2003年01月19日
『列車まかせの旅』第9弾


第3部:「夜行列車愛好家への道」その9/快速『ムーンライトえちご』

 青森駅で快速『海峡4号』から降りた私は、いったん改札を抜けて外へ出ました。事前に購入して
おいた切符は『海峡4号』までの列車の分と、これから乗る『ムーンライトえちご』の分だけだった
ので、青森から、「えちご」の始発駅である新潟県村上駅まで移動する為の乗車券を買わなければな
りません。

 青森から村上までの距離は約400キロ。通常ならば特急で移動する距離なんですが、特急に乗って
しまうと「えちご」の発車時刻より3時間以上も早く着いてしまい、時間を持て余す事になるので、
今回は普通列車でゆっくり行く事にしました。

 青森駅の「みどりの窓口」に行き青森→村上の乗車券を購入しました。余談ですが、隣の窓口には、
色白で思わず魅入ってしまいそうになる美人の女性係員がいました。

 なんと言いますか、形の整ったシャープな美形ではなく「なごみ系」の美人なんですな。これが東
北美人てやつなんでしょうか? 美しい・・・。(^^;

 青森駅の「みどりの窓口」に置かれていた無料の「切
符入れ」です。これにも新幹線延線開業の宣伝が・・。

 えーと、それはともかく。青森から村上まで行く直通の普通列車は無いので、青森→秋田、秋田→
山形県酒田駅、酒田→村上と3本の列車を乗り継いで行く事になります。

 でと、まずは14:10青森発・秋田行の普通列車に乗るのですが、列車が出るまでには、まだ30分以
上時間があったので、その時間を利用して私は「青い海公園」を見直しに行く事にしました。

 「青い海公園」は旅行記第7弾でも見に行きましたが、その時は夜だったので、よく見えていなか
ったのです。

 「青い海公園」の一角に係留展示されている青函連絡
船のメモリアル・シップ『八甲田丸』です。有料(大人
500円)で船内を見学する事が出来ます。
【青森県・青森駅横・青い海公園】
 『八甲田丸』を前方から写したところです。船内の車
両甲板には、キハ80系気動車、ディーゼル機関車、郵
便車、緩急車、控車など計9両が展示されています。
【青森県・青森駅横・青い海公園】
 『八甲田丸』より先の道路脇に静態保存されている緩
急車と控車です。
【青森県・青森駅横・青い海公園】
 緩急車&控車の展示場所より先の突堤上にずらりと並
ぶ小型の風車です。発電に使用しているのでしょうか?
【青森県・青森駅横・青い海公園】
 『八甲田丸』と青森駅の間にある、キハ系気動列車の
車体を流用した休憩所です。車内の座席は片側はオリジ
ナルそのままですが、もう片側は撤去され、代わりに簡
易なテーブルと椅子が設置されています。
【青森県・青森駅横・青い海公園】
 ご覧のように連結部分が改造されて出入口になっています。貫通
扉は硝子張りの回転式の物に取り替えられています。ちなみに、車
内に照明はありません。
【青森県・青森駅横・青い海公園】

 出来れば「青森ベイ・ブリッジ」上からの昼間の景色も見てみたかったのですが、ぼちぼち時間も
迫っていたので駅へと戻りました。

 秋田行列車が出るホームへ行くと、案の定、すでに列車は入線していました。見るとドアはぜんぶ
閉まっていました。

 青森駅に停車中の14:10青森発・秋田行の普通列車6
56Mです。701系と呼ばれる車両で、関西の通勤型
列車として増備されつつある207系と、ほぼ「同期」
の比較的新しいタイプです。
【青森県・青森駅】

 ドアが閉まっているのは車内保温の為であり、乗降する際はボタンでドアを開閉しろと言う意味で
す。この方面の普通列車は、これが当たり前なのでしょう。

 他の人々がドア・ボタンを操作して乗降するところは、旅行記第7弾で乗った五能線の列車でさん
ざん見ていますが、自分で操作するのは、これが初めてです。

 窓から中を覗くと、車内にはかなりの乗客が乗っていました。ドアを操作する動作が不自然だった
ら笑われてしまうかな?(←くだらん(^^;)

 単にボタンを押すだけの事なんですが、私は少々ドキドキしながらボタンを押してドアを開けて乗
り込み、いかにも慣れていると言わんがばかりの自然な動作(と、自分では思った(^^;)で車内にあ
った「ドア閉」ボタンを押してドアを閉めました。

