第5話:2人のナース

 

僕の番になって、みんなわくわくしながらこっちを見ている。

結構プレッシャーだなぁ、まあ1人20話もあるんだから出だしじゃつまづけない。

でも説明が結構難しい話しかも・・・自分の中で整理しながら一生懸命に話そう。

 

「言葉足らずだったらごめんね、みんなの話ほどエロくないかも知れないけど・・・」

 

・・・そうゆっくりもしていられないんだよな、

ここまでみんなテンポよくいってるけど、1人5分しか持ち時間がないんだ、

後になると時間もかかっちゃうだろうし、さっさとやっつけてしまおう。

 

「これは、今は廃墟になってしまった千葉の病院で昔あった話なんだけど・・・」

 

話はじめたとたん、ゾクッと不思議な悪寒がはしった。

4人の視線が一斉に視姦しはじめたとでも言うか、場の空気がいやらしく染まったというか、

目に見えない色情霊が、僕の話を待ち構えていたような、そんな気がする・・・

 

「ちょっと失礼」

 

ペットボトルのお茶を一口飲んで、一気に話を加速させた。

 

☆自分の番☆

「その病院に入院してた男の子の話なんだけど、入院生活なんて退屈なもんだから、

 窓の外をぼーっと眺めることが多いんだって、親が金持ちで個室用意してくれたから、

 話し相手もそんなにいなくて・・・で、窓の外は中庭を挟んでその先にはもう一棟、

 外来患者用の建物があってそこにはナースセンターや宿直室も見えたりしてて、

 カーテンが閉まってることが多いんだけど、ある日、1階の一室で凄いものを見たと。

 それはナースさん2人、ひとりはショートヘアで体の細い白い肌のナースさん、

 もう1人は髪が腰くらいまで長く胸の大きい、黒い眼鏡のナースさんが、

 窓際でカーテン開けたまま絡み合って、キスしたりまさぐったり、女同士で・・・

 スカートの中に指を入れて、見てるだけでクチュクチュ音がしそうな感じでそれはもう、

 女が女を感じさせるテクニックをいらやしく披露し続けていて・・・

 見てる方も興奮して、5階の個室なのをいい事に、それを見ながら・・・

 たまに見回りのナースさんにノックされてビクッ!ってなっちゃったりする事もあるけど、

 それでも毎日見られる宴だからって、隙を見ては自分で・・・」

 

・・・女の子4人の囲まれてあからさまにオナニーとは言いにくいなぁ。

 

「ただ、そういう行為は昼間しかしないみたいで、夜はその部屋は人の気配すらしないもんだから、

 宿直室とかじゃなく倉庫とか空き部屋でやってるのかな?くらいにしか思わなくって、

 特に気にもしてなかったんだけど、ある夜、見回りのナースさんたちに混じって、

 ショートのあのいつもレズ行為を見せ付けてきているナースさんが!名札に名前がなくて、

 新人さんか研修生なのかな?と思ったら、他のナースさんが帰っていっても1人だけ残って、

 それで・・・微笑みながら彼のパジャマを脱がせはじめて、パンツも下げてきて、その白い手で、

 やさしく撫でるように・・・入院で溜まってたっていうのもあるけど、あっという間にイッちゃって、

 脱力感で呆けてる体を濡れタオルで隅々まで拭いてくれて出ていったんだって、

 こういうサービスなのかな?と思いながらも射精したときの半端じゃない気持ちよさに、

 そのまま眠っちゃって・・・次の日の昼も、あいかわらず向い側の病棟でやってる2人を見て、

 あれは口止めか何かか?と思ってたんだけど、その翌日の夜に、今度は髪の長い眼鏡ナースさんの方が、

 見回りと一緒にやってきて・・・特に喋らず立ってただけなんだけど、前日にショートの方のナースさんに

 ああいう事をされたから、またそういう事を・・・と期待してたら案の定、そういう雰囲気で残って、

 今度は最初に体中を拭いてくれて、それで股間も拭いてくれてそれだけでビンビンになって、それを見て、

 何も言わずにいきなり口で・・・手と比べると気持ちよさが倍増してて、全身鳥肌が立つくらいの快感で、

 すぐに眼鏡ナースさんの喉の奥へ大量に・・・イッた後の脱力感も倍になってすぐ寝ちゃったらしいんだ」

 

