2009年3月29日掲載
『列車まかせの旅』小旅行記第14弾(2005年5月24日)


第1部:名古屋市営地下鉄乗り潰し

 旅行記第29弾で名古屋に移動しての徹夜仕事の、そのまた翌日の5月23日。またも名古屋での徹
夜仕事です。せっかくなので、今回は、明け休みの日に、すぐに大阪に戻らず、名古屋市営地下鉄の
乗り潰しをするつもりです。

 徹夜明けでヘロヘロになっていると思いますが、人間、大好きな事をやるのであれば、少々眠らん
でも大丈夫なもんです。

 今回は、前のように前日移動で「乗りに行く」のはやめ、仕事の時間に合わせて夕方から近鉄・特
急で名古屋へ移動しました。

 近鉄で乗るのは、いつもの『アーバンライナー』ですが、近鉄はJRに対抗して名阪間特急の強化
を図っており、『アーバンライナー』用の新型特急車両21020系を投入すると共に、この新車両の内装
に合わせて既存の21000系の内装のアップグレードを順次行っています。

 今回乗った『アーバンライナー』の21000系もアップグレード車のひとつで、内装は新型車両と見違
えるほど新しくなっていました。

 21000系アップグレード車両の座席です。座席は背もたれの薄い
新しいタイプに換装されていましたが、例によって座面は堅めで座
り心地はイマイチでした。換装前の座席は簡易リクライニング式で
したが、そちらの方が柔らかくて座り心地は良好でした。
【近畿日本鉄道・名古屋行『アーバンライナー』車内】

 ともあれ、名古屋に到着した私は徹夜仕事へと向かいました。


 
 閑話休題・・・。


 徹夜明けで朝食を取った私は名古屋駅で同僚たちと別れました。私が居残って地下鉄を乗り潰す旨
を同僚たちに告げると、あきれ顔で彼らは新幹線の改札に向かいました。ふっふっふ。

 さてと、それでは名古屋市交通局の地下鉄ですが、名古屋市内に下記の6路線を有します。

路線名区 間路線長
東山線高畑←→藤ヶ丘20.6
名城線環状26.4
名港線金山←→名古屋港6.0
鶴舞線上小田井←→赤池20.4
桜通線中村区役所←→野並14.9
上飯田線平安通←→上飯田0.8

 上記路線のうち、鶴舞線が名鉄の犬山線と豊田線、上飯田線が名鉄の小牧線と相互乗り入れを行っ
ています。

 地下鉄名古屋駅の券売機で購入した地下鉄全線一日乗車券です。
価格は740円で地下鉄が1日乗り放題となります。この券では市
バスには乗れません。市バスとの共通券は別にあります。

 さて、まづは名古屋駅を通る2路線の片方である桜通線から参りましょう。同線は名古屋市内の中
村区役所←→野並間を結ぶ路線で、路線全体は変形Z形をしています。

 では最初に、近い方の終点である中村区役所を目指しましょう。

 名古屋駅の桜通線ホームに到着する中村区役所行列車
です。車両は6000系。
【愛知県・名古屋市交通局・名古屋駅】

 名古屋駅と、西にある中村区役所駅間は900メートルしか離れておらず2分で到着しました。

 中村区役所駅の出入口です。駅は、地方道・名古屋津
島線と市道名古屋環状線が交わる太閤通3交差点の真下
にあります。周辺は変哲もない名古屋の街中で、駅名と
なっている中村区役所は北へ100メートルほどの所に
あります。
【愛知県・名古屋市交通局・中村区役所駅】

 さて、それではもう一方の末端駅野並を目指しましょう。

 中村区役所駅に停車中の野並行列車です。車両は同じ
く6000系。
【愛知県・名古屋市交通局・中村区役所駅】

 野並行列車は、私の乗る車両の乗客は5人で中村区役所駅から発車しました。6000系の座席は
ロング・シートでしたが、座面にひとり分ずつ窪みが付けられており、何とも独特な座り心地です。

 列車が名古屋に着くとドっと乗車があり乗車率は50%ほどになりました。実は、名古屋を出たと
ころで私は眠り込んでしまったので、ここからは、とりあえず地図を見ながら路線のレポを書きまし
ょう。(^^;

 名古屋から路線は西へ向かい、2分で国際センターに着。同駅は道路の名古屋津島線と市道江川線
が交わる泥江町の交差点下にあり、駅名となっている国際センター・ビルは、同交差点の北東角にあ
ります。

 路線は地方道・名古屋津島線の下をさらに西に向かい、1分で丸の内に停車。同駅は鶴舞線との乗
り換え駅です。ちなにみ、同駅の近くには日本銀行の名古屋支店があります。

 ここから路線の上を通る道路は国道19号線に変わり、さらに西に進んで久屋大通駅に着。同駅は
名城線との乗り換え駅です。

 駅名となっている久屋大通は、名古屋市街中心の栄を南北に貫く大通りで、その広大な道幅から通
称「100メートル道路」と呼ばれていますが、実際に車道の幅が100メートルあるわけではなく、
北行き、南行きの車道間に、幅70〜80メートルの公園が挟まっています。この南北に細長い公園
のほぼ中心辺りには、観光スポットにもなっているテレビ塔があります。

 国道19号の下をさらに西に1分走って高岳に着。同駅は国道19号、国道41号、地方道・堀田
高岳線が参集する高岳交差点の下にありますが、周囲は普通のビル街です。

 高岳を出た路線は都道布池線の下を西へと走り、2分で車道(くるまみち)駅に到着。同駅の南東
300メートルにはJR中央本線の千種駅がありますが、乗り換え駅と言うほどではありません。

 車道を出た路線は南に向きを変え今池に着。同駅は東山線との乗り換え駅です。今池を出ると路線
は市道名古屋環状線の下を南へ向かい、2分で吹上に到着。同駅の西500メートルには吹上ホール
があります。

 同ホールはコンベンション施設であり、中には催事場や集会施設があるほか、各種中小企業支援組
織の事務所が入っており、正式名称は「名古屋市中小企業振興会館」と言います。建物の設計は、何
と、あの黒川紀章先生だそうです。