 横目で車内を見渡してみても誰も私の方を注視していないところを見ると、いちおう「合格」っつ
ーところか?(←大層な・・・(^^;)

 それはともかく、見れば空席がありません。くそっ! 来るのが遅すぎたのです。「青い海公園」
の見学を、もう少し早く切り上げりゃよかった・・・。

 仕方が無いので乗降口付近に立っていました。車内には、私の他にも7〜8人が乗降口付近に立っ
ていました。秋田までは3時間以上掛かりますが、たぶん弘前あたりで座れるでしょう。

 この列車には車掌が乗っていましたが、発車後の車内放送によると、途中の弘前〜大館間はワンマ
ン運転になるとの事でした。へー、この辺は、そーゆーやり方もするんだ。

 最初の停車駅は「新青森」と言う駅でした。ふつう「新」が付く駅は、周辺の人口増加など何らか
の理由により既設路線の途中に増設される駅ですから、「新しくて立派」と言うイメージが私にはあ
るのですが、車窓から見える駅は、単線の線路脇にホームが片側一線しかない、ごくフツーのローカ
ル線の無人駅でした。しかも駅周辺には、それほどたくさんの民家もありません。いったいどーゆー
意味での新駅なんかいな?

 この時の私は、存在意義不明の新青森駅に首を傾げるばかりでしたが、後日、調べたところでは、
この駅は、現在計画されている北海道新幹線の起点駅になる予定なんだそうです。

 北海道新幹線は当然の事ながら、現在、延線中の東北新幹線とジョイントされる予定ですが、青函
トンネルの青森側出入口の位置の都合によりルートが青森駅を経由出来ない為、その代わりとして青
森駅より約4キロ東に、この新青森駅を建設したとの事です。

 「新青森駅完成予想図」によると、将来、北海道新幹線が建設された暁には、同駅は高架の新幹線
と奥羽本線がクロスする一大ステーションへと変貌を遂げるそうです。

 新青森の次の津軽新城駅では、対面のホームに乗客が乗っていない新型特急車両E751系の試運
転列車が停車していました。

 E751系は、すでに既存の特急『はつかり』の何本かに車両が充当されていたはずなので、この
時の私は、わざわざ試運転する意味が分からなかったのですが、今から思えば、この列車は、新幹線
延線開業後に走り出す特急『スーパー白鳥』や『白鳥』と共に新設される特急『つがる』用の新造車
両だったのかも知れません。

 津軽新城から2つ隣の大釈迦駅に停車した際には、先発している特急『かもしか4号』が故障のた
めこの先の駅で停止しているため発車出来ないとの車内放送がありました。おいおい、大丈夫なんか
いな?

 そう言えば、旅行記第7弾で秋田から東能代に移動する際に利用した特急『かもしか3号』は、オ
リジナル色に再塗装されてはいたものの、車両は初号車製造から34年が経過している旧式な485系
だったので、そろそろガタが来ているのかも知れませんね・・・。

 それはともかく、各停で行く場合、秋田で次の列車への乗り継ぎ時間はわずか6分しかないのです。
余り長く止まっていられると・・・。

 私がやきもきしていると、幸いにもトラブルが解決出来たとの放送があり、5〜6分程度のお遅れ
で列車は走り出しました。やれやれ。

 その後、途中の駅で多少の乗降はあったものの、乗客数にはほとんど変化がないまま青森出発50分
後に列車は弘前駅に到着しました。

 予想通り弘前では大勢の乗客が降り、私は座る事が出来ました。車掌もここで降りて、ここからは
得意のワンマン運転に入りました。

 その後、656Mは順調に走り、大館駅で再び車掌が乗り込んだ後、約4分遅れで終点の秋田駅に
到着しました。

 次に乗るのは、17:32秋田発・酒田行の快速『こよし6号』ですが、すでに発車時刻が来ています。
私は早足で陸橋の階段を登り、『こよし6号』が停車しているホームに降りると、写真も撮らずに列
車に乗り込みました。

 しかし、すぐに聞こえてきた車内放送によると、雪の影響でこの列車は発車が5分程度遅れるとの
事でした。なんやぁ、急いで損した。

 快速『こよし6号』の車両は、青森から乗って来た656Mとまったく同じ701系でした。私と
しては地方色に塗装された旧型の113系あたりを期待していたのですが・・・。

 車内は、ほぼ満席であり、またしても私は立って乗るハメになりました。ここから先の路線は乗降
頻度の予測がつきません。果たして私は座れるのでしょうか・・・?

