「想い出の古本屋2」
そこは大きな街道沿いにある、ごく普通の新古書店だった。
条件反射的に、車を止めたものの、正直、期待はしていなかった。
店内を一回りするも、案の定、何もない。
出口に向かいながら、ふとカウンターに目をやると、店員の後ろに「黒っぽい本」が
積んであるのが飛び込んできた。よく見ると貸本「刑事(デカ)」である。
明らかにバイトと思われる店員に値段を確認すると、少し間があき、1冊200円と答えた。
「全部買う」と私。数えると20冊以上あった。
その殆どが、貸本未使用で、状態も言う事なし。内2冊は「つげ」も描いている。
これにより、「貸本・付録」コーナーを立ち上げた。
しかし、結果は1冊も売れなかった。
しばらくして、N書店の若が遊びにきたとき、目に留り、結局トレードとなった。
N書店では目録で完売した。しかも価格は倍以上でである。
実力差を実感した。
 
 



Mail to TheVintagePlace
[HOME]