第1部:「ちょっとこだわりの路線」その15/JR播但線 |
ここのところ毎週のように「旅」を続けていましたが、今回は近場のJR播但線に加古川線、そし
て加古川線の途中駅から分岐する第三セクター鉄道の北条鉄道および三木鉄道に乗りに行きましょう。
ちなみに、三セク鉄道にちゃんと乗りに行くのは、これが初めてとなります。
これらの各路線は比較的大都市圏に近いとは言えローカル線なので一部の区間では列車の本数が非
常に少ないため、途中のどこかで列車を1本遅らせたりすると、たちまち全体の行程が2時間ずれこ
んだりしてしまいます。そのため出発は早朝となりました。
大阪駅に停車中の5:28発・普通・西明石行です。大阪 発の西向き一番列車となります。ふぁ〜ねむ。(-o-) 【大阪府・大阪駅】 |
西明石行・普通105Bは高槻始発なので、大阪に着いた時点で半分ぐらい乗客が乗っていました。
例によって車内は金曜日に夜更かしした人や徹夜現場明けの職人さん、早朝出勤する人などがけっこ
う乗っていました。
うとうとしている内に1時間ほどで終点の西明石に到着。10月末の早朝とあって外は少々冷え込
んでいました。
西明石駅に停車中の当駅始発の姫路行・普通323M です。普通列車ですが、ここから先は近郊型の縄張りな ので車両は221系でした。 【兵庫県・西明石駅】 |
姫路行・普通323Mは、後着の普通列車からの乗り換え客を受けてから6:46に西明石駅から発車
しました。7:16に姫路に到着。それでは播但線に乗り換えましょう。
JR播但線は、姫路と兵庫県朝来市にある和田山駅間を結ぶ営業キロ65.7キロのローカル線です。
この路線の特徴は、姫路←→寺前間の29.6キロは電化されていますが、寺前←→和田山間36.1キロは
非電化の路線になっている事です。
この路線のもうひとつの特徴は、非電化路線区間に全国で、ここでしか見られないキハ41形なる
車両が走っている事です。
姫路駅の播但線ホームは、他のホーム群とは離れた構内の北東端にありました。
姫路駅播但線ホームの列車案内板です。私が乗る7:46 発の普通・寺前行には「和田山連絡」の表示が出ていま した。 【兵庫県・姫路駅】 |
寺前までの電化区間は日中で寺前行が毎時2本、朝夕には、これに福崎行が1〜2本加わりますが、
寺前から先の非電化区間は毎時1本の運行となっているため、案内板に「和田山連絡」の表示を出し
て接続列車を明示しているのでしょう。
ホームに行って見ると、通称「播但色」と呼ばれる鮮やかな「えんじ色」に塗られた103系が停
まっていましたが、扉は閉まっていて乗客は、ひとりも乗っていませんでした。
列車に沿って編成の前に歩いて行くと、4両の列車は途中で分割されており、前2両が私が乗る普
通5611M・寺前行のようでした。
ホームに停まっていた列車は2両ずつに分割されてい ました。どうも入線後に切り離したようですな。 【兵庫県・姫路駅】 |
回送と思しき後ろ2両は「えんじ色」が映えていましたが、前の寺前行は色がくすんでいました。
この「播但色」を見るのも楽しみだったのですが、乗る列車がこれでは・・・、ちとガッカリです。
姫路駅に停車中の播但線・普通5611M・寺前行です。 103系のリニューアル車でワンマン運転化改造が施さ れています。 【兵庫県・姫路駅】 |
ドアはボタン開閉式になっていました。山手に登るので冬場は冷えるんでしょうな。車内に乗り込
むと暖房が入っていました。
座席座って発車を待っていると次々と乗客が増え、110%ほどの乗車率で寺前行は姫路駅から発
車しました。見ると乗客の4分の3は高校生です。
最初の停車駅である京口はワンマン乗降でした。次の野里は有人駅、砥堀、仁豊野はワンマン、仁
豊野では上り列車との交換がありました。
溝口駅では大勢の女子高生が降りました。同駅を出たところでワンマン列車なのに検札が来ました。
どこからか乗ったんですな。
次の福崎であらかたの乗客が降りました。乗客の大半を占めていた男子高生も、ここで全員降りま
したが彼らの大半はテニスのラケット持っていました。大会でもあるんかな?
