2009年6月21日掲載
『列車まかせの旅』第32弾(2005年6月25日)


プロローグ

 今回の「旅」の目的は、JR中央本線を走る特急『スーパーあずさ』、JR大糸線を走るJR現役
最古の気動車キハ52形、寝台特急『北陸』、成田空港アクセス特急である京成電鉄『スカイライナ
ー』とJR『成田エクスプレス』などの乗車です。

 「旅」の2日前に、いつものように大阪駅の、みどりの窓口に切符を買いに行きました。購入しよ
うとしたのは、各列車の指定券類に加えて下記経路の乗車券です。

 1.東京→中央本線→篠ノ井線→大糸線→糸魚川→北陸本線→金沢
 2.金沢→北陸本線→信越本線→上越線→高崎線→東北本線→上野

応対したのは若い女性係員でしたが、彼女には、この複雑な経路の発券は荷が重かったようで、「少
しお時間を頂けますか?」と私に告げると事務室に引っ込んでしまいました。ふっふっふ。

 ま、それはともかく、「旅」当日となりました。それでは出発しましょう。

 大阪駅に停車中の京都行・普通列車です。車両は20
1系。時間は朝の5:23、さすがにホームに人影は見えま
せん。
【大阪府・JR大阪駅】

 今回、東京に向かう新幹線は始発ではなく6:16発の『のぞみ102号』にしたのですが、それでも
余裕を見過ぎて早く新大阪に着いてしまいました。

 仕方がないので、ホームの自販機で、東海道新幹線エリアでしか買えない缶コーヒー『J'sブルー
マウンテン・ブレンド』を買い、それをチビチビ飲りながらベンチで待つ事にしました。

 待つ事しばし、『のぞみ102号』は定刻の3分前に入線して来ました。乗降口脇では、アテンダ
ントの女性が、乗り込む乗客にうやうやしく頭を下げていました。

 新大阪駅に停車中の『のぞみ102号』です。車両は
700系。
【大阪府・JR新大阪駅】

 列車は定刻に新大阪から発車。我が車両の乗車率は10%ほどでしょうか。動き出してから30秒
と経たずに検札が来ました。

 道中、特に「イヴェント」もなく、列車は8:46に終点の東京駅に到着しました。それでは特急『ス
ーパーあずさ11号』に乗るべく新宿まで移動しましょう。

 東京駅の中央線ホームに停車中の高尾行・中央特快で
す。車両は201系。
【東京都・JR東京駅】

 15分ほどの乗車で列車は新宿に到着。新宿は仕事の関係でよく訪れた駅であり、「旅」において
も来た事はありますが、駅の写真は撮ってなかったので、私は、まず改札を出ました。

 新宿駅です。JR山手線、中央本線、埼京線、湘南新
宿ライン、東京メトロ・丸ノ内線、都営地下鉄・大江戸
線が通るほか、京王電鉄・京王線、京王新線、小田急・
小田原線、都営地下鉄・新宿線の起終点駅です。1日の
乗降数は、JRが(乗車数)78万人、小田急が50万
人、京王が74万人、都営地下鉄が39万人、東京メト
ロが24万人。世界一の乗降数を誇るマンモス駅です。
【東京都・新宿駅】

 新宿駅に来ていつも思うのは、コンコースの歩きにくさです。大勢の人々が思い思いの方向に歩い
ているので、真っ直ぐ歩く事はほとんど不可能なのです。

 関西の駅だと、どんなに大きな駅でも、だいたいは人の流れが出来るような構造になっているので、
新宿のような歩きにくさを感じる事はないのです。

 そんな人波に引っ掛かりながら改札内に戻り、中央線特急のホームに向かいました。中央線の特急
ホームは、一般列車のホームとは別個になっており、エスカレータの上り下りさせられて、ようやく
辿り着きました。