 結局、『こよし6号』は5分遅れで秋田駅を出発しました。酒田駅での次の列車への乗り替え時間
はたっぷり53分もあるので5分程度の遅れは屁でもありません。

 秋田を出て列車が次の羽後牛島駅に着くと、そこそこの乗客が降りて座る事が出来ました。その次
の新屋駅では乗客がごっそり降りて、車内は一気に閑散となりました。ふーむ・・・。

 ガラガラになった車内で私は目を閉じました。青森→秋田間の乗車で2時間ばかし寝た私は、いい
加減、眠り飽きてはいたのですが、もはや日が落ちて車窓からは何も見えなくなっていたため目のや
り場が無く、さらに小説の類も持って来ていなかったのでする事がありませんでした。秋田→酒田間
の乗車時間は約1時間40分です。まぁ一眠りもすりゃ着いているでしょう。

 どのくらい時間が経ったでしょうか、軽くうとうとし始め、何度か意識が行ったり戻ったりしてい
たところで駅着の放送がありました。

 「次は・・さかたー。次は・・さかたー」

 おっと、もう終点の酒田に着くのか。私は目をしばたいて意識をハッキリさせました。

 列車が駅に停車すると、周囲にいた乗客が一斉に立ち上がり、私も皆さんについて列車から降りま
した。

 ホームに降りて右にある陸橋の方を向いた時、列車の中に降りていない乗客がいるのが見えました。
あれ? なぜに? ここは終点のはずなのに・・・?

 私が戸惑っている内にドアが閉まり、列車は発車して行きました。まるで途中の停車駅から発車し
て行くような勢いで・・・。

 <これはもしかして・・・> 私は恐る恐る駅舎の方にある駅名標を見ました。すると・・・。

さかた(象潟)』

「オー・マイ・ガッ!!」\(*o*;/

 やっっっちまった・・・・、寝ボケていて見事に聞き違えちまったい! ったく、紛らわしい名前
を付けるなっちゅーの!(←八つ当たり(^^;)

 悪い事にバックアップ出来る後続列車がありません。行ってしまった列車が『ムーンライトえちご』
への最終連絡だったのです。

 私は頭が真っ白な状態で他の乗客の後に従ってトボトボと陸橋を登り始めました。陸橋を降りると
10メートルほど先の左手に改札がありました。

 他の乗客たちは、さっさと改札を出て行きましたが、私はそこで立ち止まりました。ここはいった
いどこなんだ?

 カバンから時刻表を取り出して路線図のページを開き、『象潟』なる駅を探して見ると、村上から
5つ手前にその駅名がありました。なんと、まだ秋田県内にいたのです。

 見ると、改札にいた駅員がホームにひとりだけ残っている私の方を不審げに見つめていました。と
りあえず外に出なければ・・・。

 まだショック状態から抜け切れていなかった私は駅員に切符を渡してそのまま通ろうとすると、切
符を見た駅員は「ちょっと待って下さいね」と言って切符に途中下車印を押して返してくれました。

 「いわく付き」になってしまった青森→村上の乗車券
です。右上にチョコっと見える楕円形の印が象潟駅の途
中下車印です。(^^;

 改札を出たところで壁に掲示されている時刻表を眺めて見ましたが、やはり酒田での接続列車に間
に合う時間の列車はありません。くそっ!

 こりゃもうタクシーしかないでしょう。とりあえず外にあったトイレの「大」のところに入って時
刻表で象潟→酒田間の距離を調べて見たところ40キロほどでした。

 タクシーで40キロとなると1万円以上イカれるのは確実ですが、この際、なりふり構っちゃいられ
ません。問題は県境越えで行ってくれるかどうかでしょう。

 トイレから出て、そこそこ広い駅前ロータリーを見回してみましたがタクシーは見当たりません。
彼方にタクシーの屋根の上に付いている社名ランプらしきものが見えたので、そちらへ向かって歩き
出そうとしたところ、目の前にタクシーが滑り込んで来ました。

 列車が着く時間帯では無かったので、そのタクシーの運ちゃんは、車を止めると、のんびりと客待
ちの体勢に入ろうとしていたので、私は窓をノックしました。

 振り向いた運ちゃんが驚いてドアを開けたところで私は尋ねました。

 私「酒田までって行ってもらえますかね?」

 運ちゃんがうなずいたので、私は後部座席に乗り込みました。

 私「じゃあJRの酒田駅までお願いします」

 夜の7時台にJRの駅にいて「別のJRの駅までお願いします」も無いもんだ。(^^;