 さらに名古屋環状線の下を南下して御器所に着。同駅は鶴舞線との乗り換え駅です。御器所は道路
の名古屋環状線と山王線が交わる御器所通交差点の下にあり、同交差点の北東角には昭和区役所があ
ります。

 御器所から2分南下して桜山に停車。同駅は名古屋市立大学と同大学病院に隣接しています。同駅
から1分南に走って瑞穂区役所駅に着。同駅は文字通り瑞穂区役所に隣接しています。

 瑞穂区役所から700メートル南下して瑞穂運動場西駅に停車。同駅の東500メートルほどには
駅名の由来である瑞穂公園があります。同園は野球場、陸上競技場、ラグビー場などを備えた運動公
園です。

 瑞穂運動場西から1分南下して新瑞橋(あらたまばし)に着。同駅は名城線との乗り換え駅です。
さらに2分南下して桜本町に停車。地図によると同駅周辺は住宅地のようですな。

 桜本町を出た路線は東へと向きを変え、名古屋環状線から離れて東海橋線の下を走ります。2分で
鶴里に着。同駅からさらに東へ1分進んで列車は終点の野並に到着しました。中村区役所からは26
分の乗車でした。

 桜通線の末端である野並駅の出入口です。駅周辺はマ
ンションもある普通の街中です。
【愛知県・名古屋市交通局・野並駅】

 眠いし、特に見るものもなさそうだし、さっさと先に進みましょう。

 野並駅に停車中の中村区役所行列車です。車両は60
00系。
【愛知県・名古屋市交通局・野並駅】

 7:19発の中村区役所行列車の乗車率は105%と混んでいました。今日は平日の火曜日なので、ぼ
ちぼち通勤/通学が始まりますな。

 11分の乗車で御器所に到着。それでは鶴舞線に乗り換えます。同線は名古屋市内を縦横するL字
形の路線を持ち、北の上小田井と東の赤池間を結びます。

 また鶴舞線は、上小田井から先は名鉄・犬山線に乗り入れて犬山まで。赤池から先は名鉄・豊田線
に乗り入れて豊田市まで列車が運行されています。

 では、と、まずは東端の赤池を目指すとしましょう。

 御器所駅の鶴舞線ホームに到着する豊田市行列車。車
両は3000系です。同車は名古屋市交通局における最
古の車両です。
【愛知県・名古屋市交通局・御器所駅】

 通勤/通学時間帯だけに車内は160%ほどの乗車率でした。路線は、道路の山王線の下を東に2
分走って川名に着。

 同駅を出ると路線は南東に向きを変え、国道153号線の下を走って2分で、いりなか駅に停車。
同駅の駅名は漢字で書くと「杁中」となるそうですが、読めない人が多いため、あえてひらがな表記
にしたそうです。

 R153の下を南東に2分進んで八事に到着。同駅は名城線との乗り換え駅です。八事駅の北側に
は五重塔もある興正寺があり、その東には八事霊園が広がっています。

 八事を出て2分で塩釜口に着。同駅の北側には名城大学の天白校があります。ここからは主要道で
はなく一般道の下を通り、東南東に2分走って植田に着。この辺りは下町で、特にめぼしい施設はあ
りません。

 さらに東南東に2分で原駅に停車。原から1分で平針に着。同駅は、やはり仕事絡みの番外編第8
弾で一度訪れています。

 平針を出た路線は東に向きを変え、3分で鶴舞線の東端駅となる赤池に到着しました。列車は、こ
の先、名鉄に乗り入れて豊田市まで行きますが、私はここで降ります。御器所からは12分の乗車で
した。

 鶴舞線の東端となる赤池駅周辺の様子です。写真に写
っているビルは、駅前ロータリーに面する「No.25オー
シャンプラザ」です。
【愛知県・名古屋市交通局・赤池駅】

 赤池駅の東側には名古屋市交通局の日進工場があり、同工場では鶴舞線に加えて桜通線車両の保守
/整備が行われています。ちなみに、鶴舞線、桜通線の両線を結ぶ連絡線は丸の内駅付近にあります。

 さ、それでは、路線反対端の駅である上小田井に向かいましょう。

 赤池駅に停車中の上小田井行列車。車両は3000系
です。ホームには通勤/通学客の姿があります。
【愛知県・名古屋市交通局・赤池駅】

 上小田井行列車は乗車率200%ほどで赤池から発車。途中駅で乗客が増えて250%ほどの混雑
で八事に到着。同駅で高校生が大勢降りて乗客は少し減りましたが、その先も停車する度に、どんど
ん増えて行きました。

 赤池から14分で御器所に到着。同駅から西に2分で荒畑に停車。同駅を出ると路線は北へ向きを
変え、鶴舞公園の下を通って再び西に向きを変え、3分で鶴舞に到着。同駅はJR中央本線との乗り
換え駅です。

 鶴舞駅の東側には鶴舞公園が広がっています。同園内には、野球場や陸上競技場、テニスコートや
市の公会堂などもあります。

 鶴舞から大須通の下を西に進み2分で上前津に着。同駅は名城線の乗り換え駅であり、ここでは3
分の1の乗客が降りました。

 上前津を出た路線は、さらに西に進み、その先で北へ向きを変えて国道19号線の下に入り2分で
大須観音に着。同駅の、すぐ東側に駅名となっている大須観音こと宝生院があります。

 R19の下をさらに北へ2分進み伏見に到着。同駅は東山線との乗り換え駅です。伏見では3分の
2の乗客が一気に降り、私は座る事が出来ました。

 伏見から1分北に走って丸の内に停車。同駅は桜通線との乗り換え駅です。丸の内を出ると路線は、
いったん北西に向きを変え、市道江川線の下で再び北へ向きを変えて浅間町に停車。

 さらに北へ1分走って浄心に着。何とも心が清められそうな駅名ですが、同駅の周辺に、そう言う
地名があるのです。ちなみに、浄心駅の上にある交差点の北東角には浄心寺なるお寺があります。