車内を見渡すと残っている乗客はたった4人しかいません。くだんの男子高生は突発的な利用者だ
ったのかも知れませんが、路線の様子を観察する立場から言うと実際の乗車率が分からなくなるので
邪魔ですな。そこから3駅に停車しましたが乗客数の増減はなく終点の寺前に到着。
列車から降りて寺前の構内を見渡すと、留置線にキハ41に加えてキハ47の姿も見えました。あ
のキハ41が和田山行になるのでしょうか?
とりあえずキハ41の写真を撮っていると、ここまで乗って来た列車から一緒に降りた若いカップ
ルの彼氏のほうがキハ41の写真を撮っていました。
並んで停まっているキハ47には目もくれないところからして、この兄ィちゃんが単に気動車を珍
らしがっている「普通の人」でない事は明らかです。
彼女の方も "類友" であれば問題ないのですが、でなければ山陰方面に向かう一般の旅行者ならば、
まず利用しないであろう播但線・普通列車の乗車に付き合わされるのは、さぞかし退屈なだけだと思
いますな。
そうこうしていると、和田山方面行の3番ホームに折り返しの列車が着きました。これが和田山行
だったのです。
寺前駅に並ぶ電車と気動車です。左がここまで乗って 来た103系、右が和田山行の気動車キハ41形です。 【兵庫県・寺前駅】 |
寺前駅に停車中の普通1227D・和田山行です。このキ ハ41形は単行にて運用するため片運転台型のキハ47 形の連結面を改造して運転台を取り付けたため、ご覧の 通り切断面みたいなマスクをしています。 【兵庫県・寺前駅】 |
キハ41形は播但線の寺前←→和田山間用として平成 10年に既存車を改造したもので、この「旅」時点で運 用されていたのは播但線のみです。 【兵庫県・寺前駅】 |
キハ41形の車内です。基本的にはキハ47形なので 内装も同じでした。この車両の座席はBOXシート主体 のセミクロス配置でした。 【播但線・普通1227D・和田山行車内】 |
キハ41形に乗るのも播但線を訪れた目的のひとつですが、なぜわざわざ既存車を改造して両運転
台化する必要があったのかが分かりません。
JR西日本にはキハ40形と言う両運転台型の車両がありますし、平成4年からは閑散線区用に両
運転台の軽量気動車キハ120形も新製されていたのです。にも関わらず改造を行ったと言う事はキ
ハ47が余っていたのでしょうかね?
和田山行に乗り込むと車内で弁当を広げている人たちがいました。ローカル線らしい光景ですが、
最近は余り見なくなりましたな。
車内から見ていると、折り返しで姫路行となる103系に乗ろうとしている人がドア・ボタンのボ
タンではなく点灯している「ドア」ランプを一生懸命押しているのが見えました。
続いて姫路方面行の1番ホームに国鉄色のキハ181系特急型気動車が入って来ました。播但線経
由で大阪と鳥取の間を結んでいる特急『はまかぜ』です。
古いキハ181系で運行されている特急は、今や全国でも3本しか残っておらず(この記事を書い
ている時点で残っているのは『はまかぜ』のみ)、その中で、この『はまかぜ』は未だに乗車が果た
せていない列車です。乗りてぇなぁ・・・。
寺前に着いてから19分後、和田山行の普通1227Dは同駅から発車しました。私が乗り込んだ2両
目の乗客は僅か5人でした。ここから先の非電化区間の乗車率は、こんなものなんでしょう。
列車は田舎の風景の中をドバすことなくのんびりと走っていました。カーブが多い上に登り勾配に
なっているからでしょうな。
播但線の寺前←→和田山間の沿線風景です。だいたい このような眺めが続きます。 【播但線・普通1227Dの車窓より】 |
最初の停車駅である長谷の手前の沿線には「播但線複線電化」と書かれた地元大河内町の看板が立
てられていました。
複線電化、すなわち輸送力増強により交通の利便性を高めれば住宅や企業の誘致が図れ、地元の活
性化に繋がると言うことなんでしょうな。
長谷を出ると列車は山間へと入りました。ここまでの駅間は4〜5分と短かったのですが、次の生
