第4部:小樽散策 |
地下鉄さっぽろ駅で降りた私は小樽までの切符を買うとホームに上がりました。思いつきで行く事
にしたので、もちろん乗る列車は決めていません。最初に来たやつに乗ります。
札幌駅に到着する新千歳空港発・小樽行の快速『エア ポート145号』です。JR北海道オリジナルの721 系と呼ばれる近郊型電車ですが、同車両については小樽 からの帰りにじっくり観察する事にします。 【北海道・札幌駅】 |
着いた列車の4号車に乗り込むと乗車率は105%ほどで少し混んでいました。札幌を出た『エア
ポート145号』は、道中で琴似、手稲、小樽築港、南小樽の4駅に停車し、札幌から32分で終点
の小樽に着きました。
小樽については名前を知っている程度でしたが幸い持参した旅行誌『るるぶ』があったので見所は
調べる事が出来ます。とりあえず小樽運河とやらをまず見に行きましょう。
小樽の駅前に出ると、目の前に海まで真っ直ぐ伸びる片側2車線の広い道路(中央通)がありまし
た。運河までは600メートルぐらいでしょうか。・・・にしても涼しーなー。
中央通を運河に向かっていると、中間付近で鉄道の廃線跡が道路を横断していました。見れば線路
がちゃんと保存されています。こりゃー後で見に来ねばなりませんな。
小樽運河です。運河沿いには遊歩道が整備されており 観光客が大勢歩いていました。対岸には旧倉庫群が建ち 並んでいます。 【北海道・小樽市】 |
運河の一角にあった時計の温度表示器を見ると、何と 16度ぉ!!? 大阪より17度も低いのかよ! 【北海道・小樽市】 |
レトロな町並みの観光地でよく見掛ける人力車です。 これに乗ると何だか見世物になってしまうような気がし ますな・・・。 【北海道・小樽市】 |
小樽運河は1923年(大正12年)に完成。一般的に運河は港と内陸を結ぶために掘られる水路です
が、小樽運河は岸壁の沖を埋め立てて岸壁との間に水路を造り、沖に停泊した船舶から荷物を積んで
来る艀(ハシケ)をこの水路に係留して人力で荷物を降ろすために造られたものだそうです。
しかし、人力による荷揚げの衰退に加え、戦後は樺太との交易がなくなったせいで小樽は貿易港と
しては廃れて行き、運河も無用の長物と化してしまったのです。
1965年には、小樽市は運河を埋め立てて道路にする計画を打ち出しましたが全国的な保存運動が巻
き起こり、市と保存派との折り合いがつかないまま市は1983年に埋め立て工事に着手し、南北に走る
運河の南半分区間の西岸側半分を埋め立て、1986年に道道17号線として開通し現在に至っています。
今回、私が見た部分は埋め立てられた運河の南半分の区間だったのですが、工事が行われなかった
北半分は当時の面影を残しているそうです。
観光スポットとして賑わっているのは南半分ですが、知っていれば北半分の区間を見に行っていた
ところです。なんせ思いつきで来たもんですからそこまで「予習」出来てませんわな。
小樽運河をざっと見た私は、運河に向かう途中で見掛けた廃線跡を見に浅草通を駅方面に向かいま
した。その道中で何やら歴史のありそうな豪奢な建物をいくつか見掛けたので、とりあえず写真を撮
りました。
旧北海道拓殖銀行小樽支店です。1923年(大正12年) 竣工の鉄筋コンクリート造りです。 【北海道・小樽市】 |
日本銀行旧小樽支店です。1912年(明治45年)竣工 の建物です。支店自体は2002年に廃止となり、現在は金 融資料館として利用されています。 【北海道・小樽市】 |
これまた「予習」不足で知らなかったのですが、これら旧銀行の建物が建ち並ぶ色内の界隈は「北
のウォール街」と呼ばれており、かつての小樽の栄華を現すように上の写真にあるような歴史的建物
が十以上も密集していたのです。
まさに見所の宝庫だったわけですが、そんな事は露知らず私は廃線跡に向かいました。鉄道ファン
としては、有名な観光スポットより鉄道がらみの物件の方が気になってしまうのです。