 浄心から名古屋江南線の下を北へ2分走って庄内通駅に着。地図によると周辺は住宅地で特に目ぼ
しい施設はありません。かつては駅の東側にダイヤモンドシティ名西ショッピングセンターがありま
したが2005年に閉店したそうです。

 庄内通を出た路線は、しばし北へ向かってから北西に向きを変えて庄内川の下を潜り、3分で庄内
緑地公園に到着。同駅の南西側には、駅名ともなっている庄内緑地が広がっています。

 庄内緑地公園を出た路線は北西に進み、ほどなく地上に出ると終点の上小田井駅に到着しました。
赤池からは39分の乗車でした。

 上小田井駅です。名鉄の犬山線が通るほか、名古屋市
営地下鉄・鶴舞線の起終点駅です。ちなみに、同駅に名
鉄の特急は停車しません。
【愛知県・名古屋鉄道・上小田井駅】

 さてと、お次は名城線です。乗り換え駅である上前津まで戻りましょう。私がホームの3番線で列
車を待っていると、隣の4番線を名鉄の特急が通過して行きました。

 上小田井駅の3番線に停車中の豊田市行列車です。車
両は3000系。鶴舞線には、この車両以外にも新しい
3050系なる車両があるそうです。
【愛知県・名古屋鉄道・上小田井駅】

 ガラガラの車内で発車を待っていると、4番線に到着した名鉄列車から大勢の乗り換え客があり、
豊田市行列車は乗車率40%ほどで上小田井駅から発車しました。

 上小田井からは名鉄でも名古屋駅には行けますが、地下鉄は市内に縦横に路線を持ちますから、市
内を移動するのであれば、ここで地下鉄に乗り換えた方が早くて便利ですわな。

 上前津への道中、庄内通で乗車率は100%になりました。上小田井から16分で上前津に到着。
それでは名城線に乗り換えましょう。

 名古屋市交通局の名城線は、全国初となる環状地下鉄線であり、環状路線長は26.4キロで28の駅
が設けられています。

 環状線と言えば東京には山手線、大阪には大阪環状線が古くからありましたが名古屋にはありませ
んでした。

 都市化が完了していた名古屋で、いまさら地上方式で環状線を造るのは至難の技でしょうから、地
上方式より費用が掛かるとは言え地下方式での建設は必然的だったと言えるでしょう。

 上前津駅の名城線ホームに到着する「右回り」ナゴヤ
ドーム前矢田行列車です。車両は2000系。環状の名
城線では列車の方向幕が「右回り」、「左回り」となっ
ています。
【愛知県・名古屋市交通局・上前津駅】

 環状線なのに、なぜナゴヤドーム前矢田行なる列車があるかと言うと、同駅の近くに交通局の大幸
車庫があるからです。いくら環状線と言えども、いつかは車庫に戻らねばなりませんからな。

 我が「右回り」列車は乗車率120%ほどで上前津から発車しました。路線は北上し2分で矢場町
に着。同駅は100メートル道路の南端にあり、近くにはパルコや松坂屋などがあります。

 矢場町から100メートル道路のド真ん中の下を北上し、2分で栄に到着。同駅は東山線、名鉄・
瀬戸線との乗り換え駅です。

 さらに1分北上して久屋大通に着。同駅は桜通線との乗り換え駅です。同駅を出て100メートル
道路をさらに北上し、2分で市役所前に到着。同駅は文字通り名古屋市役所の目前にあり、愛知県庁
も隣接しています。

 名古屋市役所駅の北西には、金のシャチホコで超有名な名古屋城の敷地が広がっています。ここま
での途中駅で徐々に乗客は減り、市役所前で空席が出来て座れました。

 路線はさらに北上し2分で名城公園に着。同駅の西側には駅名となっている名城公園がありますが、
同園の中に名古屋城があるのではなく、城の敷地の北側に隣接して公園があります。

 名城公園を出た路線は真東に向きを変え、主要道の名古屋環状線の下に入り2分で黒川に着。同駅
で車内はガラガラになりました。

 名古屋環状線の下を東に2分進み志賀本通に停車。地図を見た限りでは同駅周辺は住宅地のようで
す。さらに東に1分で平安通に到着。

 同駅は名鉄・小牧線と相互乗り入れを行っている上飯田線との乗り換え駅ですが、寝ボケていた私
は同線の事を失念しており、今回の「旅」で乗り残す羽目になったのですが、それに気づいたのは後
日になってからでした・・・。

 平安通を出た路線は南東に向きを変え2分で大曽根に着。同駅は鉄道集結地であり、JR中央本線、
名鉄・瀬戸線、それに、名古屋ガイドウェイバス・ゆとりーとラインとの乗り換え駅です。

 このガイドウェイバスと言うのは、案内軌条操舵装置を備えた路線バスが案内軌条の敷かれた専用
の高架道路を走る全国で唯一の路線であり、バス運行でありながら何と鉄道に分類されているのです。

 また、このガイドウェバスは高架上ばかりを走るのではなく、路線末端の小幡緑地駅から先は一般
道に降りて一般の路線バスとして走ります。

 つまり、定時運行を確保するため、渋滞が予想される区間のみ高架化されているんでしょうな。何
とも大胆で素晴らしい発想です。

 ま、それはともかく、大曽根で私の乗る車両の乗客は、わずか4人になりました。同駅を出た路線
は、さらに東に向かい、1分で終点のナゴヤドーム前矢田に到着しました。

 同駅の南400メートルには、駅名となっているナゴヤドームがあります。ちなみに同ドームはプ
ロ野球中日ドラゴンズの本拠地です。

 ナゴヤドーム前矢田駅に到着する名城線「右回り」列
車です。車両は2000系。
【愛知県・名古屋市交通局・ナゴヤドーム前矢田駅】

 「右回り」列車の乗車率は40%ほどでした。ここまで乗って来た列車が閑散としていたのは、ど
うやら当駅止めだったからのようですな。

 東に1分進んで砂田橋に着。同駅を出ると路線は南東に向きを変え、2分で茶屋ヶ坂に停車。地図
によると周辺は住宅地のようです。

 茶屋ヶ坂を出た路線は南へ向きを変え、2分で自由ヶ丘と言う何とも風雅な名前の駅に到着。同駅
の周辺は団地のようですが、東1キロほどには広大な敷地を持つ平和公園があります。

