上野駅に到着する山手線外回り列車です。車両はE2 31系の通勤形。山手線のE231系は「ネコ目」ふう のヘッドライトが特長です。 【東京都・上野駅】 |
この「旅」当時、山手線のE231系は、まだ増備中であり、同車と205系が混在して運行され
ていましたが、今ではE231系への置き換えが完了しています。
東京駅に着いた私は、まず大阪への帰りの新幹線の切符を買いました。今回は新大阪行の最終とな
る『のぞみ159号』に乗りますが、最終だけに、ひょっとしたら混んでいるかも知れなかったので、
予め買っておく事にしたのです。
再び改札を入った私は京葉線のホームへと向かいました。東京駅から京葉線に乗るのは、これで3
回目ですが、それにしても遠いなぁ・・・。
京葉線ホームに辿り着いた私は、14:46発の蘇我行・普通1407Aに乗りました。列車は東京から42
分で終点の蘇我に到着。
蘇我駅に到着した京葉線の普通1407Aです。車両は通勤形の20 5系ですが、フロント・マスクがノーマル・タイプの205系と異 なっており、まるで別形式の車両のように見えます。 【千葉県・蘇我駅】 |
蘇我で内房線の列車に乗り換えます。東京から特急に乗れば木更津まで乗り換えなしで行けるので
すが、今回は、そう遠くもないので普通に乗る事にしたのです。
蘇我駅に停車中の内房線・君津行の普通1191Mです。 いわゆる "スカ色" 塗装の113系です。 【千葉県・蘇我駅】 |
君津行・普通1191Mは、110%ほどの乗車率で蘇我から発車。途中、五井で乗客の3分の1ほど
が降り、次の姉ヶ崎では半分ほどが降りました。蘇我から34分で木更津に到着。それでは久留里線
に乗りましょう。
木更津駅です。内房線の主要駅のひとつであり、久留 里線の起終点駅でもあります。 【千葉県・木更津駅】 |
第3部:「ちょっとこだわりの路線」その22/JR久留里線 |
今回、久留里線に乗るのを決めたのは、実は路線が目的ではなく、全国でも同路線しか走っていな
い気動車に乗るためでした。
その気動車とは、キハ30形、キハ37形、キハ38形の3車種ですが、この中でキハ30は朝夕
の通勤時間帯しか走っていないので、残念ながら乗る事は出来ないでしょう。
木更津駅に停車中の久留里線・上総亀山行の普通94 1Dです。気動車のキハ38形+キハ37形の2両編成 で、写真の先頭車はキハ38です。同車は、通勤形気動 車キハ35形の一部置き換え用として製造された車両で あり、製造コストを抑えるため、廃車になったキハ35 の台車や変速器を流用し、バス部品を多用するなどの工 夫が凝らされているそうです。 【千葉県・木更津駅】 |
モノの本によると、キハ38の1000番台車は、トイレ の無いタイプなんだそうです。ちなみに基本番台車には トイレがあります。 【千葉県・木更津駅】 |
上総亀山行・普通941Dは乗車率で100%で木更津から発車。列車は手加減気味のスピードで
走っていました。
2駅目の上総清川までは住宅地の中を走り、同駅を出ると沿線は田んぼの多いローカルな景色にな
りました。
横田で乗客の半分ほどが降り、上りの普通942Dとの交換がありました。小櫃では、おばあちゃ
んと孫3人がおり、車内に残る客は6人となりました。
キハ38の車内です。通勤形であるため、3扉で座席 もオール・ロングとなっています。通勤対応にオール・ ロング・シート化されたキハ40系は別にして、正規の 通勤形気動車に乗るのは、これが初めてです。 【久留里線・普通941D車内】 |
次の俵田では意外にも2人の乗車があり、木更津から47分で久留里駅に到着。久留里は小さな町
で、駅の裏手は田んぼと竹薮でした。
同駅では4分停車しました。久留里線のネーム駅ですが乗降は少なく、上りの944Dと交換した
列車は、乗客9人で久留里を後にしました。
沿線は田んぼと山になり、次の平山では4人が下車。2両目から一人が移って来て乗客は6人とな
りました。
最後の途中駅である上総松丘では乗降は無く、列車は終点の上総亀山に到着しました。木更津から
1時間6分の乗車でした。
上総亀山は有人駅のはずなのですが、切符は運転士が回収していました。駅の窓口業務は、やって
ない時間帯なんかな?