旧国鉄手宮線の廃線跡です。線路は道路を横断する所 で途切れているものの、かなり長い距離が残されていま した。 【北海道・小樽市】 |
まだ時間もあるので、いったいどれぐらい線路が残っているのか見に行きましょう。まずは函館本
線との分岐部分を目指します。
廃線跡の線路は柵などで仕切られていないので線路の中を歩く事も出来ます。線路に沿って遊歩道
も整備されているので歩きにくい線路ではなく傍らも歩けます。
もっとも、何の変哲もない線路に沿って延々と歩こうなどと考える一般人は(子供は別にして)ま
ずおらんでしょうな。そんな事を考えるのは「鉄な人」ぐらいであり、そんな私は線路の中を歩くの
でした。
ふと後ろを見れば線路の上を歩いて来る二人組の兄ぃちゃんたちがいました。たぶん彼らも「鉄な
人」なのでしょう。
旧日銀のあった浅草通から南へ200メートルほど行ったところで線路は途切れていました。その
先を見ると、線路跡は寿司屋通を短い鉄橋でオーバークロスしていたようですが、橋桁が外されてお
り橋台だけが残っていました。函館本線との分岐点までは、あと200メートルぐらいでしょうか。
線路端には柵と、下の寿司屋通に降りる階段が設けられていましたが、この先の線路跡には立ち入
れそうにもないので引き返す事にしました。
線路端には手宮線の案内看板が立てられていたので読んで見ると、何と同線は北海道で最初の鉄道
であり、1880年(明治13年)に幌内〜札幌〜手宮間で開業したんだそうです。
それに加え、日本の鉄道としても新橋〜横浜間、大阪〜神戸間に次いで3番目に開業した古い路線
との事でした。
しかし、函館本線が開通すると手宮線は南小樽←→手宮間のみとなり、晩年は函館本線の支線みた
いな扱いになり1985年に廃止となったのです。
看板を読み終えた私は今来た鉄路を引き返し、中央通まで戻りました。ふと見ると、沿道に何だか
古そうな建物があったので、とりあえず写真に収めました。
駅前から伸びる中央通り沿いにある旧安田銀行小樽支 店です。1930年竣工の建物でギリシャ建築様式で建てら れているそうです。小樽市の歴史的建築物に指定されて います。まさに銀行然とした面持ちですな。 【北海道・小樽市】 |
旧安田銀行を見たあと手宮線跡の北側区間に入りました。こちらも南側と同じように整備されてい
ました。
やはり数百メートル歩くと整備区間は終わっていましたが線路はその先も続いており、廃線当時の
まま放置されていました。
沿道と線路とは柵で仕切られており、中に入っても良いものかどうか迷いましたが、結局、入るの
は諦めて線路に沿って横の道を歩きました。
しばらく歩くと再び線路内に入れる所に出ました。見ると線路跡は草生していたものの手付かずで
残されていました。
錦町付近の手宮線跡です。先に行くほど幅が広くなっ ているのですが、たぶんこの先にヤードがあったのでし ょう。 【北海道・小樽市】 |
残念ながらここまでで引き返す事にしました。まだ時間はありますが、もう1箇所見たいところが
あったので手宮線跡の散策はこれで終了です。
実は、この先に手宮線のヤード跡地を利用した小樽交通記念館があったのですが、すでに持参した
旅行誌のガイド・マップの範囲外に出ていたため私は知る由もありませんでした。もし知っていれば
もちろん訪れていたのですが・・・。
さらにこの付近には、旧日本郵船小樽支店(国指定重要文化財)を含め見応えある歴史的建築物が
いくつもあったのですが、「予習」していなかったため、その存在を知らないまま私は小樽駅方面に
向かいました。
約1.4キロ歩いて小樽駅に戻り、駅前を通過してその先の交差点を右へ曲がり跨線橋を渡りました。
小樽警察署や社会保険事務所、法務合同庁舎などの役所関係の建物を右に見つつ勾配のキツい坂を登
り富岡教会に着きました。
カトリック富岡教会です。1928年竣工の洋風建築の建 物で内部は公開されていません。函館もそうでしたが北 海道は観光スポットになっている教会が多いようです。 【北海道・小樽市】 |
富岡教会を見たところで小樽観光を切り上げる事にして駅に戻りました。この「旅」当時は、
