引きこもり相談先の比較


家族の声がけに一切耳を傾けない状況の場合


公的機関と民間団体の比較を表にまとめてみました



公的機関
民間団体
運営母体

都府県市町村及び委託団体
個人・団体
NPO法人・株式会社等
×〜◎
支 援 法
来所による相談が中心
相談だけでは解決しにくい
×〜△
来所及び自宅訪問など
支援団体による
×〜◎
支援の
柔軟性
制度の範囲での
支   援
×
制度に縛られていないので
柔軟な支援が可能
ご本人が
動かない場合
家族が来所し相談する

時間だけが経過
×〜△
自宅訪問で対応 団体による
倫理的に問題な支援をする団体も存在する
×〜◎
支援の実力
玉石混交
制度内に限定されるため、
支援者に能力が有っても発
揮できない場合もある
×〜〇
同  左

無能者〜カリスマ的まで
団体による
×〜◎
支援者の

背 景
人事配属され担当する

希望配属される場合も有る

×〜〇
志を持って支援を行っている

元学校関係者・元当事者・宗教
者・保護司・引きこもり家族会・
農家など多彩。
×〜◎
費   用
無  料
多くは有料
一部に高額請求
×〜△
訪問支援
ほぼ無 し
(横須賀市のような一部訪問
支援がある公共団体もある)
×
団体による
倫理的に問題な支援をする団体
も存在する
×〜◎
支援期間
長  期

窓口相談後に通所し
自立に向けた支援を受ける
×〜△
公的機関より短期

自立に向けた支援が
直接行われるため
△〜◎



図  の  解  説

運営母体
 何と言っても公的機関が絶対に安心ですよね。民間だと怖い団体や高額支援費を請求する
団体など耳にするからです。とはいうものの民間でもしっかりと運営されている団体が有るのも
事実です。見極めが難しいところですが、まずは電話で問い合わせをして、はっきりと支援費
などの費用を話してくれるところが安心できるのではないでしょうか。客の懐事情を探りながら
料金を提示するのは言語道断ですが『料金の詳細は、状況によって様々ですので、、、面
談の時に。。。』と言うところへの面談は避けた方が良いでしょう。



支援法
 公的機関では相談業務がほとんどです。話を聞いて『OOOOという制度がありますょ』、『支援
団体のリストはこちらですので、ご自分で電話をかけて確認してください』という感じです。相談
だけでは解決しない場合がほとんどです。ただし医療に繋がないと危険な状態である場合は、
保健所と連携し頼もしいくらい動いてくれます。

 民間では、相談業務のみではなく、実際に自宅に来てくれる団体も多く存在します。その一
方、支援者の介入・支援方法に問題が有る団体が存在するのも事実です。暴力まがい、強引
な説得などは言語道断です。



支援の柔軟性
 公的支援はその制度の範囲で行われます。事情は分かるけど、、、そこまでは出来ない。と
言うことが多くあります。一方民間では制度に縛られることなく、依頼主の希望に添う支援を受
けることができます。ただしそれぞれの団体には得意・不得意分野があるので、事前の見極め
が必要となります。決められた定食を食べる公的支援。シェフに自分の好みを伝えて、予算に
合わせて料理を作ってもらう民間の支援ということでしょうか。 
 
 洋食屋に行って寿司を頼んでも対応できないように、その団体の得意とする分野から大きく
外れる注文は、民間であっても対応はできません。



ご本人が動かない場合
 引きこもり問題で多いのがこのケースです。本人が動かないなら何も支援は出来ないとのス
タンスは公的支援です。本人の同意が必要だからです。それでも家族が相談に行くことで、家
族に気持ちに余裕が生まれ、その後の解決に有益なことですので、どんどん相談に行って親と
しての不安を吐き出しましょう。
 
 一方民間機関ではご自宅に伺い、少しずつ会えるような様々な提案を行うことができるのが
強みと言えるでしょう。強引な方法は言語道断ですので、事前にどのような関与方法で進行し
ていくのかをしっかりと確認後依頼してください。



