☆おかしないたずら☆

 

「今日はハロウィンか・・・別にする事ないけど」

 

1人暮らしの大学生なんて、そんなもんだよな、とテレビをつける。

とたん、夢と魔法の遊園地でハロウィンパーティーをやっているとかいうCMが流れ、

そのままスイッチを消した、これなら友人が誘ってくれたハロウィン合コンでも行くべきだったかな、と横になる。

 

「もうすぐ午後5時・・・飯でも食うかな」

 

ぴんぽ〜〜ん

 

「はいはい・・・誰だ?」

 

ドアを開けるとそこにいたのは!

 

「いたずらー」

「しちゃうぞー」

 

ハロウィンパンプキンの被り物をした子供が2人!

 

「なんだお前らか、晶(あきら)と亮(あきら)」

 

ぽいぽい、と被り物を脱がすと、

瓜二つな顔が並んでいる・・・双子だから当然だ、

とはいえ1人は女の子、もう1人は男の子・・・小学5年生だ。

 

「おかし・・・くれないと」

「いたずら・・・しちゃうぞー」

「はいはい、お菓子っていってもなぁ・・・」

 

何かあったかな?と奥へ引っ込むと、

上がりこんでついてきちゃった、まあいいか、

このアパートの大家の娘・息子だ、いつだったか町内会の祭りで、

世話を押し付けられて面倒を見てから、ずっとなついてきている。

あれから1年以上経つけど、いまだに2人の区別がつかないんだよな・・・

 

「・・・こんなものしかないけど、カロリーメイトのブロック」

「えー・・・おかし・・・てー」

「もーいたずらしちゃおーかなー」

「確かにこれは俺の、明日の朝飯の予定だったけど・・・じゃあどこか行くか?」

「ううんー」「いかないー」

 

並んでちょこんと座った、ショートカットの姉弟・・・

双子に漢字は違えど同じ読み名を付けるって、いいんだろうか?

着てる服もお揃いの、オレンジ色したワンピースドレス、って女の子用だよなこれ?

 

「なんで2人とも女の子の服を着てるの」

「かぼちゃのお化けだよー」

「お化けのふたごだからだよー」

「なるほど、そういう設定で来たからか」

「だから予備の服を使ったんだー」

 

2人の間に置いてあるかぶりものを手に取る。

 

「それ学校で作ったんだから壊さないでねー」

「ねー、はやくー、おかし、してくれないと、いたずらするよー」

「お菓子する?オカシスル・・・お貸しする?おかしくする?おか・・・う〜ん」

 

まあいっか、なけなしの金でお菓子を買ってきてやろう。

 

「じゃ、待ってな・・・お父さんとお母さんは?」

「8時過ぎに帰ってくるよー」

「それまでお兄ちゃんに遊んでもらえってー」

「俺に?なある、目的はそういう事か」

「だからー」「おかしてー」

 

ええええええええ!?

 

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