〈小樽も運河以外は、さして見るとこねぇなぁ・・・〉
などと思っていたのですが、この記事を書くために小樽の事を調べてみると、実にたくさんの見所が
ありました。またいずれ訪れて見なければなりませんな。(^^;
小樽駅前の歩道橋上から東(運河方面)を写したとこ ろです。眼下に見える広い道路が中央通です。 【北海道・小樽市】 |
小樽駅です。通る路線は函館本線だけですが、同駅を 境に札幌方が電化区間、長万部方が非電化区間となって いる関係で同駅は列車運行の境界駅になっています。 【北海道・小樽駅】 |
ちなみに、小樽から札幌方面は、普通、快速が1時間に5本出る近郊区間ですが、反対側の長万部
方面は普通が1時間に1本で、しかも小樽←→長万部間を全区間走る列車は小樽行が日に7本、長万
部行が日に5本しかない第1級のローカル線です。
小樽駅の券売機で買った小樽→札幌間の近距離切符で す。よく見ると日付は7月7日、七夕でしたな。 |
駅に戻ったのは17:50頃で、18:04発の快速『エアポート184号』に十分乗れましたが、『エアポ
ート』には往路で乗っていたので次の18:08発・区間快速『いしかりライナー』3287Mに乗る事にしま
した。
小樽駅で発車を待つ区間快速『いしかりライナー』で す。車両は往路の『エアポート』と同じ721系です。 【北海道・小樽駅】 |
先発した快速『エアポート』は満席状態でしたが、『いしかりライナー』には誰も乗ってませんで
した。札幌の到着時間は『エアポート』より13分遅いだけなんですがねぇ・・・。
721系の車内です。3ドア車なのですが、何と中間 ドアにまでデッキがあり、車内は前半室と後半室の2部 屋に分割されています。写真に写っている黄色ドアと、 その向こうの水色ドアの間が中間デッキです。中間デッ キを持つ車両はJR北海道にしかなく、北海道の厳しい 寒さを物語っています。 【区間快速『いしかりライナー』3287M車内】 |
座席は、すべて転換クロス・シートですが、デッキ・ドア前の席 は乗降時の出入をスムーズにするため1人掛けになっています。 【区間快速『いしかりライナー』3287M車内】 |
人目をはばかる事なく721系の車内をじっくりと観察出来ましたが、よく考えてみると格下げさ
れた元急行型は別として、近郊型電車でデッキを持つ車両は、他では見たことがありませんな。
結局、我が車両には誰も乗って来ないまま『いしかりライナー』は3287Mは定刻に小樽から出発し
ました。本列車は手稲までの各駅に停まります。
二駅目の小樽築港を出ると函館本線は海岸べりに出ます。余談ですが、この海沿い区間の朝里←→
銭函間には、2006年3月まで張碓と言う名の臨時駅がありました。
海水浴場の傍らにあり夏期のみ営業の駅でしたが、海水浴場が遊泳禁止になって以降、1998年に通
年休止となり、事実上、駅としては役目を終えていました。
ところが、鉄道ファンの間で「秘境駅ブーム」なるものが起こりました。これは人家のほとんどな
い所にある駅や列車本数の極端に少ない駅などを訪れると言うものですが、利用されなくなった張碓
も「秘境駅界」では有名だったそうです。
当然、同駅を訪れる人も多かったようですが、沿道とのアクセス道路を持たない同駅を訪れるには
立入禁止の私道を通るか線路を歩くしかなくてトラブルが絶えず、果ては線路上を徒歩で行こうとし
て列車にはねられ死亡事故まで発生するに到り、ついに駅は撤去される事になったそうです。
私がここを通った時には、まだ張碓駅は現存していたのですが、秘境駅に興味を持っていなかった
当時の私は同駅を意識する事もありませんでした。
今では秘境駅にも大いに興味を持っていて実際に訪れたりもしているので、この時、張碓を見てお
かなかった事を今は、とても悔やんでいます・・・。(^^;
もっとも、仮に同駅が現存していたとしても、社会のルールを無視してまで尋ねる事はしないので、
車窓から眺めるだけに留めたでしょう。