 自由ヶ丘から南へ2分で本山に着。同駅は東山線との乗り換え駅です。地図を検分して見ると、砂
田橋から本山までの名城線は、道路ではなく住宅地の下を通っています。

 これは最近知ったのですが、例え地下と言えども、誰かの所有地の下に何らかの施設を造る場合は、
その所有地の地権者に対して借地料を支払わねばならないそうです。

 そのため、地下鉄の路線は道路の下に造られるのが基本なんだそうで、大阪市営地下鉄も確かにそ
の通りになっていました。そうすると、名城線の砂田橋←→本山間は借地料を払ってるんかな?

 それはともかく、ここで車内に、脚を短く切り詰めた丸椅子と広告の束を抱えたオバさんが登場し、
何と走行中に、その丸椅子に乗って車内の吊り広告を交換し始めました。

 本山を出た路線は山手グリーンロードの下を南へ進み、2分走って名古屋大学駅に到着。同駅は文
字通り名古屋大学の敷地に囲まれた中にあります。

 名古屋大学を出て南に2分で八事日赤に着。同駅は駅名となっている名古屋第二赤十字病院に隣接
しています。

 八事日赤から南東に向かい、その先で南西に向きを変えて2分で八事に停車。同駅は鶴舞線との乗
り換え駅です。ここら辺の乗客は少なく、我が車両にいる乗客は7人でした。

 八事を出た路線は、束の間道路から外れて一般地の下を南西に向かい、その先で八勝通の下に出て
3分で総合リハビリセンター駅に着。同駅は名古屋厚生院・総合リハビリテーションセンターに隣接
しています。

 さらに南東に1分走って瑞穂運動場東駅に停車。同駅の西には瑞穂公園があります。同公園を挟ん
で反対側には桜通線の瑞穂運動場西駅がありますが、名城線の東駅の方が瑞穂公園の近くにあります。

 瑞穂運動場東駅を出た路線は、束の間一般地の下を南西に向かい、地方道の岩崎名古屋線に出会う
と西に向きを変えて3分で新瑞橋に着。同駅は桜通線との乗り換え駅です。

 さらに西に1分走って妙音通駅に停車。続けて西に1分で堀田に到着。この辺りは町中ですが、特
に目ぼしいものはありません。

 堀田を出た路線は天下の国道1号線に合流し北西に向きを変え、2分で伝馬町に着。同駅を出ると
北へ向きを変え国道19号線の下を走って2分で神宮西に停車。

 同駅は、かの有名な熱田神宮に隣接しています。全国的に知られた神宮だけあって、その東側には、
JRの熱田駅、名鉄の神宮前駅なども設置されています。

 熱田神宮のほかに、名城線・神宮西駅の南西500メートルほどには白鳥庭園があります。ちなみ
に同園は日本庭園であり、都市公園内庭園としては東海地方随一の規模を誇るとか。

 神宮西を出た路線は北西に2分走って西高蔵に着。同駅を出ると右にカーブして2分で金山に到着
しました。

 金山は鉄道集結地で、地下鉄・名港線、JR東海道本線、中央本線、名鉄・名古屋本線との乗り換
え駅です。

 ここでいったん名城線の乗車を中断して、金山から名古屋港方面に向かう名港線に乗り換えます。
乗り換えはするのですが、名港線は単独の路線ではなく名城線の枝線になっており、列車は名城線と
直通運転を行っています。

 金山駅に到着する名古屋港行列車。同列車は大曽根駅
が始発で、名城線を左回りに回って来て金山から名港線
に乗り入れます。車両は2000系。
【愛知県・名古屋市交通局・金山駅】

 名古屋港行列車は乗車率110%ほどで金山から発車しました。路線は南西に向かい、中央卸売市
場の敷地の下を通って3分で日比野に着。

 同駅から先は主要道江川線の下を南西に進み2分で六番町に停車。同駅の上では江川線と国道1号
線が交差しています。

 この辺りは下町ですが、町名が一番から十一番町まで漢数字の町名になっていました。六番町を出
た路線は、方向をやや南向きに変え2分で東海通に着。ここで私は座る事が出来ました。

 さらに南南西に1分走って港区役所駅に到着。駅名となっている港区役所は駅から北へ200メー
トルほど離れています。区役所の前に駅を造らなかったのは、北隣の東海通駅との駅間が短くなり過
ぎるからでしょうか?

 港区役所駅から南南西に1分走って築地口に停車。同駅の上では国道23号線、国道154号線、
主要道の江川線、港中川線などの大通りが交差していますが、周辺は住宅地です。

 築港口駅の西側400メートルほどには名港線の名港車庫があります。ちなみに同車庫にはJR貨
物の名古屋港駅とJR東海の資材センターが隣接しています。

 この名古屋港駅はJR貨物・名古屋港線の末端にあります。同貨物線は東海道本線の山王駅付近か
ら分岐していますが、現在は貨物輸送は行われておらず、JR東海資材センターからのレール輸送が
週に何度か行われているだけです。

 御託は、さておき、築地口を出た路線は南南西に1分走って、私の乗る車両の乗車率は50%ほど
で終点の名古屋港駅に到着。金山からは10分の乗車でした。東海通駅からは1分間隔で駅に停車し
ましたが、ずいぶんとこの周辺の利便性に配慮していますな。

 名古屋港駅周辺の様子。写真中央やや下に写っている
のが名古屋港駅の出入口です。
【愛知県・名古屋市交通局・名古屋港駅】

 名古屋港駅周辺には、名古屋港水族館や名古屋港イタリア村、遊園地シートレインランド、ガーデ
ン埠頭臨港公園などがあり、ガーデン埠頭には退役した南極観測船『ふじ』が係留されています。こ
こは家族連れで来ても存分に楽しめそうな場所ですな。