 運ちゃん「しょう£¢☆§∋∬Å∇仝★‡ζξШБ?」

 私「はい?」

 早口の東北弁なので何を言ってるのかさっぱり分かりません。

 運ちゃん「酒田の∽ヰфб〓ホテル∩∀¬ητюЫ▼∠≡?」

 どうもホテルがどうとかと言ってるようですが、やはりさっぱり分かりません。

 私「いや〜、実は電車に乗り遅れちゃいましてねぇ。酒田から先の電車の切符を買っちゃってる
   んで何とかして行きたいんです・・・」(^^;

 運ちゃん「どうスても乗りだい列車なんがね?」

 おおっ、今度は分かった。

 私「ええ、乗り遅れたら帰れなくなっちゃうんです」

 運ちゃん「あぁ、そぉ」

 そしてタクシーは酒田へ向けて走り始めました。人の良さそうな運ちゃんが話し掛けて来そうな雰
囲気でしたが、今の私は会話を楽しむような気分ではありませんでした。

 幸い運ちゃんは話し掛けては来ませんでした。タクシーの車窓から見える外は大荒れで吹雪いてお
り、路面には薄く雪が積もり始めていました。

 途中で前方にトロい軽四が現れて行き足を鈍らされましたが、酒田からの接続列車が出るまでは、
まだ1時間以上あったので、じゅうぶん間に合うでしょう。

 30分ほど走って県境を越えて酒田市内に入り、道幅が広くなったところに出ると、左手前方の暗闇
に中に数珠繋ぎになった光点が二組、右の酒田方向へ向かって進んで行くのが見えました。推察する
までもなく『こよし6号』です。アレに乗って行くはずだったのに・・・。(^^;

 間もなく、タクシーはJR酒田駅前に到着しました。予想通り料金は1万円を越えています。する
と運ちゃんは、まだ駅前ロータリーにも入っていないのに料金メーターを止めてしまいました。ひょ
っとしたらサーヴィスしてくれたのかも知れませんね。いい人やぁ・・・。(^^;

 腕時計を見ると、村上行の列車が出るまでは、まだたっぷり20分以上あります。私は、料金にタバ
コが買えるぐらいの心付けを加えて運ちゃんに渡しました。

 運ちゃん「おぎをづけて」

 テレビか何かで見ましたが、タクシーの運ちゃんから見ると、3000円以上で「上客」。7000円を超
えると「ウハウハ」だとか・・・。そうなると今回の私はVIP待遇ですな。(^^;

 余分な出費でしたが致し方ありません。ドジった「授業料」は高くつきましたな。ま、終わり良け
ればと言う事で・・・。(^^;

 羽越本線の酒田駅です。この駅は特急『いなほ』の起
点駅でもあります。本来ならば、この駅は乗り換えだけ
で駅舎を外から眺める予定は無かったのですが。(^^;
【秋田県・酒田駅】

 酒田駅に入ると、改札越しに『こよし6号』だったとおぼしき701系の列車がホームに停車して
いるのが見えました。

 ここからは、20:07発の村上行・普通列車834Dに乗りますが、改札はまだ閉まっていました。
例によって列車の発車時刻が迫らないと開けないのでしょう。

 私は暖房の効いた駅の待合室で待つ事にしました。タクシーに乗っている時に聴いたラジオの情報
では、雪に加えて防風波浪警報が出ているとの事で、どうやら大荒れになりそうな模様です。この時
の外気温は3度でした。

 しばらく待っていると、20:04発の下り吹浦行・普通列車の改札を行う構内放送があり、それに続
いて上り村上行834Dの改札開始も告げられました。

 私は待合室から出ると、途中下車印の押された切符を見せて改札を通りました。象潟で回収されな
くて良かった・・・。象潟の駅員さんに感謝。(^^;

 834Dが停車している「島」の対面ホームには、"元"『こよし6号』らしき701系がおり、私
は溜息をつきながらその列車を見つめました。

 村上行834Dと同じ「島」のホームに停車していた
"元"『こよし6号』です。おそらく、このあと折り返し
21:11発の秋田行・普通列車563Mになるのでしょう
【山形県・酒田駅】

 さてと、青森→秋田、秋田→酒田と電車を乗り継いで(?)来ましたが、ここから村上までは、電
化されているのにも関わらず気動列車となります。

 鉄道ファンHPの記事によると、これはこの先の間島←→村上駅間で電源の方式が交流から直流に
切り替わる為の措置なんだそうです。

 特急車両である485系や寝台特急『日本海』を引っぱるEF81型電気機関車は交直流両用なの
で、この間を通過して運行する事が出来ますが、交流専用車両である701系は村上方の直流区間に
乗り入れる事が出来ない為、この区間の普通列車は電源方式とは無関係の気動列車が運行されている
との事です。まぁ鉄道の世界には色々とあるんですな。