銭函駅手前で撮った日本海のスナップです。この辺り の函館本線は海沿いを走っていて眺めは良好です。 【快速『いしかりライナー』3287Mの車窓より】 |
銭函手前で日本海に別れを告げ列車は内陸へと入りました。小樽を出た時は閑古鳥の鳴いていた車
内も駅に停まる度に少しずつ乗車があり、稲穂に着いた時には各席ひとり程度の乗車率になっていま
した。
稲穂駅の左手(北側)には札幌運転所の車両ヤードが広がっていました。同所の運転士の担当範囲
は、函館本線、千歳線、室蘭本線、石勝線、根室本線と広範囲に渡るそうです。
次に停車した手稲から先は快速運転に入ります。途中、琴似に停車し、小樽から41分で札幌に着
きました。私はここで降りますが、列車は引き続き江別まで走ります。
さて、お次は約40分の待ち合わせで特急『ライラック19号』に乗り、本日の宿泊地である滝川
まで移動します。
第5部:「ちょっとこだわりの列車」その38/JR・781系 |
函館本線の札幌→旭川間には、『スーパーホワイトアロー』、『オホーツク』、『ライラック』、
『スーパー宗谷』、『サロベツ』などたくさんの特急が運行されています。
いずれの特急も乗ったことが無い北海道限定車両が使われていて目移りしてしまうのですが、その
中で『ライラック』を選んだのは、同列車に使用されている781系と呼ばれる国鉄時代に製造され
た特急型車両に乗りたかったからです。まずは、その781系について少し書かせて頂きます。
同車両が最初に投入された函館本線の小樽〜札幌〜旭川間は乗客数の多い区間であり早くから電化
が行われました。
電化当時は特急は走っていませんでしたが、同区間で運行した急行が好評だった事から特急を走ら
せる計画が持ち上がり、先行投入され実績のあった近郊型の711系をベースにして耐極寒/耐雪仕
様の特急型電車の設計が行われたのですが、711系の変圧器の絶縁油に使われていた有害なPCB
が製造中止となり代替品探して開発が遅れてしまったそうです。
その中継ぎとして、当時の国鉄で特急型電車の主力だった485系に耐寒/耐雪改造を施して投入
しましたが、北海道の厳しい冬には太刀打ち出来ず故障が続発したそうです。
そこで開発が急がれて新たに登場したのが781系だったのです。ベースは485系ですが、71
1系で実績のある耐極寒/耐雪装備を備えた北海道専用の特別な特急型車両なのです。
特急『ライラック19号』の指定席特急券です。同列 車は旭川行ですが、今回は途中の滝川まで乗ります。 |
札幌駅に停車中の特急『ライラック19号』です。こ れが781系と呼ばれる、国鉄時代における北海道専用 の特急型電車です。485系に似たフロント・マスクで すが、同車よりさらに丸みを帯びているのは走行中の着 雪防止のためだそうです。 【北海道・札幌駅】 |
781系の車内の様子です。車体は485系をベース にしたと聞いていますが、同車より11年新しいだけあ って天井の内装が違いますな。 【特急『ライラック19号』車内】 |
4両編成の『ライラック19号』で指定席は最後尾4号車の後ろ 半室のみでした。指定席の座席は新しいタイプに換装されていまし たが座り心地は良好でした。 【特急『ライラック19号』車内】 |
指定席の座席のカヴァーには指定席の刺繍が施されて いました。これは同じ車両にある自由席との間違いを防 ぐためでしょう。ちなみに、JR北海道のアップグレー ドされた指定席座席は「μシート」と呼ばれています。 【特急『ライラック19号』車内】 |
『ライラック19号』は定刻の19:30に札幌から発車しました。指定席の乗客は私を入れて6人で
した。4両と言う短い編成に加え指定席が半室しかないとなると現在の札幌←→旭川間の特急利用者
は、それほど多くないのかも知れませんな。
ここから先も、もちろん初乗りの区間ですが、外はすでに真っ暗な上に停車駅の少ない特急となる
と、見るべき事もほとんどありません。
27分で室蘭本線との乗換駅である岩見沢に到着、ここで数人が降りました。ここまでなら、わざ