第1部:「ちょっとこだわりの列車」その56/特急『スーパーあずさ11号』

 特急『スーパーあずさ』は、中央本線、篠ノ井線を経由し、新宿←→松本(1本は白馬)間で日に
8.5往復が運行されています。

 使用車両は、制御付き振り子式車両としてはJR東日本で初となるE351系特急型電車が充当さ
れており、同車は『スーパーあずさ』のみで運用されています。

 ちなみに、『スーパーあずさ』は、特急『あずさ』と共に特急「あずさシリーズ」として共通で列
車番号が振られています。

 特急『スーパーあずさ11号』の新宿→白馬の指定席
特急券です。所要時間は3時間30分。
 新宿駅に停車中の白馬行・特急『スーパーあずさ11
号』。車両はJR東日本のE351系です。振り子式車
両の特徴で、車体断面が天井に近づくほど絞られていま
す。新しい車両だけに前面にはLED式の表示器が備え
られています。
【東京都・JR新宿駅】
 運転席下の車体側面には「AZUSA」の文字。専用
車両である事を表しています。
【東京都・JR新宿駅】
 E351系の車内です。新しい特急車両らしく洗練さ
れた内装です。振り子式車両の特徴で天井の幅が絞られ
ているので、窓がやや内側に傾いているのが分かると思
います。
【特急『スーパーあずさ11号』車内】

 私が自分の席に行くと、通路側のC席には男性が座っており、窓側席に荷物を置いていました。私
が声を掛けると、彼は「すみません」と詫びて荷物を棚に上げました。その話しぶりからして、なか
なか人の良さそうな方です。

 座席に座って見ると、窓枠の下端が低く感じました。その代わり荷物棚の位置もやや低いような気
がします。

 案内放送によると列車は12両編成ですが、途中の松本駅で切り離しがあるとの事です。ほどなく
定刻が来て『スーパーあずさ11号』は新宿駅から発車。我が車両の乗車率は70%ほどでしょうか。

 窓枠下端は物が置けるようになっていませんでしたが
小テーブルが付けられており、カップ置き用の窪みもあ
りました。
【特急『スーパーあずさ11号』車内】

 新宿駅からゆっくりと発車した列車は大久保の手前で加速しましたが普通列車並みのスピードです。
この辺りは列車本数が多いので飛ばす事が出来ないのでしょう。

 それを表すようにオレンジ帯の中央(快速)線列車や黄帯の中央・総武緩行線列車と頻繁にスレ違
い、中央本線の、この区間の列車本数の多さを実感します。

 列車が三鷹を通過する際、左手の三鷹電車区の車庫線に地下鉄乗り入れ用の新型車E231系80
0番台車が停まっているのが見えました。

 三鷹を過ぎると路線は複々線から複線になりました。その先も左手で高架の工事が行われていまし
たが、複々線区間を延長しようとしているのでしょうか?

 三鷹から4駅目の国分寺駅を通過する際、ホームの高尾方の端に大勢の鉄道ファンらしき人々が集
まっているのが見えました。何か来るんか?

 次の西国分寺駅のホームにも大勢のファンの姿がありました。その先で左から南武線の線路が合流
して来ると立川駅を通過し、列車は加速しました。

 車窓からの風景は都会から郊外の住宅地に変わっていました。豊田駅手前の線路脇にも大勢のファ
ンの姿あり。気になるなぁ・・・。

 その先の左手にあった豊田電車区の車庫線には多数の201系に混じり旧国鉄色の特急車の姿があ
りました。

 そして新宿から32分で『スーパーあずさ11号』は最初の停車駅となる八王子に到着しました。
同駅の構内には、中央本線の貨物輸送を担うEF64形やEH200形電気機関車の姿がありました。
ここでは7〜8人が我が車両に乗って来ました。

 八王子を出ると高速走行に入りました。車内放送によると本日は指定席は満席との事。中央本線の
特急の乗車率が高いのは旅行記第6弾での経験から知っていました。

 列車がどこかの駅を通過する際、見ればホームは人であふれており、ヘッド・マークを付けた10
3系らしき列車が停まっているのが見えました。例のファン達の目当てはこいつか?