 ともあれ、気動列車が好きな私としては、この列車に乗る事は青森から村上までの普通列車移動に
おける楽しみのひとつでした。

 酒田駅に停車中の20:07発・村上行・普通列車834
Dです。先頭車はお馴染みのキハ47系でしたが、これ
また独特の塗装が施されていました。
【山形県・酒田駅】
 見ると、2両目はキハ40系でした。キハ47とキハ
40は構造的に混結可能と聞いていましたが、なぜか塗
装が違いますな。
【山形県・酒田駅】
 ふと見ると、離れたホームに気動列車が停車していま
した。これは陸羽西線のキハ110系でしょうか?
【山形県・酒田駅】

 外回りの撮影を終えると、私は834Dの先頭車に乗り込みました。乗客はたった3人しかいませ
んでしたが、皆さん車両中程のボックス・シートに座っていたので、私は車両後部に一組だけ離れて
配置されていたボックス・シートの左側のシートに座りました。

 先頭車キハ47系の車内です。キハ47系は旅行記第
8弾の可部線でも乗りましたが、可部線の同車両と比べ
ると、ボックス・シートの数がずいぶんと多いですね。
キハ40、47系は地方によって座席配置のヴァリエー
ションが異なると聞いていましたが、これがまさにそれ
なんですな。
【羽越本線・村上行・普通列車834D車内】
 2両目のキハ40系の車内は、何と車両全通の超ロン
グ・シートでした。こんなに長いロング・シートを見る
のは初めてです。座席の半数以上がボックス・シートの
1両目とはエラい違うシート配列ですな。
【羽越本線・村上行・普通列車834D車内】

 車内で待っていると、雨音(と、言うか、みぞれ音?)が異様に大きくなったのに気がつきました。
外を見ると、案の定、大粒の雹(ひょう)が降り始めていました。こりゃ大荒れになりそうだ。

 座席に着いてほどなく発車時間を迎え、834Dは酒田駅を発車しました。発車後の車内放送では
『ムーンライトえちご』への連絡を行う旨がアナウンスされました。

 酒田から二つ目の駅である砂越を出たところで列車は徐行を始めました。時速は20〜30キロぐらい
でしょうか、ずいぶんとゆっくりです。

 間もなく、強風のため徐行運転をしているとのアナウンスがありましたが、村上までは、まだまだ
100キロ以上もあるのに、こんな調子で着くんかいな?

 834Dは砂越駅を出て徐行を始めました。ふと右側
(海側)を見ると、窓に雪が叩きつけられるように吹雪
いていました。
【羽越本線・村上行・普通列車834D車内】

 延々と徐行運転を行った列車は、やがて余目駅に到着しました。余目からは新庄へと延びる陸羽西
線が分岐しており、隣のホームには同線の列車であろうキハ111系が停車しているのが見えました。

 ここまでの途中駅での乗車はまったくなく、車内は閑散としていました。また、予想に反して暖房
が効いておらず、私は座席の中で縮こまっていました。てっきり北方を走る列車は存分に暖房を効か
せているとばかり思っていたのですが・・・。

 鶴岡駅でようやく数人の乗客が乗り込んで来ました。見ると、右隣のホームには、酒田行のL特急
『いなほ』が止まっているのが見えました。しかし、時刻表によると、この時間に鶴岡にいる『いな
ほ』は無いので、これはたぶん遅れている『いなほ11号』なのでしょう。

 鶴岡から6つ目の、あつみ温泉駅到着前に、また徐行が始まりました。おいおい、村上駅で「えち
ご」への乗り替え時間は、たった5分しかないんやで。こんな調子じゃ「えちご」への連絡どころか
今日中に村上に着くかどうかも怪しいもんだ。

 しかし、車重が1両で38トンもあるとは言え、狭軌幅の線路上を走る列車は、関取が一本の丸太
橋の上を渡っているのと同じようなものなんでしょうな。そうなると、横風もバカにはならないって
分けですね。

