが快
速2929Mだったのです。
同列車は6:29新大阪発と早かったのですが、一般列車で梅田貨物線を通れると言うのが珍しかった
ので、あえて乗りに行く事にしました。せっかく乗るのならば終点の紀伊田辺まで乗り通す事にしま
しょう。
で、当日の朝5時台。眠い目をしばたきながら私は大阪駅にいました。普段の休日ならば昼近くで
寝てるところなんですが・・・。(^^;
大阪駅に到着する甲子園口始発・京都行の普通502 Bです。まだ朝の6時前ですが、ホームには待っている 人がけっこういるんですよねぇ・・・。 【大阪府・大阪駅】 |
4分の乗車で新大阪駅に到着。いつもならば新幹線に乗り換えるパターンなんですが今回は違いま
す。とりあえず改札を出た私は「みどりの窓口」に向かいました。
「みどりの窓口」は5:30からの営業との事で、窓口には女の子の係員が二人座って対応していまし
た。いったいこの娘たちは何時に出勤したのだろう?
カウンターまで行って「紀伊田辺までの乗車券」と告げると、「乗車券だけでよろしいのですか?」
と確認されました。ま、フツーならば特急で行くところだわな。ふっふっふ。
新大阪→紀伊田辺の乗車券です。近距離区間外なので 「みどりの窓口」での購入となります。 |
「みどりの窓口」から出たところでふと見ると、朝の6時だと言うのに新幹線改札前の弁当屋は、
けっこう繁盛していました。
在来線の改札を入ると、正面にあった列車案内板群の阪和線/紀勢本線方面案内板に快速2929
Mの表示が出ていました。
新大阪駅在来線改札内にある列車案内板です。いちば ん上に「快速・6:29・紀伊田辺」の文字が表示されてい ます。新大阪発で紀勢本線に直通する普通列車は292 9Mと22:46発の2995Mの1日2本しかありません. 【大阪府・新大阪駅】 |
ホームに降りると、すでに2929Mが停車していました。車両は紀勢線塗装の113系でした。
おそらく日根野か和歌山の所属車両であり、こっちまで出張って来ているのでしょう。普段、この塗
装の車両を大阪で見る事はまずないので、何とも違和感があります。
新大阪駅に停車中の当駅始発、紀伊田辺行・快速29 29Mです。113系の4両編成で紀勢線普通列車用の 塗装が施されています。同列車が停車しているのは下り の特急用ホームです。 【大阪府・新大阪駅】 |
快速2929Mの座席です。普通の113系と同じボ ックス・シートでした。 【紀勢本線・快速2929M車内】 |
私は先頭車に乗り込みましたが、半ば予想していた通り車内はガラガラであり、ざっと数えたとこ
ろ乗客は十数人程度しかいませんでした。
ほどなく、定刻の6:29となり、快速2929Mは新大阪駅から発車しました。間もなく列車は淀川
の鉄橋を渡り、渡り終えると待望の梅田貨物線へと入りました。
淀川を渡り切ると、列車は東海道本線から右に分かれ る単線の梅田貨物線に入って行きました。 【紀勢本線・快速2929Mの車窓より】 |
梅田貨物線通過中に見えた梅田貨物駅の構内です。正 月に実施した旅行記第10弾の時と違い、今回は機関車 がいました。まず見えて来たのはDE10型ディーゼル 機関車です。 【紀勢本線・快速2929Mの車窓より】 |
次に見えたのは、コンテナ列車の先頭に連結された新 鋭のEF210型電気機関車でした。やっぱ機関車が見 えないと貨物駅はつまらないですな。 【紀勢本線・快速2929Mの車窓より】 |
梅田貨物駅を過ぎ、福島の踏切を通過した列車は高架 を登り、左側通行の環状線に右から合流しました。 【紀勢本線・快速2929Mの車窓より】 |
環状線に合流して間もなく、列車は最初の停車駅である西九条に到着しました。さすがに早朝だか
らか、今回はホームにUSJ塗装車は停まっていませんでした。
さらに2分走って弁天町に到着。それにしても、毎日、この時間帯に乗る人は別として、環状線の
ホームで待っていて古い近郊型の113系が入って来たら少なからず驚くでしょうな。
次の新今宮駅到着前には、線路変更の際に左右に揺れますと注意を促す車内放送がありました。列
車はここで環状線から阪和線へと入りますが、いくつかの線路を横断しなければならないのでしょう。
その放送が終わるか終わらないかの内に列車は信号停車しました。すべてのポイントを切り替える
のに時間が掛かるからでしょうか?