 高尾を過ぎると山間に入り、カーブやトンネルが増え、いよいよ振り子の本領発揮です。その揺れ
る車内で車販カートを押す女の子は苦もなく通り過ぎて行きました。さすがです。

 山間を走り、八王子から53分で列車は甲府に到着しました。同駅の身延線ホームには、東海道筋
の富士駅から、はるばる山を越えて来たJR東海の313系近郊型電車の姿がありました。ここでは
5〜6人が下車。

 ここで乗務員が交代し、車掌が女性に変わりました。案内放送によると松本まで乗務するとの事で
す。女性のやさしい声の案内放送を聞くと、何となく心が和みます。

 列車は甲府を出るとトップ・スピードまで加速して快調に走っていましたが、10分ほど経った頃、
どこかのトンネルを抜けたところで突然停車してしまいました。

 ふつう、信号待ちや交換停車だと、ゆるやかに減速してから停まるのですが、トップ・スピードか
らいきなり停車したので何とも不自然です。何かあったんか?

 少し経って「車内で異常ブザーが押されました」との放送があり、前方車両にいた男性車掌が車内
を走って後ろの車両に行きました。どうやらトラブル発生です。

 11:37頃、列車は、どこかのトンネルを出た所で停車し
てしまいました。いったい何事だ?
【特急『スーパーあずさ11号』の車窓より】

 しばらくして「チーフ、12号車へ」の放送があり、男性車掌と乗客がひとり、今度は前の車両に
走って行きました。こりゃただ事じゃなさそうやな。

 11:42、女性車掌も前の車両に向かいました。続いて「運転車掌、電話機に掛かって下さい」の放送。
いったい何が起こっているのだろう?

 11:46に車内で急病人ありの放送。それから2分後に列車は走り始めましたが、ほどなく、日野春駅
に臨時停車しました。

 案内放送によると「急病人の救護のため」であり降りられませんとの事。見ればホーム上を駅員が
何か持って前方の車両に向かって行き、間もなく救急車のサイレンも聞こえて来ました。

 日野春駅では、なぜか右手の停車線にオール2階建て
の近郊型電車215系が停まっていました。(写真では
よく見えませんが・・・)
【特急『スーパーあずさ11号』の車窓より】
 日野春駅停車中に取ったスナップです。駅周辺には、
これと言って何もなさそうに見えます。
【特急『スーパーあずさ11号』の車窓より】

 この記事を書きながら考察して見ると、列車が緊急停車したのは韮崎(にらさき)駅を過ぎた辺り
かと思われます。

 運転を再開して最寄りの駅に停まらず日野春まで走ったのは、途中にあった新府と穴山の2駅が無
人で駅員の救護が得られなかった為でしょう。

 停車してからほどなく、12:00に列車は日野春駅から動き出しました。すぐにお詫びの放送があり、
併せて列車が18分遅れている事と、この先の途中駅での接続列車については後ほど案内する事が告
げられました。

 しばらくしてまた放送があり、列車遅れのため上諏訪で接続するはずだった長野行・普通435M
との接続は行わない事になり、その救済措置として本日に限り下諏訪、岡谷に臨時停車するそうです。
尚、普通435Mには塩尻で追いつく予定との事。

 その後、列車は問題なく走り続け茅野に停車。同駅では5〜6人降りました。ここで案内放送があ
り、塩尻では列車接続を行うそうです。

 5分走って上諏訪に着。ここは旅行記第6弾で豊橋行の飯田線列車に乗った駅であり、構内には1
15系や105系の姿がありました。同駅では我が車両から数人が降りました。

 上諏訪を出たところで車販が来ましたが販売されているのはホット・コーヒーのみでした。後の商
品は売れてしまったのでしょうか?