野までは11分も掛かりました。やはり山間に入って集落が減ったからでしょう。
生野駅にも、やはり複線電化を望む看板が立てられていました。同駅を出るとスピードが上がりま
した。どうやら下りになったようです。
次の新井でふたり降りてひとり乗車、竹田でひとり乗車、途中の乗降はそれだけで1227Dは終点の和
田山駅に到着しました。
やはり電化されていない区間は利用者が少ないですな。1時間に1本と言う運行本数はローカル線
としては少なくないと思うのですが、おそらく沿線人口が少ないのでしょう。それに田舎の人々は車
で移動しますからな。
列車から降りてみると、ホームを歩いている乗客は10人もいませんでした。ホームで写真を撮っ
ている何分かの間に人影は消え去り、列車が折り返しで出て行くと構内は寂しくなりました。
和田山駅です。山陰本線が通る他に播但線の起終点駅 でもあります。同駅は山陰本線の特急も停まる主要駅の ひとつです。 【兵庫県・和田山駅】 |
和田山駅の留置線にはキハ41形の列車が2編成留置 されていました。 【兵庫県・和田山駅】 |
和田山駅前には目抜き通りがありましたが、100メートルほど先にある工事中の大きな建物で通
りは終わっており、沿道には、いちばん大きくて5階建てのビルがある程度で大型スーパーらしきも
のはありませんでした。
駅前を左右に走る道路に出て左(東側)を見ると、沿道には商店が並んでおり、まばらながら人影
が見受けられました。
後に地図を調べたところ、和田山の市街地は南東に1キロ半ほど離れたところにあり、そこにはジ
ャスコやジュンテンドー、マクドなどもあるようです。
次に乗る山陰本線の列車まで1時間近く待ち時間があったので散策でもしようと思い観光案内図を
眺めて見ましたが、1時間で行ける距離には目ぼしいものはありません。と、なると得意の町歩きに
なりますな。ちなみに、案内図によると観光地としては、夜久野高原、立雲峡、竹田城跡などがある
ようです。
結局、駅周辺をしばらくぶらついてから10:18頃に駅に戻りました。残念ながら今回は「偶然
の出遭い」はありませんでしたな。
和田山駅のホームから見ると、かつての構内は広かっ た様子が伺えます。フェンスで仕切られた向こう側の線 路は撤去されていましたが、給水塔らしきものが残って いました。給水塔らしきものにはJRのロゴが描かれて いて比較的新しそうに見えるのですが、SL時代にも使 われていたものではないのでしょうか? 【兵庫県・和田山駅】 |
給水塔?の右手にはレンガ造りの機関庫が残っていま した。これはたぶんSL時代からあるものでしょう。 【兵庫県・和田山駅】 |
広大な構内に給水塔や機関庫があると言う事は、かつての和田山には機関区があり活気があったと
言う事でしょう。
社会のモータリゼーションへのシフトから来た鉄道貨物の衰退と旅客利用の低迷、そして経営の近
代化、合理化による人員の削減などから、このようにかつての主要駅の設備が取り払われたり遺構化
してしまっている風景は地方の至る所で目にします。鉄道ファンとしては実に物悲しい眺めです。
和田山駅ホームの昔ながらの上屋です。長いホームは かつての鉄道繁栄の名残です。 【兵庫県・和田山駅】 |
ホームで福知山行の列車を待っていると、城崎へ向かう特急『北近畿1号』と新大阪へ向かう『北
近畿10号』が着発して行きました。両方の列車からは合わせて20人ほどが降りたようです。
和田山駅に到着する10:25発の福知山行・普通430 Mです。お馴染みの113系なんですが、中間車に運転 台を取り付けた改造車で、まったく別形式の車両みたい に見えますな。 【兵庫県・和田山駅】 |
このように中間車を先頭車化改造するのは、路線の利用率に応じた列車の短編成化によって先頭車
両が不足するためです。
JR西日本の地方線区では、このような改造車をしばしば見掛けますが、播但線のキハ41形にし