 徐行したまま、あつみ温泉に着いて見ると、何と対面ホームに寝台特急『トワイライト・エクスプ
レス』が止まっているのが見えました。

 あつみ温泉駅では、何と我が憧れの寝台特急『トワイ
ライト・エクスプレス』と会合しました。
【羽越本線・村上行・普通列車834D車窓より】
 よく分からないと思いますが、深緑に塗装された『ト
ワイライト・エクスプレス』の客車です。
 画像中央やや左には、車体中央に描かれているエンブ
レムが見えます。
【羽越本線・村上行・普通列車834D車窓より】

 あつみ温泉は「トワイライト」の停車駅には入っていないので、ここで止まっていたのは、たぶん
列車交換の為でしょう。

 この時間帯に日本海側の上り列車に乗っていれば「トワイライト」と会合するのは珍しい事ではな
いと思いますが、何かちょっと感激です。(^^;

 しかし、普通列車である834Dが天下の『トワイライト・エクスプレス』を待たせるたァ面白い
事もあるもんですな。

 あつみ温泉の辺りから、ようやく車内が暖まって来ました。果たして暖房が効いてきたのか、それ
とも私が寒さに慣れたのか・・・。

 その後は徐行する事もなく列車は走り続けましたが、結局、834Dは、若干遅れて村上駅に到着
しました。

 『ムーンライトえちご』は隣のホームで待っていましたが、すでに発車時刻を過ぎており、いつ発
車するとも分からなかったので、私は急いで地下連絡道を通り、乗り込む直前に写真を一枚撮ると車
内に入りました。

 23:31村上発・新宿行の快速『ムーンライトえちご』
の指定券です。同列車は新潟→新宿間は全席指定となる
為、同区間を乗るには指定券が必要です。
 村上駅に停車中の快速『ムーンライトえちご』です。
通常は3両編成で運行されているのですが、この日は6
両編成でした。
【新潟県・村上駅】
 『ムーンライトえちご』の車内です。オリジナルの1
65系の座席はボックス・シートであり、内装は113
系や115系と大差ないものなのですが、改造されたこ
の「えちご」用車両は、まるで特急みたいな雰囲気です
【快速『ムーンライトえちご』車内】
 改造車である「えちご」用車両の座席は古いグリーン車用座席に
換装されており、座り心地は良好です。
【快速『ムーンライトえちご』車内】
 窓はオリジナルの165系のままであり、レバーを握って持ち上
げれば開けられるタイプです。
【快速『ムーンライトえちご』車内】
 荷物置きの下部に設置されている読書灯です。これっ
てグリーン車用の設備ですな。
【快速『ムーンライトえちご』車内】

 大急ぎで乗り込んだと言うのに、強風の影響で発車が9分ほど遅れるとの車内放送がありました。
先頭車の写真も撮らずに乗ったのに・・・。

 放送では、遅れを取り戻すために新潟駅の停車時間(予定では7分)を短縮するとの事でした。曰
く、「お買物は当駅でしておいて下さい。新潟駅では買物する時間はありません」でした。

 さてと、では遅ればせながら快速『ムーンライトえちご』の説明です。同列車は、新宿と新潟県村
上駅間を1日1往復運行されている夜行の快速です。

 上り下りとも新宿←→新潟間は全席指定となりますが、新潟←→村上間は全車自由席の通常快速と
して走ります。

 車両は初号車製造が1963年と言う旧式な165系ですが、改造によって内装はグリーン車並になっ
ています。ざっとですが、これが「えちご」です。

 今回、「えちご」に乗りに来たのは、この列車が定期運用としては唯一(そしてたぶん最後)の1
65系列車だったからです。

 本当はオリジナルの165系に乗りたかったのですが、残念ながら、すでに全国で定期運用から外
されていました。

 ま、能書きはここまでとしまして。『ムーンライトえちご』は9分遅れで村上駅を出発しました。
834Dと違い、こちらの車両は充分に暖房が効いていました。良かった・・・。

 村上を出た時には、乗客は私を入れてたったの5人しかいませんでしたが、たぶん新潟からドドっ
と乗って来るのでしょう。

 これは細かい事なんですが、「えちご」は新潟駅で進行方向が変わります。村上から新潟に至るま
での白新線と、新潟から長岡(新宿)方面へ向かう信越本線が同一方向から新潟駅に入るよう配線さ
れている為、「えちご」は入線して来た方向に出発して行く事になるのです。

 これは鉄道界ではスイッチバックと呼ばれる動作なのですが、かつて旅行記第3弾で乗ったL特急
『はつかり10号』が途中の青森駅でスイッチバックした時は、乗客が手動で座席を回転させました。

