2005年5月20日掲載
『列車まかせの旅』第19弾(2003年10月12日)


 山形駅に戻った私は、左沢までの切符を買うと大急ぎで左沢線列車の出るホームへと向かいました。
左沢線は、山形駅から奥羽本線を北へ1駅行った北山形から分岐し、山形県西村山郡大江町左沢まで
延びる営業キロ24.3キロのローカル線です。

 今回、左沢線に乗る事にしたのは、同線の乗り潰しと言うより、未だ乗車を果たせていなかったキ
ハ101形気動車に乗るのが目的でした。この旅行記当時の私は、まだ全線乗り潰しを目指してはい
なかったのです。

 山形駅に停車中の左沢行・普通339Dです。列車は
JR東日本オリジナルのキハ101形気動車の4両編成
でした。
【山形県・山形駅】
 キハ101は、JR東日本が旧式なキハ58系の置き
換え用に新造したキハ100系列のヴァリエーションの
ひとつで、キハ100形をベースにワンマン対応型とし
て新造された車両なんだそうです。
【山形県・山形駅】
 座席はオール・ロングシートでトイレはありません。
このキハ101形はキハ100系列の中でも異色な存在
なんだそうで、ここ左沢線でしか運用されていないそう
です。
【左沢線・普通339D車内】

 列車は、定刻の15:30に山形から発車しました。私が乗った1両目の乗客は20名ほどでした。発
車後の案内放送では「フルーツ・ライン左沢線」と路線の愛称名での案内がありました。JR東日本
はローカル線に愛称を付けるのを推進しているようです。

 1両で運行可能なワンマン対応車両ですが、なぜか4両も連ねた「長編成」であり車掌が乗務して
いました。ローカル線だしそれほど混んでないのに4両も繋ぐ必要があるんかいな?

 奥羽本線を走るキハ101は軽快に加速しました。後に調べたところでは、同車の車両諸元は軽快
気動車にほぼ相当するもので、そのエンジン音はJR西日本の新しい軽快気動車キハ120形によく
似ていました。

 普通339Dは北山形を出ると左沢線に入りました。同線最初の停車駅となる東金井では二人の乗
り降りがありました。

 東金井から3駅目となる羽前長崎に着くと約半分の乗客が降りました。ここに何があるのだろう?
次の南寒河江でもひとりが下車。

 車窓から風景を見ていると、「フルーツ・ライン」の名が示す通り駅間の沿線には果物系の畑が広
がっていました。

 いったい何の果物が栽培されているのか調べたところ、寒河江ではサクランボ、大江町ではラ・フ
ランス(西洋梨)などが作られているそうです。

 南寒河江から3分で寒河江に到着。寒河江は左沢線の途中駅では最も大きな町であり、同駅にはみ
どりの窓口もあります。

 見ると構内の留置線にはキハ101形2両編成の列車が留置されていました。ここでは4人降り、
ひとりが乗って来ました。この時点で車内の人数を数えてみると8人となっていました。

 西寒河江の停車を経て羽前高松に停車。同駅では3人降りました。次の柴橋ではホーム長の都合で
前2両しかドアを開けませんでした。

 そして定刻の16:10に普通339Dは終点の左沢に到着しました。1両目の乗客は5人、山形駅か
らはきっかり40分の乗車でした。

 左沢線の終点、左沢駅です。駅舎は右半分の平屋の部
分で、左側に合築されているトンガリ屋根の建物は大江
町交流ステーションです。交流ステーション内には入り
ませんでしたが、中には町営の物産店や毎年9月に開か
れる「おおえ秋まつり」に関する展示ホール、会議室、
多目的ホールなどがあるそうです。
【山形県・左沢駅】
 交流ステーション下部の支柱には、「おおえまちオリ
ジナル・NHK連続テレビ小説 "おしん" ロケ写真展」
なる看板が立てられていました。「おしん」と言えばヒ
ロインがいじめられるドラマの代名詞になった番組です
が、左沢と何か縁があるのでしょうか?
【山形県・左沢駅】