ろ、この113系にしろ、改造は必要最低限に抑えられているようですな。
福知山行の113系は2両編成のワンマン運行で、ドアは取ってを掴んで引き開ける手動でした。
乗り込むと乗客は各席にひとりずつ程度でボックス席に座る事ができました。
34分の乗車で福知山に到着。さて、それでは加古川線に乗りに行くために福知山線に乗り換えて
谷川まで行きましょう。
福知山駅に停車中の11:14発・篠山口行・普通2530Mで す。和田山から乗って来たのと同じ113系改造車のワ ンマン運行列車です。 【京都府・福知山駅】 |
113系改造車の運転台を車内から見たところです。 簡単な仕切りしか設けられておらず、その仕切りも天井 までは届いていませんでした。 【福知山線・普通2530M車内】 |
発車前に運転士による案内放送がありましたが、車掌ばりに流暢な話しっぷりでした。ワンマン運
転士は、ひとりで二役をこなさねばなりませんからな。
篠山口行は定刻に出発しましたが、ふたつ目の停車駅である市島で、遅れている対向列車待ちで6
分停車すると放送がありました。おいおい、谷川で加古川線への乗り換え時間は2分しかないのに、
これじゃ間に合わんがな。
放送によると遅れているのは特急『北近畿』との事。市島を出てからも遅れを取り戻すような走り
はせず、谷川手前の柏原駅で、またしても遅れ待ちの停車。
停まる度に遅れの放送はあれど、谷川での加古川線接続に関しては何も案内がありませんでした。
まぁ待ってくれているとは思いますが・・・。
しかし、谷川駅到着時に右手の加古川線ホームを見ると、すでに12:02発の列車の姿はありません
でした。くそっ!待ってくれなかったのかよ!!
とりあえず降りましたが、どこをどう見ても加古川線の列車はいません。ローカル線なんやから少
しくらい待ってくれても良さそうなもんやろに・・・。
腹立ちを覚えつつホームの時刻表を見ると、次の列車は何と2時間52分待ちの14:54発
だと!!!?
この「旅」当時の私は、まったくの不勉強で、乗る列車の時刻こそ調べはしましたが、加古川線の
西脇市←→谷川間が閑散線区である事をちゃんと認識していなかったのです。
時刻表の前でしばし立ちすくんでしまいましたが、列車のいないホームで悩んでいても仕方がない
ので、とりあえず改札の外へ出ました。
谷川駅です。福知山線が通る他に加古川線の起終点駅 でもあります。福知山線の特急が停まりますが、全列車 ではなく上りは朝のみ、下りは夕方のみ停車します。 【兵庫県・谷川駅】 |
にしても、旅行記において列車に置いてけぼりを食ったのは、これが初めてです。(寝ぼけて自ら
降りてしまった事は一度ありますが・・・(^^;)
さーて、どーしましょーかねぇ・・・。3時間近くもロスっては、時間的に加古川線の乗車は無理
です。
かと言って、代替プランを立てようにも、こちら方面でまだ乗っていない路線は第三セクターの北
近畿タンゴ鉄道・宮津線ぐらいしかなく、それも時間的に厳しいものがあります。
どうせ近場の「旅」だからいつでも出直せるし、目の前を走っている福知山線に乗ればサクっと大
阪まで帰れるし、ここは「旅」を断念して帰っちまうか・・・。
半ばそう思いながら駅の待合室で携帯時刻表の路線図を眺めていると、ふと小浜線が目に留まりま
した。そう言えば小浜線って電化されたんだよな・・・。
今年の3月に電化された小浜線には、まだ未乗車の新型電車125系も走っているし、時間的にも
手頃です。小浜線に乗りに行くとしましょう。
では、と。まずは東舞鶴まで移動せねばなりませんが、次の福知山行の列車まで少し時間があった
ので、谷川駅周辺をぶらついて見る事にしました。谷川の駅前は商店街もなく閑散としていました。
谷川の町の中心は駅の南側を流れる加古川を渡って南西に1キロちょっと離れており、谷川駅より
も加古川線の久下村駅の方が最寄り駅となっています。
ただし、西脇市←→谷川間の加古川線は、日にわずか9往復しか列車が運行されていないので、久