 ちなみに、これら施設がある場所は、かつてJR貨物・名古屋港駅のヤードが広がっていましたが、
鉄道貨物の衰退に伴い敷地を縮小し、その跡地に建設されたそうです。

 さ、それでは戻って名城線の乗車を続けましょう。

 名古屋港駅に停車中の大曽根行列車。同列車は金山か
ら名城線に乗り入れて大曽根まで行きます。車両は20
00系。
【愛知県・名古屋市交通局・名古屋港駅】

 大曽根行列車は、私の乗る車両は乗客3人で名古屋港駅から発車しました。名港線内の各駅で乗客
を増やした列車は、ほぼ100%で金山に到着。同駅で乗車率を120%に増やして発車しました。

 路線は北北東に向かい2分で東別院に停車。同駅の西200メートルほどには駅名になっている東
本願寺東別院があります。

 東別院を出ると路線は、やや北に向きを変え2分で上前津に到着しました。これで名城線は完乗で
すが、次の東山線に乗り換えるため、栄まで、このまま乗って行きます。

 途中、矢場町で大勢の降車がありました。名古屋港から16分で列車は栄に到着。それでは東山線
に乗り換えましょう。

 東山線は名古屋市内を横断し、高畑←→藤が丘間を結ぶ路線です。藤が丘駅では、磁気浮揚式リニ
アモーターカーの日本初の営業路線となる「リニモ」東部丘陵線と接続をしており、今回はそれにも
乗るつもりです。

 それでは、まづは路線の西端駅となる高畑を目指しましょう。

 栄駅の東山線ホームに到着する高畑行列車です。車両
は5000系。
【愛知県・名古屋市交通局・栄駅】

 高畑行列車は、私の乗る車両の乗車率は200%ほどで栄から発車。路線は錦通の下を西へ2分進
み伏見に着。同駅は鶴舞線との乗り換え駅です。この辺りは名古屋の都市部であり、上はビル街にな
っています。

 さらに3分進んで名古屋駅の直前で北北西に向きを変えてから名古屋に到着。同駅で乗客は、ほと
んど降りました。多少の乗車客を乗せ発車。

 束の間、JRや名鉄線と平行して北北西に進んだのち西に向きを変えて左記各路線を潜り2分で亀
島に着。さらに西に進んで南東に向きを変え2分で本陣に停車。

 幅の広い一般道の下を南東へ1分進んで中村日赤に着。同駅の南には「中村日赤病院」こと第一赤
十字病院があります。

 さらに南東に2分走って中村公園に停車。駅名となっている中村公園は北に600メートルほど離
れています。ちなみに、同園の中には名古屋競輪場があります。

 中村公園を出ると路線は南へ向きを変え、一般道の下を進んで2分で岩塚に着。同駅の西には五反
城町なる町名があり、五反城公園なる小さな公園もあります。気になったのでインターネットで検索
してみましたが、そのような名前の城はヒットしませんでした。

 岩塚から南へ1分走って八田に停車。同駅はJR関西本線、近鉄・名古屋線との乗り換え駅です。
同駅から南へ1分で列車は終点の高畑駅に到着。栄からは17分の乗車でした。

 名古屋を出て以降、途中駅で乗客は減り続け、高畑到着時の我が車両の乗客は、わずか3人しかい
ませんでした。

 東山線の末端である高畑駅の出入口です。周囲はマン
ションもある町中でした。
【愛知県・名古屋市交通局・高畑駅】

 ちなみに、高畑駅の北東には東山線の高畑車庫があります。さ、それでは反対端の藤が丘駅に向か
いましょう。

 高畑駅に停車中の藤が丘行列車。車両は往路とは違う
5050系です。
【愛知県・名古屋市交通局・高畑駅】

 藤が丘行列車は、我が車両の乗客は7人で高畑から発車。途中の停車駅で乗客を増やし、高畑から
12分で乗車率150%ほどで名古屋に到着しました。さらに5分で栄に着。

 栄を出ると路線は錦通の下を東に進み2分で新栄町に着。この辺りはビル街です。東にさらに2分
走って千種に停車。同駅はJR中央本線との乗り換え駅です。また、北へ300メートルほどの所に
は桜通線の車道駅があります。

 千種を出ると路線はやや南へ向きを変え2分で今池着。同駅は桜通線との乗り換え駅です。今池か
ら錦通の下を東南東方向に1分走り池下に停車。同駅は千種区役所の最寄り駅です。

 池下から次の覚王山までは、わずか600メートルしか離れていません。その短い間を2分掛けて
到着。覚王山とは、また格式高そうな駅名だったので地図を見ましたが付近にその地名はありません。

 そこで駅について調べて見ると、その由来は、北へ400メートルほどの所にある日泰寺の正式名
である覚王山日泰寺から来ているようですな。

 何でも、この日泰寺は、タイ王国から送られた仏舎利(お釈迦様の遺骨)を安置するために1904年
(明治37年)に創建されたお寺で、覚王とは、お釈迦様の別名なんだそうです。

 それにしても仏教の開祖である、お釈迦様の遺骨が何で日本にあるのかと言うと、1898年(明治3
1年)に、インドで、この仏舎利が発見されると、その専有を巡り周辺諸国との争いが起こる事態と
なったそうです。

 それをおさめるために仏舎利は細分化され、何と8万もの寺院に配布されたそうです。その中のひ
とつが1900年(明治33年)に、当時のシャム国国王であるラマ五世によって日本国民に寄贈された
んだそうです。