 束の間、左に諏訪湖を見てから12:33に下諏訪に臨時停車。同駅では『スーパーあずさ16号』と思
しきE351系と交換しました。

 12:37に次の岡谷に臨時停車。同駅では対面ホームに飯田行の飯田線・普通230Mと思しき列車が
停まっていました。同列車は12:30発だったので、我が『スーパーあずさ』を待っていたのでしょう。
ここでは数人が下車。

 岡谷を出たところで、松本での編成切り離しに備えて4号車←→5号車間の切り離し準備が始まり
ました。案内放送によると、本来は松本で接続する予定だった名古屋行の特急『しなの12号』とは
塩尻で接続するとの事。

 塩嶺トンネルを抜けて、みどり湖駅を通過。案内放送があり、同駅で降りる人は塩尻で中津川行に
乗るようにとの事ですが、中津川は名古屋方面だから、みどり湖は通らないのだが・・・。

 間もなく、名古屋方面から来た中央(西)線が左から合流すると列車は塩尻に臨時停車。同駅での
乗降はありませんでした。

 塩尻市は、ブドウとワインの里であり、塩尻駅のホー
ムにはワイン樽や、写真に写っているようなブドウ棚が
設えてありました。
【特急『スーパーあずさ11号』の車窓より】

 塩尻を出て松本駅の手前まで来たところで左の側線にJOT(日本オイル・ターミナル)所有のタ
ンク車が多数停まっているのが見えました。

 12:55に列車は松本に到着。同駅では大勢が降り、我が座席の通路側席にいた「相方」も降りて行き
ました。ここで乗務員も交代。急病人やらダイヤ乱れやらで大変だった事でしょう、お疲れ様です。

 松本で席が空いたところで撮ったE351系の座席で
す。座面は柔らかくてフィット感があり、座り心地は良
好です。
【特急『スーパーあずさ11号』車内】

 松本で4両を切り離した『スーパーあずさ11号』は23分遅れで発車しました。列車は北松本を
過ぎたところで篠ノ井線から左に分かれ大糸線に入りました。

 ちなみに、松本から大糸線に乗り入れる「あずさシリーズ」の特急は、『あずさ3号』と我が『ス
ーパーあずさ11号』の2本のみです。

 路線は西に向かい、梓川を渡ると北へと向きを変えました。松本から11分で豊科に着。同駅での
乗降はありませんでした。

 さらに5分で穂高に停車。同駅は長野県における有数の観光地のひとつ安曇野へのアクセス駅です。
ここでは4人下車。

 穂高を出ると左前方に山頂に雪を頂いた高い山が見えました。ひょとしてあれが立山でしょうか?
路線は山間の平野を走ります。信濃常盤駅通過時には、停車中の普通列車を追い抜きました。

 間もなく信濃大町に到着。同駅は、かの有名な立山黒部アルペン・ルートの玄関駅でもあります。
同駅では隣のプラットフォームに南小谷行の普通335Mが停まっていましたが、乗り継ぎ時間は僅
かしかありません。ここではふたり下車。

 信濃大町を出ると両側から山が迫り、しばらく行くと、左手に湖が見えました。

 信濃大町を出てしばらくの所で見えた湖、仁科三湖の
ひとつ木崎湖です。
【特急『スーパーあずさ11号』の車窓より】
 木崎湖付近で見えた、いかにもリゾート地っぽい建物
です。写真をよくよく見ると、手前の柵に囲われた中に
白い犬がいました。別荘じゃなくて地元の民家なのでし
ょうか?
【特急『スーパーあずさ11号』の車窓より】

 木崎湖の先の簗場駅付近では左手に小さなスキー場がありました。また、同駅は仁科三湖の中では
最も小さい中綱湖の畔にあります。

 中綱湖を過ぎてすぐ、左手に仁科三湖で最大面積の青木湖が広がっていました。同湖の周辺にはス
キー場が4つ固まっています。

 その先で山間の開けた場所に出ると、列車は、ほどなく終点の白馬駅に23分遅れで到着しました。
新宿からは3時間30分+23分の乗車でした。

 白馬到着前に左手に雪を頂いた高い山が見えました。
これは白馬岳なんでしょうか?
【特急『スーパーあずさ11号』の車窓より】
 白馬駅の3番線に到着した特急『スーパーあずさ11
号』です。
【長野県・JR白馬駅】