話にみんなついてこれるかな?と見回すと、ふむふむと一生懸命聞いてくれている。

 

「それから夜の処理を毎日って訳じゃないんだけど1週間に2日くらいの割合でどっちかがやってくれてたんだけど、

 搾り取られるたびにその快感も大きく感じるようになっちゃって、無表情のまま手や口でイカされる時はもちろん、

 全身を拭かれている時や、毎日窓から見てナースの絡みを見ながらイッてるのだって、自分から精気が抜けるような、

 強い麻薬でも打たれているような感覚がするんだって、でもナースさんの、凄くどころか凄まじく気持ちいい奉仕に、

 すっかり病みつきになっちゃって、されるたびに、全身が痺れる程の快感で気絶するように寝ちゃったんだって。

 もうイキぐせがついちゃったのか、吸い尽くされるみたいにすぐ大量にイカされちゃって、クラクラしちゃって。

 気持ちいいんだから得していい・・・と言いたい所だけど、そういう次元じゃない事が入院してて実感しはじめた。

 体調があきらかにおかしくなってきたんだよね、イカされるたびに酷く疲れて精根尽き果てさせられて、されない日で体調を戻す。

 それの繰り返しでついに昼間でも寝込むようになったんだけど、そこで冷静に考えてやっとわかった事があるんだ」

 

蝋燭の火に視点を合わせると、揺らめく炎がさらに燃え上がって見える。

 

「今いるのが入院病棟の5階、中庭を挟んで離れた外来病棟の1階でナース2人のレズ行為を見ている、

 でも視力がそれほど良くないうえに、部屋の中までそんなに鮮明に見えるものなのか!?しかも服や顔、行為までも!

 そう思って窓の外をふと見ると、外来病棟の5階に人がいるのはわかっても誰が何してるのか、ましてや表情なんてわからない。

 にもかかわらず1階の窓の先で2人のナースがいやらしい事をしているのが、鮮明に見えるはずがない!!

 そう思うともう怖くて怖くて、いつも覗いてる部屋を確認する事なんてできなかった。なんで見えていたんだろうと、

 ガクガク震えて・・・そう思うとさらに怖いことに気がついたんだ、毎晩イカせてくれるナースさんが来るのが、

 実は周期が決まっていて、1人は6日に1回、もう1人は7日に1回・・・記憶を必死に紐解いて思い出すと、

 前に夜の世話をしてもらったのが4日前と5日前、ということは、次に来る日は・・・2人が初めて揃ってかち合う!

 その時点で本能的にピーンときた『これはヤバイ』と。『殺される』と。絶対に2人揃わせて世話してもらっちゃ駄目だと。

 あきらかに自分の生命力が吸い取られていると感じてるのに、もし2人がかりでされたら間違いなく命まで吸い尽くされる!

 と、その2人が揃うローテーションの前日に病院を変えたそうなんだけど、出て行ったとき、ふと後ろを振り返って、

 自分の病室を見上げると・・・夜の射精担当ナースが2人並んでこっちをじーーーっと『睨んで』いたんだって、それ以降、新しい病院では

 もちろんそんなナースはいなくて体力もみるみる回復して無事退院したそうなんだけど、もしあのまま、2人が待ち構える夜を迎えていたら・・・」

 

・・・いたら、きっとあの世までイカされてただろうな。

 

「というお話、病院はその後廃墟になったけど、今でもそこを通り過ぎると睨まれてる感覚がするらしいよ」

 

さあ、評価はどうかな?

 

「うーん、結局幽霊だったんだよねー?だったら怖いかなー」

「話は通じたよ、ただ時間ちょっとオーバーかなっ?」

「もう少し、その幽霊ナースのテクニックを具体的にお聞きしたかったですわ」

「お化けにも同性愛ってあるんだね〜勉強になった〜」

「良かった・・・一発目だから大目に見てよ、じゃあ消すね」

 

ペットボトルのお茶を垂らしで・・・

 

ジュ〜〜〜・・・

 

消えた消えた。

次の話はもうちょっとわかりやすく、

簡潔かつエロい情景がよく浮かぶものにしたいな。

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