青田買い<その1>
少し前までは、プレミアマンガの王道は「手塚」「水木」「石森」「藤子」などのメジャー作家や、「虫コミ」「サンコミ」などの特定銘柄でした。
そしてその殆どが昭和40?50年前半であり、まずは専門店に行かなければなかなか手に入らないものばかりでした。
最もその前は「貸し本」の有名作家が王道であり、新書なんて見向きもされなかった時代もあります。
この数年の傾向としては、比較的新しい「絶版」まで対象が広がってきました。
それは、新しく若い収集家が増えてきている証でもあります。
例を挙げますと、「あまいぞ!男吾」「ラブリンモンロー」「ストレート」「14歳」など平成になって出版された本がかなり高額な相場を形成しております。
そうなると、低金利のこの時代、ちょっと寝かせば「倍」になる本を探したくなるのが、「生活の知恵」「趣味と実益を兼ねる」「マニアの特権」って事になると思います。
漫画バブル絶頂期においては「限定本」がターゲットでした。
発行部数の少ない限定本は前回の「相場と売値考」の数式でも判る様、分子が小さいため、プレミアが付く条件にはすぐ当てはまりました。
しかし、ご存知の様、限定本の価格は元々が高価ですので、乱発されては、全部集めようとする収集家はいくらお金があっても足りません。
結局はマニアから見放され、分母もしだいに小さくなり「青田買い」の対象からは外れる事になっていきました。
しかし、まだまだ「青田買い」の対象はいっぱいあります。
大きく分けてターゲットは「復刻本」「過去の未収録作品集」「新作」に分類されます。
お宝化の条件を考えますと、「復刻本」はまず「セカンドバージン」又は「初の完全収録版」が前提条件といえます。
又「オリジナル本」の相場が少なくても数万円する事も重要なポイントとなります。
次に「過去の未収録作品集」の条件は、「メジャーな作家」であり、「非メジャーな出版社」から出ている事がポイントとなります。
ただし「メジャー」な出版社でも、すぐ絶版にするところもありますので注意が必要です。
最後に「新作」は、「メジャー作家の売れない本」「テレビ放映中で低学年向け」の2つが大きなポイントです。
次回は具体的な事例を紹介しながら、ビンテージプレスの「青田買い」をご紹介しましょう。(続く)
 
 



Mail to TheVintagePlace
[HOME]