 列車から降りるとホームには50〜60人ほどが歩いていましたが、南小谷行列車に乗る換えるべ
く陸橋を渡って駅舎のある1番線に移動すると、何とホームに残ったのは5人だけでした。

 白馬は冬はスキーが盛んな所であり、駅の西側にある、長野オリンピックの会場にもなった八方尾
根スキー場は、国内でも最大級の規模なんだそうです。

 白馬駅の陸橋の階段中央には、スキー・バッグ用のス
ロープが設えてありました。
【長野県・JR白馬駅】

 また、夏は登山と避暑地として知られており、周辺には白馬岳、八方尾根、栂池高原があります。
そんな白馬ですから、ここを目的に訪れる人も多いのでしょうな。

 私が南小谷行が出る1番線に行くと、そこには新型のE127系近郊型電車の松本行・普通342
Mがいましたが間もなく出て行きました。

 6月とは言え白馬は涼しいと思っていたのですが、意外や気温は少し暑く感じられました。ここで
は19分の待ち合わせ時間があったので途中下車して駅舎の写真を撮りたかったのですが、例の急病
人騒ぎの影響で、乗り換える予定だった南小谷行の普通335Mも遅れていて、いつ来るか分からな
かったのでホームで待つ事にしました。

 結局、普通335Mは定刻から26分遅れて到着しました。

 白馬駅に到着する南小谷行・普通335Mです。車両
は115系。出来れば、まだ乗ってないE127系に乗
りたかったのですが・・・。
【長野県・JR白馬駅】

 私が乗り込んだ車両の乗客は6人で普通335Mは白馬駅から発車しました。すぐに「本日は列車
が遅れました事をお詫び申し上げます」の放送あり。

 これまで列車の遅れには何度も遭いましたが、今回は、自分がその原因となった列車に乗っていた
のですから何とも妙な気分です。

 列車が次の信濃森上を出ると路線は姫川の流れる谷に入りました。その次の白馬大池は、有名な栂
池高原スキー場の最寄り駅です。

 白馬大池を出た所で左の姫川の中に巨岩があったので、思わず写真を撮りました。

 白馬大池駅を出た所の姫川の中にあった巨岩です。こ
んなのがコロがって来たのか?
【大糸線・普通335Mの車窓より】

 巨岩があった先の河原には、何と海パン一丁で寝転んでいる男がいました。そりゃ少しは暑いけど
裸になるほどじゃないけどねぇ。

 その姿を見て、私はむかし、夏場に仕事で富山に行った際、休憩時間に海パン一丁になって黒部川
河口の河原に寝転がったのを思い出しました。

 本当は富山出張中に海水浴に行きたかったのですが、仕事の都合で、その時間が取れそうになかっ
たので、せめて「焼こう」と思い立って、そんな事をしたのでした。

 さらに谷を走り続けた列車は、千国駅の停車を挟んで14:30に終点の南小谷に到着しました。到着時
の我が車両の乗客は3人でした。

 南小谷駅です。大糸線の途中駅ですが、JR西日本と
JR東日本の境界駅であるため、列車の運行境界となっ
ています。
【長野県・JR南小谷駅】

 JR2社の境界駅である南小谷駅における列車本数は、JR東日本側は日に特急が1往復と普通列
車が13往復。JR西日本側は普通列車のみ7往復となっており、会社間を通しての列車は運行され
ていません。