 「おしん」の立看板が気になったので後で調べたところ、大江町で同番組のロケが行われたとの事
でした。

 左沢の駅前には商店も何もありませんでした。せっかくここまで来たのですが、行程の都合で10
分後に出る折り返しの列車に乗らねばならず散策する時間はありません。

 私は駅前をさっと見ただけで駅に戻りました。さっそく山形までの切符を買おうとしたのですが券
売機が見つからなかったので、みどりの窓口に行く羽目になりました。

 どうやらこの駅の切符は手売りのようです。メチャメチャ愛想の良い窓口氏に山形までの切符を所
望すると長距離切符と同じ大型券が手渡されました。

 左沢駅の、みどりの窓口で買った山形までの乗車券で
す。たかだか480円の近距離切符ですが、ご覧の通り
大型券で発券されました。大型券の近距離切符を買った
のは旅行記第17弾の城端駅以来2度目です。
 左沢駅の線路の行き止まりです。駅自体は比較的新し
いように見えました。近年に建て替えられたのでしょう
かね?
【山形県・左沢駅】
 左沢駅に停車中の山形行・普通344Dです。乗って
来た列車の折り返しです。
【山形県・左沢駅】

 普通344Dは定刻の16:20に左沢から発車しました。私はまたしても1両目に乗りましたが乗客
は私を入れてもたった3人しかいませんでした。

 山形へと向かう道中に日が落ちると、たちまち気温が下がって涼しくなって来ました。列車が北山
形に着いた際に改めて同駅の様子を見ると、奥羽本線と左沢線のホームは離れており陸橋で結ばれて
いました。

 普通344Dは途中駅で徐々に乗客を増やし、1両目の乗客は30人ほどで終点の山形駅に到着し
ました。ローカル線にしては盛況な路線だと思いますな。

 さて、それでは福島へと向かいますが、新幹線ではなく、同じ線路上を走る標準軌に改軌された普
通列車に乗って見ましょう。

 山形駅の改札です。新幹線の改札(左)と在来線の改
札(右)が並んでいて少々分かりづらいですな。
【山形県・山形駅】

 奥羽本線の山形←→福島間は山形新幹線を走らせるために狭軌から標準軌に改軌されていますが普
通列車も走っています。

 ただし、普通列車に関しては、山形←→米沢間は30分〜1時間間隔で走っているものの、米沢←
→福島間は本数が激減して1日にわずか6往復しか運行されていません。

 その6往復の中でも山形←→福島間を走破する列車は、たった1往復しかなく、残りの5往復は米
沢←→福島間の区間運転となっています。

 今回乗る福島行の普通440Mは上りの普通で唯一の福島直通列車です。ちなみに、福島までの所
要時間は新幹線の『つばさ号』だと70分ちょっとですが、普通440Mで行くと1時間45分ほど
掛かります。

 ホームで福島行の列車を待っていてふと見上げると駅裏に巨大なビルが見えました。旅行記第1弾
で訪れた時は建設中だったビルが完成したんですな。後に調べたところ、このビルはワシントン・ホ
テルでした。

 山形駅に入線する福島行・普通440Mです。車両は
仙山線で乗ったのと同じ719系ですが、奥羽本線の改
軌区間用に標準軌の台車を装備して新造された5000番台
車の4両編成でした。
【山形県・山形駅】

 列車がホームに停まった時、私は乗車待ち列の先頭にいたためにドア・ボタンを押して開ける "栄
誉" を賜りました。(←大袈裟な・・・(^^;)

 山形市内で買った我が愛飲缶コーヒーの『ジョージア
/テイスティ』でコーヒー・ブレイクにしました。
【奥羽本線・普通440M車内】
 乗降口横のロング・シートのドア側には透明な遮風板が取り付け
られていました。この地方の寒さの厳しさが伺えます。
【奥羽本線・普通440M車内】
 隣のホームには、我が440Mより7分早く発車する
東京行の新幹線『つばさ124号』が並んでいました。
【奥羽本線・普通440M車内】