 「えちご」の場合はどうするのだろうかと思っていたら、何と座席が向いているのとは逆方向(バ
ック)で村上駅から出発しました。

 なるほど、これならば新潟で座席を回転させる必要はありません。その代わり、新潟に着くまでの
約1時間は後ろ向きの乗車となりますが、別に私は気になりませんでした。

 列車が走り始めると、窓の下からジワジワと雨水が染
み込んで来ました。古い車両だけあって、さすがに少々
傷んできてますな。
【快速『ムーンライトえちご』車内】

 結局、「えちご」は7分遅れで新潟駅に到着しました。ここでは10人ほどの乗客が乗って来て車内
はいくぶん賑やかになりましたが、相変わらず座席はスカスカです。こんな乗車率なのに増結する必
要があったのでしょうか?

 「えちご」は、ここで停車時間を切り詰め、4分遅れで新潟駅から発車しました。新潟では車外に
は出なかったので天気の具合は分かりませんでしたが、どうやら雪から雨に変わった様子です。

 新潟を出て最初の停車駅は新津です。ここはかつて旅行記第3弾で寝台特急『日本海1号』に乗っ
ていた時にも停車しました。

 新津駅です。18分間の停車とあって、ホームの自販機にジュース
を買いに行く人もいました。
【快速『ムーンライトえちご』の車窓より】

 車内放送によると、何とここでは18分も停車するとの事でした。また、停車中に車内灯が減光され
ました。もう時間は23時半ですから、寝ている人もいますわな。

 発車時刻が迫った頃、再び車内放送がありました。何でも「えちご」と連絡する新潟行の普通列車
が22分も遅れており、その都合で発車が遅れるとの事でした。

 まぁ、この天気じゃ仕方ないでしょう。この先の旅程には、もう予定している乗り替え列車も無い
ので、いくら遅れてくれても構いません。

 結局、新潟行・普通列車は「予定通り」の遅れで到着し、「えちご」は数分遅れて新津駅から出発
しました。もっとも、この普通列車から「えちご」に乗り替えた乗客は見えませんでしたが・・・。

 22分遅れて新津駅に到着した新潟行・普通列車です。
これは信越本線の461Mでしょうか?
【快速『ムーンライトえちご』の車窓より】

 新津を出ると横殴りの雨が降ってきました。この調子だと、後にしてきた東北方面は大雪になって
いるのではないでしょうか?

 次の停車駅である加茂では2人乗って来ました。加茂を出て6分で東三条へ到着。ここでは3人乗
って来ましたが、その内の2人は雰囲気からして「鉄っちゃん(鉄道マニア)」みたいでした。

 さらに10分走って見附駅に停車。ここでは3人乗って来ました。このようにこまめに停まるところ
が快速たる所以ですな。

 見附から10分で「えちご」は上越新幹線の停車駅でもある長岡に到着しました。ここでは4人乗っ
て来ました。

 予定では「えちご」はここで22分停車する事になっていましたが、それを短縮して遅れを取り戻す
ようです。

 停車中にホームで流れていた構内放送によると、この「えちご」の出発をもって長岡駅の列車は終
了するとの事でした。

 1:09に長岡駅を出たところで車内放送休止のアナウンスがありました。再開は大宮駅到着前からだ
そうです。

 次に停車するのは群馬県の高崎駅で、その間、約2時間半はノン・ストップの運行となります。ふ
と車内を見渡すと、この時点で乗車率は40%と言うところでした。

 そろそろ私も眠くなって来たので観察をやめて寝る事にしました。ここから先は「自然」に目が覚
めるまで寝る事にしましょう・・・。

 突然、大音量の車内放送で叩き起こされました。気が付けば、もう大宮到着前です。どうやら熟睡
していたせいで高崎駅の着発には気が付かなかったようですな。

 大宮駅では、そこそこの人数が降りました。見ると、いったん降りた女性2人組が大慌てで車内に
戻って来ました。どうやらバッグを忘れたようです。2人はバッグを掴むと発車寸前に列車から飛び
降りました。あぶねぇなぁ・・・。

 次の池袋でもけっこうな人数が降り、池袋を出た時には、乗客は私を入れても5人しかいませんで
した。

 列車は停止信号により新大久保駅でいったん停車しましたが、その後は何事もなく、『ムーンライ
トえちご』は、村上駅を発車してから6時間43分後、終点の新宿駅に到着しました。お疲れさまでし
た〜。