 ちなみに、時期によっては、私が白馬まで乗って来た『スーパーあずさ11号』が南小谷まで延長
運転されます。

 さてと、次に乗る糸魚川行の普通431Dまでは2時間以上待ち時間があるので、小谷村を散策し
て時間を潰す事にしましょう。

 駅前には、ビニル製の軒先屋根に「小谷の特産、おみやげ、本、コンビニエンス」と大書きしてい
る商店が1軒とラーメン屋が1軒ありました。

 駅前を通る国道148号線を少し歩いて見ましたが、コンビニもスーパーの類も見あたりませんで
した。その代わり、JA大北・おたり支所に直営の食料品店が併設されており、それが地元に食料品
を供給しているようです。

 駅近くの橋の上から撮った姫川です。川の水は透き通
っていて綺麗でした。
【長野県・小谷村】

 南小谷駅周辺は典型的な田舎町であり、これと言って見所もなさそうだったので、姫川沿いの堤防
上に整備されていた歩道を歩いていると、犬を連れて前から来た小学校2〜3年と思しき兄弟が、す
れ違う際に「こんにちわ」と声を掛けて来ました。田舎の子は純朴で気持ちがいいですな。

 ある建物の駐車場で見掛けた「屋根雪注意」の看板。
この辺りの冬季の豪雪ぶりが伺えます。
【長野県・小谷村】

 川沿いを歩いても何もないので、国道に出て駅に向かって歩いていると、のどかな風景には不似合
いなパトカーのサイレンが聞こえて来ました。やって来たパトカーを見るとRVタイプの車です。な
るほどね。

 15:20頃に駅に戻りました。列車の時間までは、まだ1時間ぐらいあります。駅の待合室を覗くと誰
もいませんでした。

 駅前広場にはバス停がありましたが、運行されているのは村営バスのみで、松本電鉄バスが委託さ
れて運行を行っているそうです。

 そのバスでやって来たのでしょうか、いつの間にか駅の待合室に糸魚川方面に向かうらしいオバさ
んグループがいました。

 14:02に改札を入りホームに出ました。するとそこには白馬で見掛けた太った兄ィちゃんがいました。
普通335Mでは見掛けなかったので、1本後の列車で来たのでしょうか?

 一見すると、この兄ィちゃんは、どうも鉄道ファンっぽいですな。まぁ、ここは全国でも数少ない
キハ52運行路線ですから、ファンがいない方がおかしいですわな。

 待つ事しばし、16:08に糸魚川からの普通430Dのキハ52列車が到着しました。


第2部:「ちょっとこだわりの列車」その57/JR・キハ52形

 キハ52形は、国鉄時代に製造されたキハ20系一般型気動車の勾配線区対応ヴァージョンですが、
そのキハ20系は車両の老朽化により、ほとんどがJR路線からは退役しており、残っているのは、
1962年から1966年に掛けて製造されたキハ52の2次車のみとなっているそうです。

 そのキハ52も、この「旅」の時点で運行されていたのは、ここ大糸線と、JR東日本の花輪線、
米坂線、岩泉/山田線の4路線となっていました。

 そして、この記事を書いている時点では、JR東日本の車両はすべて退役し、今や大糸線だけが唯
一の運行路線となっています。

 南小谷駅に停車中の糸魚川行・普通431Dです。車
両はJR現役最古の気動車キハ52形。旧国鉄色の塗装
が再現されているのですが、これを見て喜ぶのは鉄道フ
ァンとお年寄りぐらいでしょうな。
【長野県・JR南小谷駅】
 このキハ52は勾配線区対応のためエンジンを2基積
んでいるのが特徴です。
【長野県・JR南小谷駅】
 キハ52の車内です。旧式なボックス・シートがずら
りと並びます。
【大糸線・普通431D車内】
 ボックス・シートは旧国鉄型特有の背もたれが直角な
タイプです。ファンには嬉しい座席なんですが、鉄道に
興味のない人々からすると単に座り心地の悪い座席でし
ょうな。
【大糸線・普通431D車内】
 キハ52車内その2。天井には剥き出しの蛍光灯に扇
風機。それに後付けのエアコンが備えられています。
【大糸線・普通431D車内】
 窓は、もちろん二段式です。車内は禁煙のため灰皿は
撤去されていました。
【大糸線・普通431D車内】
 窓の下端には幅が狭いながらもテーブルが設えてあり
ました。材質は何と木(!)です。テーブルの下側には
金属製の「瓶の栓抜き」が付いていました。昔の清涼飲
料水は瓶入りだったのです。
【大糸線・普通431D車内】