 列車到着時にはそれほど乗客はいなかったのですが発車時間が近づくにつれて徐々に増えて発車時
には少し立ち客が出ていました。

 発車後の案内放送によると、この列車は4両編成で、途中の米沢で後ろ2両を切り離すとの事でし
たが・・・、私はいったい何両目に乗ってるんだ?。

 車内で何やらバリバリ東北弁のオバさんグループが騒いでいるので耳をそばだてると、どうやらお
仲間が乗り遅れてしまったようです。

 どこまで行くのか知りませんが、普通列車で福島まで行くとなると、次の列車は2時間後まであり
ませんから、次発の『つばさ』にでも乗って貰うしかないでしょうな。

 JR車両では初乗車となる標準軌の一般車両であり乗り心地に興味津々だったのですが、さすがに
新幹線とは違って普通に揺れていました。やはり新幹線の台車はそれなりにクッションが特別なんで
しょうな。

 最初の停車駅はスキーと樹氷で有名な蔵王ですが今はまだ10月なので何もない? さらに列車は
茂吉記念館前、かみのやま温泉、羽前中山の停車を経て中川に到着。同駅山形行の普通451Mと会
合しました。

 次に新幹線の停車駅でもある赤湯、そして高畠、置賜(おいたま)に停車し、山形から45分で米
沢に到着しました。

 同駅に停車すると乗客が一斉に立ち上がったので、ここで切り離される後ろ2両に乗っているのか
と一瞬うろたえましたが、そうではありませんでした。

 それにしてもさっきまで車内はほぼ満席で通勤列車みたいだったのに、今や閑散線区のローカル列
車みたいになってしましました。残っている人数を数えて見ると、たったの9人しかいませんでした。

 確かに、ここから先は日に6往復しか普通列車が運行されておらず、実質的に閑散線区なのですが、
米沢を境にこれほど乗車率に落差があるとは驚きです。

 列車はここで15分の長時間停車をします。米沢と言えば米沢牛が超有名であり絶品の駅弁もある
と聞いていますが、普通列車の座席で食べるのも気が引けるので、それはまた今度の楽しみとしまし
ょう。

 山形には、米坂線や三セクの山形鉄道に乗りに来る機会がまたあると思うので、その時は米沢牛の
駅弁をぜひ賞味したいと思います。

 米沢停車中に対向ホームに山形行の『つばさ189号』が到着し先に出発して行きました。ちなみ
に同列車は臨時列車です。

 米沢を後にした我が列車は、関根、大沢と停車したあと峠(とうげ)駅に着きました。

 18:55、列車は峠駅に着きました。奥羽本線の福島←
→米沢間は急勾配区間で、この峠を含めて、かつては大
沢、峠、板谷、赤岩の4駅がスイッチバック駅だったそ
うですが、1990年の山形新幹線開業と共にスイッチバッ
クは廃止されてしまったとの事です。
【奥羽本線・普通440Mの車窓より】

 峠駅には『峠の力餅』と言う名物があり、ハッピ姿の売り子がホームで立ち売りしているそうです。
この駅もスイッチバックだった頃は列車の停車時間が長くてよく売れたそうですが、現在は停車時間
が1分もないうえ列車の窓も開かなくなったため、かつてのようには売れなくなったとの事です。

 出来れば買いたかったのですが、すでに時間は19時近く、今日の販売は終わったようでホームに
人影はありませんでした。

 峠を出た列車は、板谷、赤岩、庭坂、笹木野に停車したあと、19:22に終点の福島に到着しました。
ちなみに、庭坂←→福島間は朝夕に区間運転が行われており、上りは朝2本に夕方3本、下りは朝1
本に夕方4本と変則なダイヤの区間運転列車が走ります。

 福島駅の在来線ホームには嵩上げしたような形跡が見
えました。
【福島県・福島駅】
 福島駅です。東北新幹線が通るほか、奥羽本線(山形
新幹線)、第三セクターの阿武隈急行、私鉄の福島交通
の起終点駅です。
【福島県・福島駅】

