最後の出番でなんだか危ない人になっちゃってる、さやかちゃん・・・
残り少ない蝋燭の炎が目に映って、それこそ幽霊か魔物みたいに思えてしまう。
「ナミちゃんが外国の話をいたしましたので、私は日本の山奥であったお話しましょう」
「限界集落ってご存知ですか?高齢化などで住む人が少なくなってしまった過疎の村の事ですが、
これからお話する村はかなり特殊でして、なぜか子供が女の子しか産まれないという村なのです、
ではどうするかというと、村を出た娘は低確率ながらも男の子を身ごもる事があるそうでして、
そういった男児を生贄として村にさし出すそうなのです、村を出たときの約束で、破ると呪われるそうで・・・」
モモちゃんは相変わらず背中に抱きついていて僕の下腹部で手を組んでいる、
勃起したペニスの先にちょこちょこあたるのは、わざとなんだろうか・・・
「生贄に選ばれた少年は森の一番奥にあるお社で、それはそれは大切に育てられるのですが、
精通したとたんに、村に住む女性と毎日毎晩、性行為を強要されるそうなのです、
そう、今この状態のように、数本しか蝋燭の灯りがない密室で、一晩に4人も相手をさせられたり・・・
もちろん学校には通わせてもらえますが村の外へ出る事は許されず、
それどころか学校でも女教師に毎日相手をさせられたりと、もはや過酷と言える日常が待っているのです」
ひぃ・・・つまり種馬って事か、でも18歳未満の少年が妊娠させたりして大丈夫なんだろうか?
まあ、こういう村は法律的なこととか無視してるっていうか倫理的な事より村の存続のが大事なんだろうなあ・・・
「こういった儀式、生贄にも助かるルールがありまして、ひとつは単純に50歳60歳になって子種が尽きる、
もうひとつは男児を妊娠させ出産させる、とはいえ先ほども申しましたがその村では男の子が生まれない、
しかし奇跡を信じて何度も何度も行為を繰り返し、やっと妊娠させても産まれるのは女の子・・・
こうしているうちに生贄は30代後半で腎墟となって死んでしまう、使い潰される事がほとんどだそうです、
しかし1人の男の子が、どうしてもこの村を出たい、出て自由になりたいと願い、ある行動を起こしました、それは・・・」
でもそんな事したら、もう用無しだってあっさり殺されちゃいそうだけどなあ・・・
って僕にくっついてる2人が暑苦しくなってきた、でも、い、いろんな女の子の感触が、離してくれないぃ・・・
「世話係の女性を一人、特に可愛がって駆け落ちする・・・女性も相手が種馬の生贄といえど、
何度も何度も交わっているうちに情が出てきてしまうものでして、しかも『君だけが好き』とか言われたら、もう・・・
結局、その世話係の女性は半年かけて村を、母親を捨てて生贄を連れ出したのですが、そのようなタブーを犯すと、
当然、村の呪いが降りかかってしまいまして、逃げ出した夜に都会のホテルに泊まったのですが、そこで恐ろしい事が・・・」
静かになる室内、張り詰める空気、風もないのに揺れるさやかちゃんのしっぽ髪・・・
「やっと射精しなくて良い夜が来た、と喜んでぐっすり眠ろうとしたのですが、
毎晩強制的に勃起させられ犯されていた習慣が体に染み付いてしまっていて、
どうしても勃起してしまって苦しい、出したくて仕方がない、でも自分の手では出せない、
そこで駆け落ちした相手に何とか出させてもらおうとするも、いくら頑張っても射精できない。
お互い何かに取り付かれたように交じ合い続け、一心不乱に様々な体位も試したものの、
射精寸前のまま栓でもされているかのように、呪いで封じられているかのように・・・そして・・・」
「明け方になり、太陽が顔を出した瞬間、ようやく、ようやく一晩中溜まった精液を発射する事ができました、
が、その瞬間に、生贄の男は胸を押さえて泡を吹き、そのまま死んでしまったのです、心不全、腹上死・・・
結局、逃げ出しても自由は得られず、駆け落ちした女性もそのまま村の人に捕まり、連れ帰されたそうです、
そして皮肉なことに、その最後の射精で彼女は妊娠し、立派な男の子を産み、その赤ちゃんは次の生贄として
祭られながら育つ事となったのでした、一生外されない鎖をつけられて・・・なんと恐ろしい生贄の末路でしょうか」
バケツから水をすくい、蝋燭にかけ、火を消すさやかちゃん・・・
そのまま僕の横につき、肩に顎をのせてくる、しっぽみたいな髪の先が首筋をくすぐってくる。
「では、死ぬほど気持ちいい、というのは、いかがですか・・・ふふふ」
寄り添っている、というレベルではなく、あきらかに『捕まえている』ような感覚だ。
あと2つ、あと2本、あと2話、外はすでに日が昇ってるんじゃないか?
完全に締め切られているからわからない、このまま僕、どうなってしまうんだろう・・・!!