 普通431Dは定刻に乗車率20%ほどで南小谷から発車しました。この車両のエンジンはオリジ
ナルに近いのでしょうか、いかにも古そうなエンジン音に聞こえます。

 車両はワンマン化改造が施されていましたが、この列車には車掌が乗っていて、すぐに検札が始ま
りました。

 路線は左の姫川に沿って走ります。見れば沿線からカメラを構える鉄道ファンがいます。いわゆる
「撮り鉄」の人たちですが、皆さん、国鉄色のキハ52が走るから撮りに来たのでしょうか?

 大糸線の南小谷←→糸魚川間は、路線の大半が姫川に
沿っています。写真は車窓から撮った姫川。
【大糸線・普通431Dの車窓より】

 短いトンネルを二つ潜ってから姫川の左岸に渡り南小谷から6分で中土に停車。ここでの乗降はあ
りませんでした。

 中土を出るとトンネルをいつくか潜りました。車内では、鉄道ファンらしき男性二人組が、空いて
いる左右のボックス・シートを行ったり来たりしていました。

 6分で次の北小谷に着。同駅の西側には「深山の湯」と来馬温泉があります。ここでの乗降なし。
北小谷を出ると長い真那板山トンネルに入りました。列車はけっこうトバしています。

 車内では、南小谷から一緒に乗ったオバさんグループが爆睡しています。トンネルを抜け、北小谷
から10分で平岩に停車。同駅の北側には姫川温泉があります。ここでは、ひとり降りて3人乗りま
した。直ちに車掌が寄って来て切符を発券していました。

 列車は間もなく鎌倉山トンネルに入りました。ちなみに、同トンネルの西側は名勝の姫川渓谷です
が列車からは見る事が出来ません。

 トンネルを抜けるとカーブの多い区間に入り列車はスピードを落としました。平岩から11分で小
滝に着。同駅は西にあるヒスイ峡へのアクセス駅です。ここではひとり乗車。

 さらに7分走って根知に停車。同駅の北側にはフォッサマグナ・パークがあります。ここでの乗降
はなし。根知を出てトンネルをいくつか抜けると、やや辺りが開けて6分で頚城大野(くびきおおの)
に着。同駅ではひとり下車。

 頚城大野を出ると、また沿線にカメラマンの姿がチラホラありました。4分で次の姫川に停車。同
駅ではふたり乗りました。

 姫川を出てトンネルを抜け、北陸自動車道の高架を潜ると辺りは急速に町になり、左から北陸本線
が合流して来ると列車は終点の糸魚川に到着しました。南小谷からは55分の乗車でした。

 糸魚川駅の構内には、別の旧国鉄色に塗装されたキハ
52が留置されていました。
【新潟県・JR糸魚川駅】
 駅構内には、レンガ積みの機関庫がありました。かつ
てはSLの車庫として使用されていたのでしょうか?
【新潟県・JR糸魚川駅】
 糸魚川駅。JR北陸本線が通るほか、大糸線の起終点
駅です。同駅には、2014年開業予定の北陸新幹線の駅が
設置されます。
【新潟県・JR糸魚川駅】

 さて、これで念願のキハ52の乗車は果たしました。お次は金沢まで移動して寝台特急『北陸』の
乗車ですが、次に乗る富山行の普通列車まで1時間ほど待ち時間があるので、駅周辺をぶらついて時
間を潰しましょう。