 さてと、それでは次の目的列車である東北新幹線『なすの258号』に乗り換えるために郡山駅へ
向かいましょう。なぜ福島から『やまびこ』に乗って、そのまま東京まで帰らないのかは、また後で
書きます。

 郡山までは『Maxやまびこ126号』に乗りますが、わずか16分の乗車なので別に立ち乗りに
なっても構いません。私は券売機で郡山までの自由席特急券を買いました。

 福島駅に到着する仙台発・東京行の『Maxやまびこ
126号』です。JR東日本が誇るオール2階建てのE
4系です。これに乗るのはまだ2回目ですが、今回はひ
と駅だけの乗車です。
【福島県・福島駅】

 ホームに入って来る『やまびこ』の自由席の車内を覗いて見ると、2階席にはずらりと顔が並んで
いるものの1階席には空席が見えました。どうやら座れそうです。

 E4系の1階自由席からホームを見ると、こんな感じ
になります。
【『Maxやまびこ126号』車内】

 『Maxやまびこ126号』は19:45に福島を出て20:01に次の郡山に着きました。では乗り換えま
しょう。


第5部:「ちょっとこだわりの列車」その34/新幹線『なすの258号』

 東京までの切符を買っていながら、わざわざ郡山で降りたのは、同駅始発の東京行『なすの258
号』に乗るためです。

 この『なすの号』と言う列車は、東海道/山陽新幹線で言うところの『こだま号』に相当する各駅
停車の列車です。

 ただし、『こだま』の場合は単なる各駅停車と言う位置づけですが、『なすの』は東京←→郡山間
および東京←→那須塩原間のみで運行される区間運転列車であり、それ以北の各駅停車は『やまびこ』
が担っています。

 今回、この列車をこだわりの対象に選んだのは、同列車が一部2階建て車両を組み込んだ旧型の2
00系で編成されていたからです。

 2階建て車両を組み込んだ列車と言えば東海道/山陽新幹線の100系がありましたが、この20
0系は、その東北新幹線ヴァージョンと言える車両です。

 しかしながら、今年の9月のダイヤ改正をもって100系は東海道新幹線から引退してしまい、残
ったJR西日本の100系も『こだま』用に短編成化されて2階建て車両は編成から外されてしまい
ました。

 そして、その時代の波は200系にも訪れ、今度は200系の2階建て車両が運用から外される事
となり、今回、メモリアル乗車に来た次第です。

 『なすの258号』の特急券/グリーン券です。どう
せなら引退する2階建て車両の2階席に乗りたいと思い
グリーン車である同席をチョイスしました。

 『なすの258号』が待つホームへ上がるエスカレータに乗っていると、後ろから熟年の団体がつ
いてきました。

 私が向かっているホームは、当面、『なすの』以外の発着はなさそうなんですが、団体さんが各停
なんかに乗るんかいな?

 郡山駅に停車中の『なすの258号』です。JR東日
本の200系と言う車両で、東海道/山陽新幹線の0系
をベースにモーターの出力増強、耐寒耐雪対策、騒音・
振動対策を盛り込んだ車両です。0系マスクと100系
マスクの2タイプの先頭車が存在します。
【福島県・郡山駅】
 200系の2階建て車両です。2両連結されており、
両方とも2階は4列座席のグリーン車、片方の1階は1
〜2人用および4人用の個室、もう片方の1階はカフェ
テリアになっています。
【福島県・郡山駅】
 『なすの』の方向幕です。旧型車だけにLEDではな
く回転式の方向幕です。
【福島県・郡山駅】

 外回りの撮影を終えて、ほとんど乗客のいない一般車を横目で確認しながらグリーン車の2階に上
がってみると、何とそこには熟年のおっちゃん、オバちゃんが大勢いるではないか!!