列車が天王寺駅に着くと立ち客が出ました。まだ朝の7時前だと言うのに、皆さん何処へ何をしに
行くのだろう?
2分遅れで天王寺を出発。途中、10駅に停車し、徐々に乗客を増やしつつ新大阪を発ってから1
時間19分後の7:48、2929Mは和歌山駅に到着しました。
ここでドカっと降りてこの先はガラガラのローカル・ムードになるかと思いきや、大量に降りた人
数を上回る人々が乗車して来て車内はラッシュ並の混雑になりました。ありゃりゃ?
予想外の状況に目を見張っている内に列車は和歌山を出発。見ると高校生の姿が多いのに気がつき
ました。なるほど。
和歌山から3つ目の黒江駅に着くと学生が降りて乗降口付近の立ち客は数人程度となりました。次
の海南駅でもそこそこ降りて立ち客はゼロになりました。
次の冷水浦駅を出たところで右手にちょっとだけ海が見えました。紀勢本線と言えば海岸べりを走
るイメージがあったので、海が見られたら良いのですが・・・。
その次の加茂郷駅では、そこそこの人数が降りました。下津、初島を経てコンビナートを右手に見
ながら有名な箕島駅に到着。同駅には紀勢線塗装の117系が停まっていました。
箕島を出たところで京都行の特急『スーパーくろしお4号』とすれ違いました。紀勢本線は、特急
の『くろしお』、『スーパーくろしお』、『オーシャン・アロー』などが走る特急街道なのです。
箕島から2つ目の藤並駅を出ると上下線の線路が分かれ、別々のルートを通る区間がありました。
元々単線だった山間部の路線を複線化するとこのようになる場合があると聞いています。
湯浅駅に着くとそこそこ降りて誰もいない座席が出ました。パッと見で着席率は20%と言うこと
ろでしょうか?
本日の「朝の一杯」は新大阪駅で買っておいた森永の 缶コーヒー『鉄道浪漫』です。 【紀勢本線・快速2929M車内】 |
湯浅の次は広川ビーチと言う名前の駅でしたが、車窓から見えるのは山ばかりでした。
広川ビーチ駅から見える風景です。いったい何処がビ ーチなんだ? 【紀勢本線・快速2929Mの車窓より】 |
列車が広川ビーチ駅を出ると、右手遙か前方にビーチらしきものが見えました。あそこまでは随分
と距離がありそうです。最寄り駅と言う事なのでしょうが歩いて行くにはキツそうな距離やな・・・。
出発したところで、運転士が客室との仕切壁にある窓のシェードを降ろしました。この先にトンネ
ルがあるのでしょう。
すぐにトンネルに入り、2駅次の紀伊内原駅に着いたところで運転士はシェードを上げました。紀
伊内原から3分で御坊駅に到着。
同駅では、対面のプラットフォームに紀州鉄道の古い気動車が停まっているのが見えました。あれ
が本日2番目の乗車目標です。
とりあえず快速2929Mには最後まで乗り通したいので、終点の紀伊田辺まで行ってから御坊ま
で戻って来るつもりです。
御坊から6駅目の岩代の手前でついに海が見えました。
岩代駅の手前で見えた待望の海です。あいにくの天気 で海は荒れていましたが、これぞ紀勢本線の景色です。 【紀勢本線・快速2929Mの車窓より】 |
岩代駅を出ると今度は砂浜が見えました。
岩代駅を出たところで見えた砂浜です。晴れていれば 見応えのある景色なんでしょうが・・・。 【紀勢本線・快速2929Mの車窓より】 |
岩代の次、南部(みなべ)駅に着くと外は大雨になっていました。くそっ! 今日は紀州鉄道に乗
った後で散策するつもりなのに・・・。
南部から芳養(はや)駅を経由して9:34に快速2929Mは終点の紀伊田辺駅に到着しました。新
大阪から3時間5分の旅でした。
初めて訪れる紀伊田辺のホームに降りて見ると、対面ホームには新宮行・普通列車の105系が停
まっていましたが、発車時刻は何と1時間後です。