下村駅よりも谷川駅に出た方が遙かに便利でしょう。
谷川駅に到着する12:49発の福知山行・普通2541Mです 車両は、やはり113系の改造車で、こちらはノーマル ・マスク側の先頭車です。 |
約30分の乗車で福知山に到着。それでは舞鶴線に乗り換えましょう。
福知山駅に停車中の13:44発・舞鶴線・東舞鶴行・普 通335Mです。こちらはノーマルの113系でした。 【京都府・福知山駅】 |
43分の乗車で東舞鶴に到着。それでは電化相成った小浜線に乗り換えましょう。
第2部:「ちょっとこだわりの路線」その16/JR小浜線(電化後) |
小浜線の乗車は、電化前の今年2月に旅行記第12弾で記念乗車して以来8ヶ月ぶりです。電化後の
小浜線には、それまで走っていた気動車に代わり、単行運転可能な新型の125系近郊型電車と旧型
の115系で運行されるようになりました。
東舞鶴で列車から降りると、前回同様、小浜線の列車は同じホームの敦賀寄りに停まっていました。
東舞鶴駅に停車中の14:39発・小浜線の敦賀行・普通 939Mです。車両は小浜線の電化開業に合わせて投入 された新型の125系近郊型電車です。京阪神エリアで 新快速として活躍している223系近郊型電車をベース に開発された車両で、単行運転可能な両運転台車で最大 で5両までの連結運転が可能なんだそうです。 【京都府・東舞鶴駅】 |
僅か2分の連絡のため、ゆっくり写真も撮れずに敦賀行の列車(と、言っても単行)に乗り込みま
した。車内は満席で立ち客が10人ほどの状態で東舞鶴から出発しました。前回の乗車では、キハ5
8系の2両編成で余裕で座れたのに、今日は混んでるんかな?
列車は駅に着く度に2〜5人ずつ客を降ろし、4駅目に停車した若狭高浜で座る事が出来ました。
やれやれ。
また同駅では125系の東舞鶴行との交換がありました。若狭和田の停車を挟んで若狭本郷に停車。
同駅では小学生くらいの野球チームと女子高生合わせて30人くらいがドっと乗り込んで来ました。
二駅の停車を経て小浜に到着。同駅で学生以外の乗客の約半数が降りました。案内放送では、何と
20分も停車するとの事。おそらく対向列車待ちの都合でしょう。
車内で待っていると、例によって小学生のガキどもが大騒ぎしていました。ったく、うぜぇなぁ。
こいつら何処まで乗るんだ?
さらに待ち続けていると、今度は初老のグループがドヤドヤと乗り込んで来ました。まぁ小浜は観
光地ですから驚く事はありません。
しかしながら座席は、ほぼ埋まっており、こうなると席を譲らざるを得ません。ローカル線では熟
年グループは、しばしば見掛けますが、初老の団体は初めてです。もう歳なんだから座れるかどうか
分からない普通列車じゃなくてバスで旅行に行きゃいいのに・・・。
ふと見ると大騒ぎしていた例のガキどもが初老グループの人々に席を譲っていました。こいつらち
ゃんとわきまえているじゃねぇか。
それでも初老グループの全員は座る事が出来ず、立つ羽目になった御仁たちからは、「なんで1台
なんだ?」と不満の声が聞こえて来ました。
これは小浜線の電化開業初日にも起こった問題であり、記念乗車のために押し寄せた人々は通常運
用と同じ単行列車に詰め込まれて非常に不快な思いをさせられたのです。
そもそも電化したと言う事は、それなりに需要があるのではないのでしょうか? さらに言うなら
ば小浜線は休日の方が観光利用者が多いはずです。にも関わらず休日の昼間にも単行列車を走らせて
いるのは何とも不可解です。
結局、我が列車は交換列車の到着を待ってから130%ほどの乗車率で小浜を後にしました。小浜
から二駅目の新平野で野球チームが降り始め、次の上中で少年たちは全員降りました。
それから先、美浜でも交換がありました。駅から1キロ半以内に3つも海水浴場がある美浜は夏場
はさぞかし賑わうところでしょうが、10月である今日は乗降する客もまばらです。
気づけばいつの間にか車掌が乗っていました。美浜から先も多少の乗降がありましたが、列車は1