 自由席がガラガラでグリーン車が繁盛だと? こりゃいったい何事なんだ? しかも見れば私の席で
ある最前列1A席にもオバちゃんが座っとるがな!

 予想外の事態に唖然としながら私が1A席の横に立つと、オバちゃんは、「あ、ここ?」と呟くと
慌てて移動して行きました。あのなぁ、新幹線のグリーン車が自由に座れるわきゃねー
だろがっ!!

 私が席に座って間もなく、添乗員らしき人物が車内に入って来ました。どうやらここにいる大先輩
方はエスカレータで後ろにいた団体のようです。

 どうも自分ら以外の乗客はいないと思っていたらしく好き勝手に座っていたようです。まぁ一般車
の様子を見てりゃそう思いますわな。

 200系のグリーン車の車内の様子です。本列車のグ
リーン車は熟年団体で大盛況でした。
【東北新幹線『なすの258号』車内】
 旧型グリーン車然とした座席ですが、このタイプの方が今時のグ
リーン席より座り心地が柔らかくて個人的には好きです。
【東北新幹線『なすの258号』車内】
 肘掛けの下にはサウンド・サーヴィス用のチャンネル
切替とボリュームのスイッチが装備されています。
【東北新幹線『なすの258号』車内】

 『なすの258号』は定刻の20:16に郡山から発車しました。間もなく車掌が入って来たので切符
を差し出しましたが、車掌はそのまま素通り仕掛けて「あ」と小さく声を上げると切符をチェックし
ました。

 見れば切符をチェックしたのは私だけで、後ろの団体さんは素通りして行きました。たぶん、一般
客がいるとは思わなかったのでしょうな。

 『なすの』の車内で夕食にしました。今回は山形牛を使った駅弁
『牛めし』です。ごはんの上に焼いた山形牛がまんべんなく敷き詰
められており、大変、おいしく頂きました。
【東北新幹線『なすの258号』車内】

 こだわりの列車に乗ったものの、外は真っ暗で何も見えず、車内では熟年団体がワイワイやっては
いましたが特に印象的な事柄はありませんでした。

 那須塩原駅に停車した際にホームを撮って見ました。
上から見下ろす眺めは、ちょっぴり優越感です。
【東北新幹線『なすの258号』の車窓より】

 『なすの258号』は各駅に停車しつつ、郡山から1時間14分で大宮に到着しました。同駅では
団体の中からオバちゃんたちが降りて行きました。

 さらに20分で上野に到着。同駅では団体の大半が降りて行きました。どうやらツアーは終わりで
皆さん帰り道のようですな。

 さらに4分走って21:56に終点の東京駅に到着。郡山から1時間40分の乗車でしたが、実に快適
でした。


第6部:「夜行列車愛好家への道」その15/寝台急行『銀河』(2回目)

 さて、それでは大阪へ帰りましょう。この時間だと、すでに大阪まで行く新幹線はないので必然的
に寝台急行『銀河』に乗る事になります。

 寝台急行『銀河』の急行券/A寝台券です。これまで
B寝台ばかりだったので、今回はA寝台を選びました。
料金はB寝台に対して3,240円アップとなります。
 東京駅の東海道本線の特急・急行用ホームである9番
ホームの列車案内板に表示されている『銀河』の案内表
示です。本日はフル連結の9両編成との事です。
【東京都・東京駅】
 ふと隣の10番ホームの案内板を見ると、『銀河』よ
り43分後に出発する快速『ムーンライトながら』の表
示が出ていました。本日は満席との事です。相変わらず
人気があるようですな。
【東京都・東京駅】

 『銀河』が出るまで1時間以上待ち時間がありましたが、私はホームで待つ事にしました。すると
22:13に隣の10番ホームに早々と『銀河』が入って来ましたが、1分ほど停車すると、すぐに大阪
とは逆の上野方面に出て行きました。

 これは留置線が大阪方の品川にある関係で、いったん東京駅を通り過ぎて上野方面に引き上げ、そ
こで機関車を大阪方に付け替えてから転線して9番ホームに入って来るためです。