 そんな覚王山を出て主要道・名古屋長久手線の下に入り南東に向きを変え1分で本山に到着。同駅
は名城線との乗り換え駅です。

 本山からさらに南東に2分で東山公園に着。同駅の南には駅名となっている東山公園の広大な敷地
が広がっています。同園内には遊園地、動物園、植物園があります。

 東山公園を出た路線は名古屋長久手線に沿って東から北へと緩くカーブして2分で星ヶ丘に着。同
駅の周囲には中、高、大学が5校もありました。

 星ヶ丘を出て路線は北東に向かい、その先でやや東に向きを変えて2分で一社に到着。この辺りは
住宅地です。同駅を出ると名古屋長久手線から北へそれて地上に出ると路線は高架となり2分で上社
に着。

 同駅から東へ700メートル、2分で次の本郷に停車。同駅の南東には東名高速の名古屋インター
チェンジがあります。

 本郷を出ると路線は北へ向きを変え、2分走って終点の藤が丘に到着しました。到着時の我が車両
の乗車率は、ほぼ100%。高畑からは39分の乗車でした。

 東山線の末端である藤が丘駅です。同駅の東側には東
山線の藤が丘工場があります。
【愛知県・名古屋市交通局・藤が丘駅】

 これで名古屋市営地下鉄は全線完乗したものと私は思っていたのですが、実は上飯田線に乗り忘れ
ていたのに気づいたのは後日になってからでした。

 ま、それはともかく、お次は日本初の磁気浮揚式リニアモーターカー「リニモ」に乗りましょう。


第2部:「ちょっとこだわりの路線」その34/「リニモ」

 「リニモ」を運行するのは第三セクターの愛知高速交通です。路線は藤が丘←→万博八草間8.9キロ
の東部丘陵線1路線を有します。

 同線は、2005年3月から9月まで、愛知県愛知郡長久手町および瀬戸市の2会場で開催された国際
博覧会「愛・地球博」に合わせて開業した路線です。

 私が乗りに来た時は、まさに万博の開催期間中でした。「リニモ」の開業当初は乗客が押し掛けて
整理が大変だったと聞いています。

 愛知高速交通・藤が丘駅の切符売場です。万博の来場
客をサバくため広大なスペースが取られており、整理用
の柵が張り巡らせてあります。これは万博対応の仮設駅
舎なんでしょうか?
【愛知県・愛知高速交通・藤が丘駅】

 万博開催から2ヶ月が経過しているのと、今日が平日のためでしょうか駅の人影はまばらでした。
なぜか券売機が見あたらず、切符は何と手売りされていました。

 藤が丘駅の窓口で買った万博八草駅までの乗車券。全
線乗り通しても運賃は360円です。

 乗客整理のためか駅構内にはガードマンの姿が多くあり、自動改札を入る前にガードマンに切符を
見せる必要がありました。改札を抜け地下のホームへ降りました。

 藤が丘駅に停車中の万博八草行列車です。ホームドア
が設置されていてよく見えませんが、車両は常電導吸引
型磁気浮上・リニアインダクションモーター推進式の1
00形です。要するに磁気で浮き、リニアモーターで走
る日本初の車両です。
【愛知県・愛知高速鉄道・藤が丘駅】

 この「リニモ」は、世間で言われる正真正銘のリニアモーターカーと言う事ですな。乗り心地がど
んなものか非常に楽しみです。

 列車は運転手のいない自動運転であり、我が車両の乗車率は110%ほどで定刻に藤が丘駅から発
車しました。

 動き出すと、体で感じるのは加減速のGとカーブの横Gだけでほとんど揺れません。走行音も微か
で滑るように走って行きます。こりゃまさに次世代の乗り心地ですな。

 しばし地下を走り、2分ほどで地上に出て、はなみずき通駅に着。駅の周辺はマンションもたくさ
んある住宅地です。

 はなみずき通を出ると右に90度曲がる急カーブがあり、その先で今度は左に90度曲がりました。
これは高架が下の道路に沿って造られているからです。3分で杁ヶ池公園に着。

 同駅の北側にはアピタ長久手店が隣接しています。駅名となっている杁ヶ池公園は、駅の南南西3
00メートルほどのところにあります。

 「リニモ」の100形車両は前面が大きなガラス?張
りになっていて外がよく見えます。
【「リニモ」万博八草行列車の車窓より】

 杁ヶ池公園を出ると列車は少しトバしました。2分で次の長久手古戦場駅に着。同駅では対向列車
との会合がありました。長久手古戦場駅の北西には駅名の由来になっている長久手古戦場公園があり
ます。

 同公園は1584年(天正12年)に羽柴秀吉と織田信雄・徳川家康陣営との間で戦われた長久手の戦
いの記念公園でしょうか?

 この戦いで家康は秀吉の軍勢に圧勝して恐れられるようになり、何と秀吉に講話を申し入れさせた
と言うのですから驚きです。

 長久手古戦場から1.1キロを1分で走破して次の芸大通に着。同駅の駅名の由来である愛知県立芸術
大学は南東に1キロほど離れています。

 また、芸大通駅の西側には、自動車メーカーであるトヨタの博物館があります。それと、「愛・地
球博」の会場には駐車場がない代わりに、同駅の北西に博覧会用駐車場が設けられ、ここからシャト
ル・バスで来場客を運んでいました。

 芸大通から3分で次の公園西駅に着。同駅は「愛・地球博」長久手会場の西ゲートの最寄り駅です。
ちなみに、現在、博覧会場跡地は「愛・地球博記念公園」になっていますが、西ゲートは閉鎖されて
入れないようです。

 さらに2分走って万博会場駅に到着。同駅は長久手会場・北ゲートの目前にあり、ここでは9割方
の乗客が降りて行きました。ちなみに、現在、万博会場駅は愛・地球博記念公園駅と名前を変えてい
ます。

 「愛・地球博」は、「自然の叡智」をメインテーマとし、120ヶ国を越える国が参加。そして予
想を上回る来場者を得て黒字を計上して閉幕したそうです。

 会場は長久手と瀬戸の2ヶ所に分かれて開催され、両会場は直線で2キロほど離れていましたが、
料金不要のロープウェイで結ばれていました。

 車内はガラガラとなり列車は万博会場駅から発車しました。

 100形の車内です。座席はセミクロス配置で、車両
は新交通のような小型でした。
【「リニモ」万博八草行列車車内】
 車両後方の前面窓から見えた「愛・地球博」の会場で
す。遊園地お約束の観覧車なども見えます。
【「リニモ」万博八草行列車の車窓より】