10%ほどの乗車率で終点の敦賀に到着しました。ローカル線の単行列車で終始立ち客がいたのは初
めて見ましたな。
旅行記第12弾での乗車経験から座って車窓を楽しみながら行けると思っていたのに、結局、座れ
たのは途中の若狭高浜から小浜間の24分だけで、残りの1時間41分は立ちっパとなってしまいま
した・・・。
敦賀での降り際に撮った125系車内の様子です。座 席は2人掛けと1人掛けの転換クロス・シートで通路が 広く取られています。着席人数が減る代わりに通勤・通 学輸送の混雑にも対応できる座席配置ですな。 【小浜線・普通939M車内】 |
小腹が空いていたので、列車から降りて改札を出た私は駅舎内の立ち食いそば屋で天ぷらそば(3
80円)を
食べました。太い麺は柔らかく、とてもおいしく頂きました。
あと、せっかく敦賀まで来たのだから何か食べ物系を買って帰ろうと思い立ち、駅弁屋で『元祖・
鯛鮨』を買いました。
敦賀駅の駅弁屋で購入した『元祖・鯛鮨』です。寿司めしの上に 鯛の切り身が載っただけのシンプルな寿司ですが、なかなかおいし く頂きました。 |
大阪までの切符を買って改札を入った私は、16:53敦賀始発の米原行・普通146Mに乗るべく3
番ホームへと向かいました。
3番ホームに上がると、隣の4番ホームには特急待避 の貨物列車が停車していました。 【福井県・敦賀駅】 |
ホームでは御丁寧にも「4番線の列車には、お乗りになれません」と案内放送が流れていました。
例え意図的にしても貨物列車に乗るような馬鹿がいるんでしょうかね?
間近でめったに見られない貨物を眺めながらホームで待っていた私は、鉄道旅行愛好家とは思えな
いような超初歩的なミスをした事に気づきました。何と列車が出るホームを間違えていたのです。
米原行は7番ホームからの発車だったのですが、気づいた時はすでに手遅れで列車は発車するとこ
ろでした。あ〜あ、やっちったよ・・・。(^^;
えーと次の列車は・・・、17:36発の福井からの普通148Mか。40分以上待ち時間があるので
ホームの待合室でティー・タイムにするかな。
椅子に座ってのんびりと缶コーヒーを飲んでいると何と17:08に米原行が入って来ました。おいお
い、発車時刻まで28分もあるんやで?
敦賀駅に停車中の17:36発・北陸本線の米原行・普通 148Mです。車両は私のお気に入りの419系です。 【福井県・敦賀駅】 |
どうやら特急を退避するために長時間停車するようですな。車内で待とうと思い乗り込むと、お気
に入りの広いボックス・シートが空いていたので座りました。
窓からホームの様子を眺めていると、17:11に、またしても下りの貨物列車が到着。さらに17:14に
は大阪行の特急『サンダーバード32号』が先行して行きました。
普通148Mは定刻の36分に敦賀を出発。21分走って新疋田に到着したところで、またしても
特急退避の10分停車。
北陸本線は特急街道であり一般列車より特急の方が本数が多く、『サンダーバード』、『雷鳥』、
『しらさぎ』などが、ほぼ30分間隔で走っているのです。
大阪行の特急『雷鳥38号』を先行させてから発車。新疋田から約30分の乗車で長浜に到着。お
気に入りの車両なので、このまま終点の米原まで乗っていたいのですが、長浜始発の新快速に乗り換
えるためにここで降ります。
長浜駅のホームに降り立つと、なぜか山口百恵の『いい日旅立ち』が流れていました。
長浜駅に到着する折り返しの播州赤穂行・新快速3245M です。時間はすでに18時半を回り、外はすっかり暗く なっていました。 【滋賀県・長浜駅】 |
約1時間半の乗車で大阪に帰着。14時間46分の日帰り「旅」は終了しました。加古川線と三セ
ク2路線の乗車が果たせなかったので目的は4分の1ほどしか達成出来ませんでしたが・・・。
『列車まかせの旅』小旅行記第9弾、おわり。
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