 22:30、ホームのキヨスクは営業終了となりますが、『銀河』に乗るとおぼしき人々が駆け込みで
買い物をしていました。何せ同列車には車販がありませんからな。

 ホームで立ったまま待っていると、22:50にようやく『銀河』が9番ホームに入線して来ました。

 記録写真として『銀河』を前方から撮ろうとしたので
すが機関車はホームの立入禁止柵より向こう側に停まっ
ていました。ほー、東京じゃこんな具合に停まってるん
やねぇ。
【東京都・東京駅】

 今回乗るA寝台車は編成中に1両しか無く、機関車、電源車に続いて3両目に連結されています。
旅行記を通じて、本旅行記での寝台特急『出雲』を含めて、これまで寝台列車には8回乗りましたが、
解放式のA寝台は、これが初乗車となります。

 A寝台車の車内の様子です。中央に通路があり、その両側に線路
と平行の配置で寝台が並んでいます。「プルマン式」と呼ばれる配
置なんだそうです。
【寝台急行『銀河』車内】
 寝台のスナップその1です。A寝台とB寝台ではベッ
ドの幅が異なります。B寝台の幅70センチに対してA
寝台は上段が88センチ、下段が93センチとなってい
ます。そのぶん、上段でもベッド内に荷物を置くスペー
スが充分にあります。枕は東京方に置かれていました。
【寝台急行『銀河』車内】
 A寝台のアメニティ類です。掛け布団、浴衣にハンガ
ー、スリッパはタオル生地で作られており持ち帰る事が
出来ます(B寝台はビニールのスリッパ)。B寝台では
シーツがこれに加わり自分で敷かねばなりませんが、A
寝台では始めから敷いてあります。
【寝台急行『銀河』車内】
 壁には読書灯に小さな鏡、そして小さな窓も付いてい
ました。今回は上段寝台でしたが、下段であれば大きな
窓が独り占め出来ます。
【寝台急行『銀河』車内】
 通路側のカーテンには通風用の「窓」がありました。
マジック・テープで開け閉めする事が出来ます。急行
『きたぐに』で乗った583系の寝台と同じですな。
【寝台急行『銀河』車内】

 発車前に検札がありました。後に鉄道雑誌の記事で読んだところでは、これはすでに時間が時間だ
けに、乗客に早く休んで貰えるようにとの配慮なんだそうです。

 A寝台の利用状況をざっと見てみると下段は満席で上段が6つほど空いていました。今日はフル編
成の9両繋いでいるところからして利用者は多いのでしょうか?

 定刻の23時ちょうどに発車した『銀河』は、品川、横浜と停車し、横浜を出たところで放送休止
のアナウンスがあり車内灯が減光されました。放送再開は大津到着前の6:15との事です。

 『銀河』に乗るのは旅行記第1弾を含めてこれで3回目になるため、今さら道中で見るべき事もあ
りません。今回は寝て過ごす事にします・・・。

 ・・・相変わらず眠れたかどうか分からない内に大阪に着いてしまいました。果たして私は寝台で
熟睡出来るようになるのでしょうか・・・?

 大阪駅で到着の写真を撮ろうと機関車の方に行くと、何とここでもホームの立入禁止柵の向こう側
に停まっていました。

 東京から8時間18分の走行を経て大阪に到着した寝
台急行『銀河』です。大阪着7:18は、これから観光やビ
ジネスを始めるには絶妙の時間ですな。
【大阪府・大阪駅】

 大阪はハンパじゃない大雨になっていました。このあと自宅に戻ってニュースを見ると、南海電鉄
は落雷で不通になり、JRの湖西線も雨で運転を見合わせており、北陸方面の特急は、すべて米原経
由で運行されているとの事でした。

 知らなかったとは言え、よくまぁこんな状況で『銀河』は定刻通りに大阪に辿り着けたものです。
危うく「旅」の最後の最後で "オチ" がつくところでした。(^^;

 『列車まかせの旅』第19弾、おわり。


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