 間もなく、右手に車庫があり、それを過ぎると陶磁資料館南駅に到着。駅名となっている愛知県陶
磁資料館は駅の北700メートルほどにありますが、地図を見る限り、山中にある同館へのアクセス
道があるように見えません。

 陶磁器資料館南を出た列車は2分で終点の万博八草駅に到着しました。藤が丘からは23分の乗車
でした。

 万博八草駅です。第三セクターの愛知環状鉄道が通る
ほか、「リニモ」東部丘陵線の起終点駅です。万博閉幕
後は駅名を八草に改めています。
【愛知県・万博八草駅】

 万博八草駅は真新しく大きな駅で周辺も綺麗に整備されていましたが、周りに住宅は少なく、まる
で乗り換え専用駅と言った風情でした。

 万博来訪者への便宜を図るためか、駅の各所には、たくさんの案内看板があり、ガードマンが配置
されていました。

 万博開催期間中だった来訪当時は、JRの名古屋駅より、JRの万博アクセス列車『エキスポシャ
トル』が毎時3往復、中央本線の高蔵寺駅を経由して、この駅まで乗り入れを行っていました。

 駅の北東約1.1キロには愛知工業大学があり、現在は、そこへの通学生が主な利用者となっているよ
うですな。

 さてと、それでは、ここまで来たついでに愛知環状鉄道にも乗りましょう。


第3部:「ちょっとこだわりの路線」その35/愛知環状鉄道

 愛知環状鉄道は、旧国鉄・岡多線(岡崎←→新豊田間)の転換と、新豊田←→高蔵寺間の新線開業
区間を合わせた45.3キロの路線を持って開業した第三セクター鉄道です。

 運行車両は古い100系と新鋭2000系の2車種で、来訪当時は2000系への置き換えが進んでいると
ころであり、この「旅」から半年後の11月に100系は全車退役しました。

 さてと、それでは、まず路線南端の岡崎を目指しましょう。

 万博八草駅の券売機で買った岡崎までの乗車券です。
運賃は640円。この駅名の切符は、もう買う事は出来
ません。

 万博八草駅の愛知環状線ホームは長大な長さがありました。愛環の電車は最長で4両編成ですが、
JRの『エキスポシャトル』は10両編成なので、ホーム長もそれに対応しているのです。

 愛知工大の最寄り駅とあってホームには学生の姿が多く見られました。愛環の駅員は小じゃれたブ
ルーの制服を着用しており、どう見ても利用者低迷で転換開業した三セク鉄道のイメージではありま
せんな。

 万博八草駅の愛知環状線ホームに到着する岡崎行列車
です。車両は100系。
【愛知県・万博八草駅】
 100系の車内です。車体と台車は新製ですが、電装
品関係はJRで廃車になった101系の物を流用してい
るそうです。
【愛知環状鉄道・岡崎行列車車内】
 座席はボックス・シートとロング・シートのセミクロ
ス配置でした。これはボックス・シートです。
【愛知環状鉄道・岡崎行列車車内】

 岡崎行列車は、私の乗る車両の乗客は10%ほどで万博八草から発車しました。駅を出ると路線は
単線となりましたが線路用地は複線分が確保されている様子です。

 複線分の用地が確保された路盤。利用者が増えれば複
線化も可能ですな。
【愛知環状鉄道・岡崎行列車の車窓より】

 最初の停車駅である篠原では、新鋭2000系の対向列車との交換がありました。続いて保見、貝津と
停車。この辺りの沿線は田んぼと住宅でローカル線の雰囲気です。

 次の四郷では100系の対向列車との交換がありました。同駅を出ると沿線は一気に町となり愛環
梅坪に着。同駅から3分で列車は新豊田に到着しました。同駅では少ない乗客の半分が降りました。
ここでは6分停車。

 新豊田は名鉄・三河線との乗り換え駅ですが、名鉄の豊田市駅とは250メートルほど離れており、
両駅はペデストリアン・デッキで結ばれています。

 停車中にポロポロと十数人の乗車がありました。ほどなく2000系の対向列車と交換してから発車。
新上挙母(しんうわごろも)の停車を挟んで三河豊田に停車。

 同駅は天下のトヨタ自動車の本社工場に隣接しており、通勤時間帯は同社への通勤客で混雑するそ
うです。

 現在の三河豊田駅のホームは1面2線ですが、構内の
用地は2面4線分が確保されており、現在は空き地にな
っています。
【愛知環状鉄道・岡崎行列車の車窓より】

 新豊田を出て3分で次の末野原に着。同駅では2000系列車との交換がありました。2分で次の永覚
駅に停車。同駅の西にはトヨタ自動車の上郷工場がありますが、愛環線を利用しての通勤客は少ない
ようです。

 さらに2分走って三河上郷に到着。同駅は住宅地にあり、西側にはトヨタ自動車の上郷センターが
あります。

 3分走って次の北野桝塚に着。同駅には愛知環状鉄道の本社と車両基地があります。また、駅の南
西には三菱自動車工業名古屋製作所の岡崎工場があります。

 乗っている時は気づきませんでしたが、地図を見ると北野桝塚駅の構内には、ずいぶんと細長いヤ
ードがありました。

 車両基地にしては不自然に細長いヤードだと思ったら、同駅はトヨタ自動車の自動車輸送用の貨物
駅として開業したとの事で、かつては多数の側線と広大なモータープールを有していたそうです。

 その自動車の鉄道輸送も、自動車製造工場の各地への分散と、高速道路の整備が進んだ事によるト
ラック輸送へのシフトにより1984年に廃止になったそうです。

 そんな歴史を持つ北野桝塚では2000系との交換後発車。大門の停車を挟んで北岡崎に着。同駅はJ
R貨物の駅でもあり、駅の北側にあるユニチカの工場に至る専用線が分岐していますが、現在は貨物
の取り扱いはないそうです。