ここまで乗って来た2929Mの車両は、113系の 5000番台車です。モノの本によると、高速化改造が施さ れたタイプなんだそうです。 【和歌山県・紀伊田辺駅】 |
紀伊田辺駅では対面ホームに10:41発の新宮行・普通 2331Mが停車していました。左に停まっているのは 快速2929Mです。 【和歌山県・紀伊田辺駅】 |
紀伊田辺駅の時刻表を見てみると、ここから新宮方面は、休日ダイヤだと特急が1時間に1〜3本
に対して普通列車は1〜3時間に1本と恐ろしく少なく、いかに沿線の人口が少ないかが伺えるよう
です。
紀伊田辺駅の駅舎です。紀勢本線の運行境界となる主 要駅であり、ここから新宮方面は普通列車の本数が激減 します。 【和歌山県・紀伊田辺駅】 |
紀伊田辺駅前の商店街です。客足はまばらでしたが、 お店はそこそこ開いていました。 【和歌山県・紀伊田辺駅】 |
駅前を少し新宮方向に散策して見たりしましたが、特にめぼしいものも見当たらなかったので、私
は早々に駅に引き揚げました。
さて、次の目標は御坊駅まで戻って私鉄の紀州鉄道の乗車です。10:03紀伊田辺始発の御坊行・普
通2354Mに乗りましょう。
紀伊田辺駅に停車中の御坊行・普通2354Mです。 103系みたいなマスクをした車両ですが、実は113 系の中間車に運転台を取り付けた改造/リニューアル車 です。列車はワンマンの2両編成でした。 【和歌山県・紀伊田辺駅】 |
座席に座って前方を見ると、運転台との仕切壁が無く て前方が良く見えました。まさにパノラマもどきの構造 ですな。 【紀勢本線・御坊行・普通2354M車内】 |
この113系リニューアル車は、内壁や窓は新しくなっていまし たが、座席は従来の物を使用しているように見えました。 【紀勢本線・御坊行・普通2354M車内】 |
2354Mは、各座席にひとりずつ座る程度の乗車率で紀伊田辺駅を出発しました。まさにローカ
ル線の雰囲気ですな。
沿線は往路で見ていたので、特に見るものもイヴェントも無く、列車は途中8駅に停車し、45分
で終点の御坊駅に到着しました。
第2部:「ちょっとこだわりの路線」その9/紀州鉄道(パート1) |
さて、次に乗車するのはJR御坊駅から南へ向かい、御坊市内を縦断するように走る、路線長僅か
2.7キロのミニ私鉄・紀州鉄道です。
ちなみに、この2.7キロと言う短い路線長は、2002年に千葉県で芝山鉄道(路線長2.2キロ)が開業
するまでは日本最短の路線だったそうです。
紀州鉄道は1928年開業の歴史ある私鉄であり、御坊の市街地から離れているJR御坊駅と市街地間
の旅客輸送を主目的として地元の有力者が出資して開業された鉄道です。
現在、1日24往復ものダイヤが設定されていますが、需要の方はいまいちのようであり、経費節
減の為か社員はわずか5人しかおらず、車両の更新もままならずに1960年製造のキハ600型が未だ
に現役で走り続けていました。
2000年には、車両の老朽化に対応すべく兵庫県を走る第三セクターの北条鉄道を退役したフラワ1
985型を購入し、キテツ−1型と「改名」して就役させたとの事でした。
実は今回、私が紀州鉄道を訪れたのは、このキテツー1に乗りたいと思ったからです。と言うのも、
このキテツ−1は、全国の三セク鉄道からほとんど姿を消した2軸型レール・バスのひとつだったか
らです。
ところが、御坊駅に着いて2354Mから降りて見ると、紀州鉄道が着発する0番ホームに停まっ
ていたのはキハ600でした。
これは予想外でした。てっきりキハ600はキテツ−1と交代して退役したものとばかり思ってい
たのですが・・・。
とりあえず私は改札を抜けて外へ出て、紀州鉄道の券売機を探しましたがそれは何処にも見当たり
ませんでした。いったい何処で切符を買えばいいんだ?