わざ特急に乗らんでも札幌で10分後に出る滝川行の普通に乗りゃ『ライラック19号』より24分
遅れ程度で着けるのに・・・。
その後、列車は美唄、砂川と停車しましたが車内の動きはなく、札幌から56分で滝川駅に到着し
ました。本日の「旅」は、ここまでです。
滝川のホテルにチェック・インしてから札幌駅で買っ た「北海道日本ハムファイターズ・ホームラン弁当」で 夕食にしました。北海道産の米「ほしのゆめ」を始め地 元産の食材を使っているのが売りなんだそうです。なぜ この弁当を選んだかと言いますと、売り子の女の子に元 気良く勧められたからです。(^^; |
第6部:「ちょっとこだわりの列車」その39/JR・711系 |
明けて第3日目。今日は、いよいよ主役列車である根室本線の普通2429Dに乗りますが、その前に、
昨日乗った781系と同じく国鉄型北海道専用車両である711系近郊型電車に乗りましょう。
その711系ですが、781系の冒頭でも書いたように函館本線の小樽〜札幌〜旭川間の電化開業
に合わせて、まず投入されたのが同車だったのです。
711系の特徴は、何と言っても耐極寒/耐雪構造である事ですが、それ以外にも車両前後端に寄
った2ドア、車内はデッキを持ち座席もボックス・シート主体と、どこから見ても急行型の構造をし
ている事です。
しかしながら冬季は極寒となる北海道の車両にデッキは不可欠であり、近郊型と言えども必然的に
急行型のような構造にならざるを得なかったんでしょうな。
その711系もJR化後に新造された車両群に押されて活躍の場は少なくなっているようです。ま、
何つっても最初の量産車の製造が1968年ですからな。
で、今回は、滝川7:17発の旭川行の普通2123Mに乗ります。当初は、旭川の街見たさに終点の同駅
まで乗るつもりだったのですが、同駅での折り返し時間が7分しかなく、万一、乗り遅れでもしたら、
この「旅」の主役列車に乗れなくなってしまうので、途中の深川で折り返す事にしました。
朝7時前にホテルを出ましたが街中に人影はほとんどありませんでした。そこそこ大きな街だし今
日は水曜日なのに通勤通学で駅に向かう人の姿が見えないのは何とも不思議でした。にしても7月と
言うのに北海道の朝は冷えるなぁ・・・。
滝川駅です。函館本線が通るほか根室本線の起終点駅 でもあります。函館本線の列車は同駅から先になると特 急は1時間に2〜3本ありますが普通列車は日にたった 8本しかなく、しかも朝の6:33発、7:17発、8:10発と3 本続いた次は12:01発まで列車がないと言う凄まじいダ イヤになっています。 【北海道・滝川駅】 |
駅に着いてみると改札は閉まっていました。列車が少ない地方の駅では列車が着く直前にならない
と改札を開けないのです。待つことしばし、7:07に改札が開きました。
改札を抜け旭川行の出るホームへ行って見ると、列車はすでに着いていました。時刻表を見ると何
とここで10分停車するようです。
滝川駅に停車中の旭川行・普通2123Mです。これが国 鉄時代に北海道専用の近郊型として製造された711系 です。フロント・マスクは標準的な国鉄型ですな。 【北海道・滝川駅】 |
このクハ711-208は、私が車両の参考書として使用し ているネコ・パブリッシング社の『JR全車両ハンドブ ック』の2004年版に写真が掲載されていました。 【北海道・滝川駅】 |
711系の車内です。デッキ・ドア付近はロング・シ ートになっていますが、ボックス・シートがずらりと並 んでいる様子は、まさに急行型そのものです。 【函館本線・普通2123M車内】 |
デッキ・ドアです。もちろん手動式ですが、北海道の厳しい冬場 には無くてはならないものでしょう。 【函館本線・普通2123M車内】 |
私が乗り込んだ車両には4人しか乗客がいませんでした。片や隣のプラットフォームの札幌方面行
ホームには数十人の人々が列車を待っていました。
車内で発車を待っていると、まず7:11に札幌方面ホームに手稲行・普通2144Mが到着し先発。続い