 駅から北の海岸までは、ほんの400メートルちょいだったので、とりあえず日本海でも見に行き
ましょうか。

 駅前の通りを海に向かって行くと、海岸手前に駅前海
望公園があり、そこには展望台もありました。
【新潟県・糸魚川市】
 展望台から見た日本海です。夕方に訪れたので、夕日
が何ともいい感じです。
【新潟県・糸魚川市】

 展望台の近くには、新潟県土木部河川課と新潟県糸魚川土木事務所の連名で、糸魚川海岸・災害復
旧助成事業・工事概要図なる立て看板がありました。

 それによると、海岸のすぐ沖合の海底には、高波破波用として海岸に沿って延長3キロを越える人
工リーフが設けられているとの事です。

 看板の解説によると、これは熱帯地方の珊瑚礁に囲まれた島々が、リーフ(礁)によって高波から
守られているのを参考にしたとの事でした。

 展望台からの眺めは素晴らしかったのですが、水平線以外は何も見えないので、すぐに飽きてしま
いました。それでは町中を散策しましょう。

 町中で見掛けた、とある路地。手前の古そうな建物が
何ともいい感じです。
【新潟県・糸魚川市】
 糸魚川駅の構内にある富山機関区・糸魚川派出を門の
外から写したところです。中央やや右奥に先に見たレン
ガ造りの機関庫が見えます。
【新潟県・糸魚川市】
 機関区内にあった転車台です。かつてはSLの方向転
換に使われていたのでしょう。
【新潟県・糸魚川市】

 何だかんだで50分ほど時間を潰してから私は駅に戻りました。

 構内には、JR塗装のキハ52が停まっていました。
大糸線に配備されているキハ52は3両のはずなので、
これで全部見た事になります。
【新潟県・JR糸魚川駅】

 富山行列車の定刻より少し早めに行って席に座ろうと思い、発車10分前にホームに行くと、何と
列車は、すでに停まっていました。くそっ!

 糸魚川駅に停車中の北陸本線・富山行・普通572M
です。車両は419系。
【新潟県・JR糸魚川駅】

 列車に乗り込んで見ると、各ボックス・シートにはひとり以上の乗客が座っていたので、私はロン
グ・シートに座りました。

 列車は18:08発なので、私が席でのんびりしていると、18:03に不意に発車しました。おいおい、い
ったいどーなってんだ?

 私が泡を食って時刻表を見ると、何と18:03発になってました。どうやら私は、「旅」のプランをつ
くる際に時刻表の「3」と「8」を見間違えたようです。ったく、素人みたいなミスを・・・。(^^;

 ま、この列車に乗り遅れたとしても、金沢での乗り継ぎ時間がたっぷりあったので、次の普通列車
に乗っても充分に間に合いましたがね。

 富山への道中は特に「イヴェント」もなく、普通572Mは1時間13分で終点の富山に到着しま
した。ここでは22分の待ち合わせで小松行の普通454Mに乗り継ぎます。

 待つ事10分ほどで小松行・普通列車が入線して来ました。

 富山駅に停車中の北陸本線・小松行の普通454M。
車両は、またも419系でした。
【富山県・JR富山駅】

 普通454Mは乗車率70%ほどで富山から発車しました。途中、高岡で、乗客は、あらかた降り
ました。

 高岡では13分も停車し、まず金沢行の特急『はくたか18号』、続いて大阪行の特急『サンダー
バード50号』を先行させました。そう言えば同列車には旅行記第28弾で乗りましたな。

 その後は特に見るべき事もなく、列車は高岡から38分で金沢に到着しました。同駅到着前に構内
で寝台特急『北陸』がスタンバイしているのが見えました。

 『北陸』が出るまでは1時間半ほど待ち時間があったので、私は1時間ほど金沢市内をぶらついて
から21:45に駅に戻りました。

 それでは、お次は『北陸』の乗車ですが、それは、また次回と言う事で・・・。

 第3部につづく・・・。



旅行記
第32弾パート1

第31弾 第32弾
パート2
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