 新宿駅の7番ホームに到着した快速『ムーンライトえ
ちご』です。これがかつて「急行型」と呼ばれた165
系です。この塗装は「えちご」専用のものです。
【東京都・新宿駅】
 「急行型」である165系には、このようにデッキがあるのが特
徴です。
【東京都・新宿駅】
 デッキ横の乗務員室です。あと、緑色のJRのロゴが珍しかった
ので撮りました。(^^;
【東京都・新宿駅】
 旧型の車両であるだけに、行先表示は「看板」です。
その下には車両の型式「クハ165」と車両番号の「1
05」の文字が見えます。
【東京都・新宿駅】

 さて、これで今回の目標は完遂です。そんでは、とっとと大阪に帰りましょう。

 新宿駅に到着する中央線の東京行・普通列車です。中
央線で区間運転が行われている東京←→高尾間では、4
時台から列車が運行されています。
【東京都・新宿駅】

 人影もまばらな東京駅に着いた私は、新幹線の自動券売機のところに行きました。座席での6時間
半を越える乗車と数時間しか眠れなかったせいで私は少々疲れていたので、東京からの帰りはちょっ
と贅沢して『のぞみ号』で帰る事にしました。

 大阪まで帰る新幹線として選んだのは東京発の1番列
車となる栄光の『のぞみ1号』でした。偶然にも、座席
は往路の『のぞみ』と同じA席1番でした。
 今回の2本目、「朝の1杯」用に東京駅の自販機で購入した、ジェイアール
高崎商事の『大清水セレクト・コーヒー/スタンダード』です。同社の「大清
水シリーズ」の1本で、売りは谷川岳の清水を使用しているところです。で、
味は、まぁ普通のちょっと甘めのコーヒーでした。(私は好きです)

 『のぞみ1号』の車内に流れていたテロップのニュースによると、宮城県以北で高速道路が断続的
に通行止めになっているとの事。どうやら私が東北地方を離れて以降、雪はどんどんひどくなってい
る様子ですな。

 しかし、この雪も東海道新幹線の運行には支障を与える事なく、『のぞみ1号』は定刻の8:30に新
大阪駅に到着しました。

 新大阪駅から出発して行く博多行の『のぞみ1号』で
す。往復とも500系に乗れるとは珍らしいですな。
【大阪府・新大阪駅】

 500系の写真を撮って今回の撮影も終了と思い、カメラをカバンにしまい込んで大阪行の列車に
乗るべく在来線ホームに降りて見ると、列車の案内表示に『赤穂レジャー号』なる見慣れぬ列車の名
前が出ていました。

 この列車は何だろうかと首を傾げている内に列車の到着案内放送が流れてきたので、私は慌ててカ
メラを取り出して『赤穂レジャー号』の写真を撮りました。

 新大阪駅に到着する『赤穂レジャー号』です。土曜、
日曜、休日に滋賀県の野洲駅と兵庫県の播州赤穂駅間を
1往復のみ運行される臨時の普通列車です。車両は22
3系で、愛称が付いている以外は特に何もない普通列車
です。
【大阪府・新大阪駅】

 大阪駅で『赤穂レジャー号』から降り立ち、今回の「旅」は終了となりました。駅名を聞き間違え
て途中下車し、タクシー代で散財する大失態などもありましたが、とりあえず目的は果たせました。

 12月になって東北新幹線の盛岡←→八戸間が開業すると、今回乗った快速『海峡号』や旅行記第
3弾で乗ったL特急『はつかり』は廃止になってしまいます。

 それと、間抜けな事に、これは後から知ったのですが、今回の往路で乗った寝台特急『はくつる』
も廃止になるとの事でした。

 『はくつる』には、都合、B寝台に2度乗りましたが、いずれも単に移動のために乗っただけなの
で、いずれはA寝台個室に乗って本格的に堪能したいと思っていたのですが、それも出来なくなって
しまいました。

 同列車に2度乗った時は、いずれも満席に近い乗車率だったので、けっこう人気があるように見え
たのですが、廃止されてしまうと言う事は、平日の乗車率が低かったのかも知れませんね・・・。い
ずれにせよ残念です。

 廃止になる列車がある一方で、新たに東北新幹線『はやて号』、在来線の特急『白鳥』、『つがる』
などが走り始めますが、快速『海峡号』のような古き良き列車や貴重な寝台列車が消えて行くのは、
実に悲しいですね・・・。

 最後に、今回の「旅」の動機となった夜行快速『ムーンライトえちご』の165系車両の置き換え
は行われず、この記事を書いている現在も元気に走っていました。実に皮肉な事です。

 『列車まかせの旅』第9弾、おわり。


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