支援の実力
 支援力は、どれだけ引きこもり状態から剥離できたか? 経済的に自立させられたのか??と
言うことだと思われます。これが人数なのか?成功率なのか??これも依頼者の思いで決まりま
すので、こればかりはなんとも言えません。支援者の経験がある方が良いと考える依頼者もい
れば、経験は無くても、情熱が有ればそれで充分と考える依頼者もいると考えるからです。

 引きこもり支援に必要な資格はありませんので、どなたでも支援者になることは出来ます。引
きこもり支援をピンポイントにしたOOOO支援士(民間資格)など散見されますが、それらの資格
がどのように役立つのでしょうか。また国家資格の社会福祉士、精神福祉士、公認心理師、保
健師などが、どの程度有効なのかも解りません。ただし資格取得のプロセスで様々な知識や
経験を吸収されて、資格取得された事実はありますので、その資格取得者を一定水準で評価
されてもよいでしょう。資格取得=実力とは限らないのですが、一定の判断基準にはなると思い
ます。
 
 実力ももちろんそうですが、支援者の人柄や価値観はとても重要なので、その辺をしっかりと
見極める事の方が大切です。



支援者の背景
 公的機関は人事の配属で決定されますので、引きこもりの方と縁のない方が担当となる場合
がほとんどです。

 民間機関では専業で支援する方と、ボランティアで支援する方に分かれます。いずれの方々
も志を持って支援の門を叩いて、今いる立場に居ます。専業であれば、それなりの基礎知識
や経験、国家資格を取得されている方が多いです。一方ボランティアの方は別に仕事を持た
れていますが、引きこもり経験者であったり、その家族であったりと、何らかの形で引きこもり
の方との関りがあった方が多いようです。



1.まずは無料の公的機関に相談
  安心が一番です。公的な機関ならば費用も無料ですし、個人情報の取り扱
いも万全ですので、安心して相談できますね。家族が相談に数回出向き、その
後可能ならばご本人と一緒に相談しに行くことができればよいですね。
  
  病的な部分が感じられるならば地域の保健所へ訪ね、事情をお話しされる
ことをお薦めします。引きこもり相談窓口は市区町村の指定窓口へ電話を入れ
てみてください。専用窓口が分からなくても市区町村の代表に電話をかけて電
話番号を訪ねてみましょう。適切な窓口を紹介していただけます。



2.ご本人が支援を拒否しているならば
  ご本人が支援を拒否しているのにも関わらず、家族だけの希望で自立支援
を進める事には、様々な意見が上げられています。実際強引な方法で関与が
スタートして、不幸な結果になってしまう報告例も散見されます。まずはご家族
の支援(両親の支援)をしてもらうというニュアンスで依頼されたらいかがでしょう
か。ご本人のためになるとの気持ちは十分理解できますが、慎重に進めるべき
ことと考えます。

  何軒もの民間機関に電話をかけて、関与方法や費用、期間などの打ち合わ
せを行い、親として・家族として納得できるところで面談をされるべきです。面談
したら最後、、、とならないためにも、事前の確認は慎重にされてください。面談
では出来るだけ複数人で臨まれるべきです。打ち合わせの中で、考え方にズレ
が有る場合は、いずれトラブルに発展する場合も有るため、面談の段階で確認
を取り付ける事も大切です。出来ましたら質問事項を事前に用意して、面談時
に持参することがよろしいかと思います。


3.100点満点の解決を望まない
 ご家族は100点満点で解決できる事を熱望されます。ただ現実的にはとても
難しいことです。長年ご両親が出来なかったことを、短期間で解決するのは相
当ハードルが高い事なので、成功率100%を謳う団体は信用できません。

 支援者の関わり方はもちろんですが、親や家族の思いと、ご本人の考えが合
わない場合も当然ある訳です。何を優先させるのか? 落としどころをどのように
するのかもお考え頂きたい大切な事なのです。



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