久留里線の末端駅、上総亀山です。立派な駅舎があり 自動券売機も設置されています。1日の平均乗車人数は 130人程度だそうです。 【千葉県・上総亀山駅】 |
せっかく上総亀山まで来たのですが、折り返しの列車に乗るので滞在できる時間は18分しかあり
ません。これでは駅の周辺をブラつくぐらいしか出来ませんな。
駅前には商店が数件ありましたがシャッターが閉まっており、一見したところでは、すでに廃業し
ているように見えます。
駅横のタクシー乗場には1台客待ちしていましたが、誰も乗らないと分かると、すぐに出て行きま
した。次の列車が来るまで1時間もありますから、待っていても仕方ありませんわな。
タクシー乗場の脇には鴨川行の表示を掲げた小型バスが待機していました。ここから鴨川にも行け
るのか・・・。
上総亀山駅前にある民家のガレージのマイカー下に、 でっぷりと太ったネコが寝ていました。起こさないよう にそっと写真を撮ったつもりだったのですが、「ニャん だてめぇは?」と言わんがばかりに片眼を少し開けてこ っちを睨んでいました。 【千葉県・上総亀山駅】 |
久留里線の線路末端です。国鉄時代には、ここから外 房線の大原駅までを結ぶ房総東線の構想があったそうで すが実現しませんでした。 【千葉県・上総亀山駅】 |
駅周辺には、特に見るものはなく、私は少し歩き回っただけで駅に戻りました。後に地図を調べて
みると、駅から700〜800メートルの所には、亀山ダムと亀山湖、亀山温泉などがあり、ちょっ
とした観光地になっているようです。
上総亀山駅の券売機で買った木更津までの切符です。 距離にして32.2キロ、運賃は650円です。 |
乗って来た列車の折り返しとなる木更津行の普通946Dは、エンジンをアイドリングさせてホー
ムに停まっていました。往路はキハ38に乗ったので、帰路はキハ37に乗るとしましょう。
上総亀山駅に停車中の木更津行・普通946Dです。 今度はキハ37形が先頭車となります。キハ37は、本 線用のキハ40系に対して地方線区の通勤/通学/閑散 時対応用に製造された車両であり、キハ38と同じく一 部廃車発生品を流用しています。全部で5両が製造され かつては加古川線でも使用されていたそうです。 【千葉県・上総亀山駅】 |
キハ38の1000番台車と同じく、キハ37の1000番台 車もトイレなしのタイプです。木更津←→上総亀山間は 約1時間ちょいですから、世間一般的にはトイレがなく ても何とかなるでしょうか。 【千葉県・上総亀山駅】 |
車体側面には、JRで最近よく見掛ける、地元密着を アピールするステッカーが貼られていました。 【千葉県・上総亀山駅】 |
キハ37の車内です。ドアは2扉で引き戸式、座席は 通勤利用を考慮してオール・ロング・シートです。 【久留里線・普通946D車内】 |
ほどなく定刻となり、普通946Dは上総亀山から発車しました。私の乗る1両目キハ37の乗客
は私を入れて2人です。
出て間もなく、右手に立派な道路(国道410号線)が平行しました。車の方がスピードが速く、
我が列車は、どんどん抜かれて行きます。
基本的に気動車は電車と比べて加減速性能が悪く、その上、ローカル線は線形が悪かったりでスピ
ードが出しづらいため、地方の非電化ローカル線に乗ると、列車が車に抜かされる光景は日常茶飯事
なのです。
列車が久留里に着くと2人が乗車、下りの普通943Dと交換しました。馬来田で10人、東横田
と横田では、ひとりずつ乗りました。横田では下りの945Dと交換。
次の東清川では、ひとりが乗車。同駅は無人駅でしたが整理券発行機らしき機械が設置されていま