発車までもう時間が無かったので、私は改札にいたJRの駅員に紀州鉄道に乗りたい旨を告げると、
「あ、じゃあ入って下さい」と、手でキハ600の方を示されました。これは、とりあえず乗れって
事か?
すでに発車時間間際であり、私は急いでキハ600の前に回って写真を撮ると、すぐに乗り込みま
した。
JR御坊駅の0番ホームに停車中の紀州鉄道のキハ6 00型気動車です。1960年製造の車両で、元は大分交通 で使用されていました。 【和歌山県・御坊駅】 |
キハ600の中は独特の臭いがしました。これは旅行記第11弾のJR小野田線で乗ったクモハ4
2と同じようなレトロ車両独特の臭いです。
このキハ600は、1933年製の古豪クモハ42よりは27年も新しい車両ではありますが、板張り
の床に「垂直背もたれ」のボックス・シートがずらりと並ぶその車内は、充分にレトロ車両と呼べる
雰囲気でした。
キハ600型の車内です。板張りの床にボックス・シ ートがずらりと並び、いかにもレトロな雰囲気です。 【紀州鉄道・西御坊行19列車・車内】 |
床は板張りでしたが、内壁と座席のフレームは金属製 のように見え、その点ではクモハ42より新しく見えま すな。 【紀州鉄道・西御坊行19列車・車内】 |
窓と天井灯です。この碁石型の天井灯は、今ではお目 に掛かれない代物です。 【紀州鉄道・西御坊行19列車・車内】 |
後方の運転台です。ワンマン運行のため運賃箱が設置 されています。 【紀州鉄道・西御坊行19列車・車内】 |
乗り込んで間もなくドアが閉まり、「ガーーーー」というディーゼルの咆吼を響かせながらキハ6
00は御坊駅から出発しました。数えてみたところ、私を入れても乗客はたったの4人しかいません
でした。
走り始めたキハ600は実にのんびりと走っていました。4分走って学問駅に到着。ここまでで、
すでに路線の約半分を走り終えた事になります。
発車してすぐに紀伊御坊駅に到着。さらに2分走って市役所前駅に到着。出てすぐに終点の西御坊
駅に到着しました。僅か8分間の乗車でした。
結局、終点まで乗り通したのは、私と、同年代っぽい男性のふたりしかいませんでした。リュック
を背負ったその男性は見るからに鉄道ファンです。
そう言えば、とある鉄道ファンのHPに掲載されていた紀州鉄道の情報によると、西御坊まで乗り
通すのは鉄道ファンぐらいなものだと言う事が書かれていましたな。
切符を持っていなかった私は、待っていた運転士に、ここまでの運賃180円を払って降りました。
考えて見ると、途中で降りた人々の分を入れても片道の運賃収入は、たったの660円です。よくこ
んな状況で経営を続けて行けるものです。
西御坊駅には小じんまりしたホームしかなく、改札を抜けたところの構内は天井灯が切れていて薄
暗く、左右両方に延びる通路がありましたが、どちらに出れば良いのか分からなかったので、とりあ
えず「表」っぽく見えた左へと進み外へ出ました。
紀州鉄道の西御坊駅です。駅を示す看板も何も掲げら れておらず、駅舎の出入口は半分、清涼飲料水の自動販 売機で塞がれています。キハ600が停まっていなけれ ば駅に見えないんじゃないでしょうか? 【和歌山県・紀州鉄道・西御坊駅】 |
ふと見ると、例の「御同輩」がカメラを構えて周辺を写していました。やはり鉄道ファンだったん
ですな。
駅舎を反対(南)側から写したところです。手前には 廃止された日高川方面へと延びる線路が見えます。 【和歌山県・紀州鉄道・西御坊駅】 |
現在の紀州鉄道の終点は西御坊ですが、1989年までは、さらに0.7キロ先の日高川駅まで路線が延
びていました。
その線路が今でも残っているとの事なので散策がてら見に行く事にしました。紀州鉄道に乗りに来
るのと、この廃線跡を巡るのは、鉄道ファンの間では「セット」みたいなもののようです。
上の写真の道路の位置から日高川方面を写したところです。しっ かりと線路が残されていますが、侵入を抑止するような柵は設置さ れていません。ちなみに、左に写っている人影は、くだんの「後同 輩」です。 【和歌山県・御坊市】 |