て7:15に札幌行の特急『ライラック2号』が到着し先発して行きました。
特急を見送って2分後に我が2123Mは滝川から発車しました。どうも交換のための長時間停車だっ
たようですな。
7分で次の江部乙に停車、同駅では我が車両に8人乗って来ました。ふと空を見ると、どんよりと
曇っていました。ま、今日はずっと列車の旅になるので関係ありませんがね。
さらに6分走って妹背牛(もせうし)に停車。同駅では4人が乗りました。6分走って深川駅に到
着。もっと乗っていたいのですが、とりえずここで降ります。
降りたところで車両をパチリ。ドアが車両前後端に寄 った構造は、私がお気に入りの急行型と同じです。 【北海道・深川駅】 |
深川駅の構内には、留萌本線で運行されている『SL すずらん号』のフラッグが掲げられていました。残念な がら同列車は利用者の低迷から2006年9月の運行を持っ て廃止されてしまいました・・・。 【北海道・深川駅】 |
深川駅です。函館本線が通るほか、増毛駅に到る留萌 本線の起終点駅です。函館本線の特急は、すべてこの駅 に停まります。 【北海道・深川駅】 |
深川の駅前に出てみると、大きなビルこそないものの、そこそこ大きな街でした。折り返しの列車
まで1時間ほどあるので街中を少し歩きましょう。
4条8番交差点にある深川市民交流センターには「7 月31日 深川しゃんしゃん祭り」なる看板が上がって いました。インターネットで調べてみると、傘を持った 1000人の踊手が踊る深川最大のお祭りなんだそうです。 【北海道・深川市】 |
駅周辺をぐるりと回って見ましたが、街中には、これと言って見るものもなく、私は早々に駅に戻
りました。深川駅の中には、キオスクと弁当屋が別々に店を構えていました。
ホームで札幌行の列車を待っていると、網走行の特急 『オホーツク1号』がやって来ました。旭川から先の石 北本線が非電化のため車両はキハ183系特急型気動車 が使われています。乗りてぇなぁ・・・。 【北海道・深川駅】 |
間もなく、旭川方面から私が乗る札幌行・普通2156Mがやって来るのが見えましたが、この辺りの
線路は真っっっ直ぐなので遥か彼方から列車のライトが見えました。北海道の雄大さを垣間見た思い
です。
深川駅に到着する札幌行・普通2156Mです。滝川から ここまで乗って来た普通2123Mが旭川で折り返して来た 列車です。 【北海道・深川駅】 |
1分の停車で深川から発車。私が乗った車両には乗客は3人しかいませんでした。まぁ通勤時間帯
も終わっているので、こんなもんなんでしょう。
この列車が出ると、次の普通列車は11:04発の滝川行までありません。この辺りは沿線人口がよほ
ど少ないのでしょうか・・・?
ま、それはともかく、今から思えば深川は、いずれ留萌本線に乗る時に訪れるので、もっと旭川寄
りの無人駅で降りときゃ良かったです。そうすれば711系にもっと乗れたし下車駅もひとつ増やせ
たのです。
711系のボックス・シートです。国鉄標準のボック ス座席で、窓は上に引き開けるタイプ。窓の下には小テ ーブルが備えられています。さすがに灰皿は取り外され ていました。 【函館本線・普通2156M車内】 |
20分の乗車で滝川に帰着。38分の待ち合わせで釧路行の2429Dに乗り換えです。時間があるの
で、私は、いったん改札を出ました。
改めて滝川の駅前を観察して見ると、駅前左手にある百貨店風の大きな建物の屋上看板には消され
た「SEIYU」の文字が見てとれました。営業不振で撤退したんですな。
滝川駅のトイレに立ち寄ると足元にヒーターが備えら れていました。ここまでしなければならないとは、冬場 の寒さはハンパじゃないんですな。 【北海道・滝川駅】 |
お次は、いよいよこの「旅」の主役列車登場ですが、それはまた次回と言う事で・・・。
第7部につづく。
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