した。
上総清川で2人、最後の途中停車駅となる祇園でひとりの乗客を乗せ、普通946Dは終点の木更
津に到着しました。これで今回の「旅」の目的は完遂です。それでは大阪へ帰りましょう。
木更津に停車中の内房線・千葉行の普通2142Mです。 車両は113系。 【千葉県・木更津駅】 |
往路は東京駅から京葉線で来ましたが、同じルートで帰ってもつまらないので戻りは千葉から総武
本線に乗り換えて東京まで行く事にしました。
木更津から36分で内房線と外房線の分岐駅である蘇我に到着。同駅では外房線の勝浦から来た東
京行の特急『わかしお26号』を先に行かせました。
蘇我駅の構内には京葉工業地帯に路線を持つ貨物専業の京葉臨海鉄道のディーゼル機関車が2両停
まっていました。蘇我を出た普通2142Mは6分で終点の千葉に到着。では総武線に乗り換えましょう。
千葉駅に停車中の総武線・東京行の快速1940Fです。 車両は近郊型のE217系。乗り換え時間が5分しかな かったので先頭車は撮れませんでした。同列車の始発駅 は成田です。 【千葉県・千葉駅】 |
快速1940Fは乗車率105%ほどで千葉から発車。外は、もう真っ暗で景色は見えません。蘇我を
出た総武本線は、西船橋までは南側を通る京葉線と2キロと離れずに平行しています。南船橋を過ぎ
ると京葉線は南西に進路を変え、総武線は北西へと向かいます。
千葉県内最後の途中停車駅となる市川では特急『成田エクスプレス42号』が追い抜いて行きまし
た。市川から2駅目の錦糸町を出ると、両国駅の手前で総武本線は2方向に分かれます。
ひとつは東京駅へと向かう快速線で、こちらは横須賀線と直通運転を行っています。もうひとつは
御茶ノ水経由で中央線の立川方面に向かう緩行線で、千葉←→立川間で中央線と直通運転を行ってい
ます。
ひとつの路線が途中で分岐するのは珍らしく、しかも快速と普通で行き先を変えているのも面白い
運行形態ですな。このような路線は関西にはありません。
我が快速1940Fが走る快速線の方は、錦糸町を出ると地下へと降ります。地下線内にある馬喰町、
新日本橋などに停車しつつ、快速1940Fは千葉から41分で東京に到着しました。
意外だったのは、列車が東京駅に近づくにつれて乗客が減って行き、同駅に着いた時にはガラガラ
だった事です。やはり、このような遅い時間から都心に出る人は少ないんでしょうな。
東京駅に停車中の新大阪行『のぞみ159号』です。 車両は700系。 【東京都・東京駅】 |
『のぞみ159号』で私が乗った指定席車の乗車率は20%ほどでした。予想に反して新大阪行最
終列車の乗車率は、それほど高くなかったようです。
このままガラガラで行くのかと思っていたら、何と新横浜で大勢乗って来て、私が座っていた3人
掛けの席の中間席までもが埋まりました。
その後は、特に記事に書くような出来事もなく、23:48に『のぞみ159号』は、終点の新大阪駅
に到着しました。
新大阪に到着する、福知山線乗り入れ最終列車となる 新三田行・普通1246Cです。車両は205系ですが、今 では東海道スジでは見掛けなくなりましたな。 【大阪府・新大阪駅】 |
これで今回の「旅」は終了です。今回の収穫は、鉄道ファンの間で伝説となっていた "横軽" の片
鱗に触れられたのと、新たに107系、キハ37形、キハ38形の3車種に乗れた事です。
さて、次はどこへ行きましょうか・・・。
『列車まかせの旅』第25弾、おわり。
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