西御坊駅の「南口」です。え? いったい何処が入口 ですって? 実は茶色の建物と手前の瓦屋根の家の間に ある隙間がソレなんです。看板も何も掲示が無いんです なぁ、これが。 【和歌山県・御坊市】 |
上の「隙間」を正面から写したところなんですが。この奥に窓口 兼改札があるのですが、これはどう見てもただの路地ですがな。 【和歌山県・御坊市】 |
上の写真の「南口」より左手にある道路を回り込んだ ところです。民家のブロック塀の向こうにキハ600が 停まっていると言う、何とも「味」がある構図です。 【和歌山県・御坊市】 |
再び駅の「正面口」に戻って来ました。焦げ茶色の建 物が駅舎なんですが、ご覧の通り駅である事を示す看板 は何もなく、出入口も半分が自販機に塞がれていて人ひ とりが通れる程度の幅になっています。 【和歌山県・御坊市】 |
何とも味がある駅ですな。さてと、それでは日高川方面の廃線跡を辿る事にしましょう。線路の中
を歩いても怒られる事はなさそうでしたが、私は線路にそって沿道を歩いて行く事にしました。
線路の途中に所々ある踏切があったと思われる場所です。遮断器 は撤去されたのか見当たりませんでした。「立入禁止」の看板と柵 が設置されており、ここから先の線路は入れなくなっていました。 【和歌山県・御坊市】 |
同じ場所を「引き」で撮ったところです。線路は残さ れているのですが、悲しいかな、ご覧の通りアスファル トで舗装されてしまってます。 【和歌山県・御坊市】 |
途中、わりかし広い道を横断する場所がありましたが、ここもア スファルトで埋められていました。線路は、軽トラが停まっている ところから手前に向かって延びています。 【和歌山県・御坊市】 |
上の写真の場所を横から写したところです。ここには なぜか遮断器と防護柵が残されていました。ここに鉄道 があった事を知らない人が見たら、さぞかし不思議に思 う事でしょうな。 【和歌山県・御坊市】 |
上の写真の場所からさらに日高川方面に進んだ所にも 遮断器が残されていました。線路は埋められています。 【和歌山県・御坊市】 |
遮断器の足下には「使用中止」の看板が落ちていました。何とも 物悲しく見えてしまいます。 【和歌山県・御坊市】 |
線路内「立入禁止」を尊重して沿道を歩いていた私に対して、例の「後同輩」は、お構いなしに線
路内を歩いていました。
しばらくはチラホラ姿が見えていたのですが、私が踏切跡ごとに立ち止まって写真を写している内
に「後同輩」の姿は見えなくなくなりました。
そのまま歩き続け、西御坊駅から20分ほどで、かつての終点であった日高川駅の跡地に到着しま
した。
日高川駅跡です。駅舎は撤去されていましたが、線路 やポイント、転轍機などは残されていました。 【和歌山県・御坊市】 |
赤い車の向こう側に見えるのが、かつての日高川駅の ホームのようです。寂しい眺めですなぁ・・・。 【和歌山県・御坊市】 |
上の写真の向こう側にある、コンクリート擁壁の土手 に登って見ました。そこには日高川とそれに架かる天田 橋がありました。 【和歌山県・御坊市】 |
土手の上から日高川駅跡方向を眺めたところです。か つてはここから貨物を輸送する計画もあったとの事です が、それも実現には至らず、経営の逼迫から1989年4月 に西御坊←→日高川間は廃止となりました。 【和歌山県・御坊市】 |
廃線跡と言うものは、いつ見てもわびしいものです。こう言った地方ローカル線こそ旅情があって
好きなのですが・・・。
さてと、これで今回の小旅行の主目的はすべてクリアしました。ここからは帰路となりますが、今
回の小旅行では、乗車する列車を決めていたのは西御坊まで乗って来た紀州鉄道の19列車までで、
後はフリー乗車となります。
西御坊駅へと歩き始めてふと気づいたのは、例の「御同輩」の姿がどこにも見えない事でした。た
ぶん、日高川駅跡の写真を撮ってトンボ帰りしたのでしょう。
これで紀州鉄道は堪能できたと思っていた私でしたが、同鉄道の「味」は、まだまだあったのです。
その話は次回と言う事で・・・。
第3部に続く・・・。
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