 さらに3分走って中岡崎に停車。同駅は名鉄・名古屋本線との乗り換え駅で、名鉄の岡崎公園前駅
と隣接しています。

 中岡崎駅の東500メートルほどには岡崎公園があります。同園の中には、かの徳川家康が生まれ、
居城にもしていた岡崎城があります。

 中岡崎を出たところで検札があり2分で最後の停車駅となる六名に着。同駅では2000系列車と交換
しました。ここまでに6回の列車交換がありましたが100系とは1回のみ。2000系への置き換えは、
たいぶ進んでいるようですな。

 六名を出ると右から東海道本線が合流し列車は終点の岡崎駅に到着しました。万博八草からは約1
時間の乗車でした。

 岡崎駅です。JR東海道本線が通るほか、愛知環状鉄
道の起終点駅でもあります。
【愛知県・岡崎駅】

 岡崎駅は地元の市名を冠する駅ですが、駅周辺には百貨店や商業施設の類もなく殺風景な印象を受
けました。地図を見ると岡崎市の中心街は4キロ近くも北にあり、名鉄の東岡崎駅の方が遙かに近く
にありました。

 駅前を観察していると無粋な仕事の電話が入り、しばし付き合う羽目になりました。公式には私は
徹夜明けの休みですが、今日は平日なので致し方ないでしょう。

 駅周辺には見所もなさそうだったので、電話を終えた私は駅に戻りました。

 岡崎駅の愛知環状鉄道線ホームに停車中の高蔵寺行列
車です。車両は新鋭の2000系。同車は製造コストを抑え
るためJR東海の313系近郊型電車をベースにしてい
ます。左端に写っているのはJR東海道本線の列車。
【愛知県・岡崎駅】
 2000系の座席です。ベースとなったJRの313系は
転換クロス・シートですが、こちらはボックス・シート
でした。これもコストを抑えるためでしょうか?
【愛知環状鉄道・高蔵寺行列車車内】

 高蔵寺行列車は、私の乗る車両の乗客は4人で岡崎から発車しました。約1時間で万博八草に帰着。
愛知環状鉄道の路線は高蔵寺までですが、せっかくなので、ここから先はJRの万博アクセス用列車
である『エキスポシャトル』に乗りましょう。


第4部:「ちょっとこだわりの列車」その51/JR『エキスポシャトル』

 JRの『エキスポシャトル』は、「愛・地球博」の開催期間中に合わせて2005年3月1日から9月
30日まで運行された万博アクセス列車で、JR名古屋駅←→愛知環状鉄道・万博八草駅間を中央本
線の高蔵寺駅を経由して運行されていました。

 運行本数は毎時3往復で、列車種別は快速と普通がありました。尚、期間限定の列車でしたが臨時
列車ではなく、時刻表にも定期列車として掲載されていました。

 万博八草駅に停車中の名古屋行『エキスポシャトル』
132Mです。車両は211系の10両編成。
【愛知県・万博八草駅】

 『エキスポシャトル』132Mは、私の乗る9両目の乗客は3人で万博八草から発車しました。出
てすぐ八草トンネルに入り高速運転に入りました。『エキスポシャトル』は全列車とも愛環路線内は
全駅を通過します。

 トンネルを抜けると山口、瀬戸口を通過。その先で町に入ると瀬戸市駅を通過しました。同駅は名
鉄・瀬戸線との乗り換え駅です。

 瀬戸市を通過し松山トンネルを潜り、中水野を通過、続いて四谷トンネルを潜ると右からJR中央
本線が合流し列車は高蔵寺に到着しました。万博八草から14分の乗車でした。

 これで愛知環状鉄道は完乗です。今回の乗車予定は、これで完了なので、このまま『エキスポシャ
トル』に乗って名古屋駅まで戻りましょう。

 高蔵寺で乗務員がJRの社員に交代してから発車。中央本線に入った列車は各駅に停車しつつ、万
博八草から45分で終点の名古屋駅に到着しました。

 駅着前には、車掌の肉声による通常の乗り換え案内放送のあと、たどたどしい英語の案内がありま
した。外国人客に配慮しての事でしょうが、期間限定列車だけに英語の自動放送などは用意しなかっ
たようですな。

 さて、それでは大阪に戻りますが、時間もまだ早いので近鉄特急に乗りましょう。

 近鉄名古屋駅に停車中の特急『アーバンライナー』近
鉄難波行です。車両は最新鋭の「アーバンライナーNE
XT」こと21020系です。
【愛知県・近畿日本鉄道・近鉄名古屋駅】
 21020系の一般車車内の様子です。新鋭車らしく間接
照明の洗練された内装です。
【特急『アーバンライナー』近鉄難波行車内】
 同車の窓枠は物が置けるようになっていませんでした
が、その代わりにミニ・テーブルが付けてありました。
【特急『アーバンライナー』近鉄難波行車内】

 「アーバンライナーNEXT」には、ずっと乗りたかったのですが、車両がわずか2編成しかない
ので、そうそうお目に掛かる事が出来ないのです。

 特急『アーバンライナー』は、我が車両の乗車率は70%ほどで近鉄名古屋駅から発車しました。
待望の新鋭車に乗れはしたのですが、その新しい座席は在来車21000系のアップグレード車で体験済み
なので、車内では、それほど目新しい事もなく、列車は2時間6分後に近鉄難波に到着しました。

 大阪市営地下鉄・なんば駅に到着する中津行列車。車
両は10系です。何と車両全体にパチンコ・チェーン店
『マルハン』のラッピングが施されていました。何とも
金の掛かっている広告ですな。
【大阪府・大阪市交通局・なんば駅】

 19時半頃に列車は梅田駅に到着し今回の「旅」は終了です。徹夜明けで一睡もせずに約13時間
の乗車でした。我ながらよーやるわ・・・。

 『列車まかせの旅』小旅行記第14弾、おわり。



小旅行記
第14弾

第13弾
パート6
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