2005年5月29日掲載
『列車まかせの旅』小旅行記第6弾(2003年9月23日)


第1部:「ちょっとこだわりの列車」その26/
    阪急電鉄・京都線・6300系特急

 今回は、旅行記初となる私鉄/公営鉄道の旅です。これまでに実施した旅行記第1〜第16弾および
小旅行記第1〜第5弾は、すべてJRを中心とした「旅」だったのですが、そろそろ私鉄/公営鉄道
にも乗って見る事にしました。

 地元関西には、たくさんの私鉄/公営鉄道があるので、まず最初は軽く近場の列車に乗りに行くと
しましょう。

 今回の「旅」用に購入した阪急のプリペイド乗車カー
ドの『ラガール・カード』です。関西圏の私鉄/公営鉄
道のほとんどには、『スルッとKANSAI』と呼ばれるプリ
ペイド式共通乗車カード・システムが導入されており、
この『ラガール・カード』もそれに対応しています。

 さて、まずは阪急の京都線の特急から行ってみましょう。実を申しまして、阪急は私の「フランチ
ャイズ鉄道」であり、平日は通勤で毎日乗っているので、それを「旅」の対象にするのも何だか変な
気分です。

 その中で、今回は京都線を走る6300系の特急をこだわりの対象に選んで見ました。その理由は、
6300系が阪急電鉄の中で、唯一、オール・クロス・シートを備えた2ドアの車両だったからです。

 マルーン色塗装がトレンド・マークである阪急の車両は、保有車両のほとんどが3ドアのロング・
シート車であり、車体の構造も見事なまでに共通化が計られており、素人の私が見ると、どれもこれ
も同じ車両に見えてしまいます。

 新旧の車両では、フロント・マスクの形状はもちろん違っており、フロントを見れば、私でも新し
い形式か古い形式かぐらいは見分けがつきますが、車両の側面だけを見せられたのでは、それすらも
分からなくなってしまうのです。

 その中で、6300系だけが他の車両とは異なる車体構造をしており、阪急のフラグシップ車両と
して京都線で特急専用(一部、急行運用もあり)の運用に就いているのです。

 で、「旅」当日。今日は秋分の日で祝日です。関西圏の私鉄は運行本数が多いので、特に乗る列車
は決めでおらず、私は、のんびりと9時過ぎに阪急・梅田駅に行きました。

 梅田駅のホームにずらりと並んで発車を待つ列車群で
す。阪急の三大幹線である京都線、神戸線、宝塚線の起
終点駅である梅田駅は、プラットフォーム10面で9線
のホームを持つ巨大なターミナル駅であり、1日に60
万人近い乗降があるそうです。
【大阪府・阪急電鉄・梅田駅】

 京都線の特急が出るホームに行くと、そこにはすでに9:20発の特急を待つ人々の列が出来ていまし
た。列の人数からして充分に座れそうでしたが、到着時の写真を撮りたかったのでので、この列車は
パスする事にしました。京都線の特急は10分間隔で運行されているので、焦る必要はまったくあり
ません。

 ところが次に入って来た9:30発の特急は、3ドアのロング・シート車である8000系でした。京
都線の特急には一般型も使用されているのか・・・。

 あくまで6300系に乗るのが目的なので、私はこの列車もパスしました。次に入って来た9:40発
の特急は、待っていた6300系でした。

 梅田駅に到着する京都線の河原町行・6300系・特
急です。阪急車の中で唯一、フロント・マスクに「帯」
が入っているのも、この車両の特徴です。
【大阪府・阪急電鉄・梅田駅】

 列車がホームで停止すると、まず反対側の降車専用ホーム側のドアが開いて乗客が降ろされます。
次に車内に乗客が残っていない事が確認されると降車ホーム側のドアが閉められます。続いて自動で
シートの背もたれが一斉に反対側に倒されます。そして乗車ホーム側のドアが開かれて乗車が始まり
ます。

 阪急6300系の車内の様子です。昔の路線バスの座
席みたいな背もたれが横にフラットな転換クロス・シー
トがずらりと並んでいます。
【阪急電鉄・京都線・河原町行・特急車内】
 座席は、阪急車の特徴のひとつである木目調のプレートを側板に
あしらっている以外は普通の転換クロス・シートですが、柔らかく
て座り心地は良好です。
【阪急電鉄・京都線・河原町行・特急車内】

 車内の混み具合は各座席にひとりずつ座っている程度でしたが、見るとホームには、すでに次の特
急を待つ人々の姿が見えました。運行本数が多いので、1本待てば窓際席に座れるのです。

 60%程度の乗車率で河原町行・特急は梅田駅から出発しました。次に停車する十三までの間は、
複線の幹線3つが平行する6線区間となっています。

 淀川の鉄橋を渡って間もなく、列車は十三駅に停車しました。同駅は、京都線、神戸線、宝塚線の
分岐駅となっていて、互いの路線同士の乗換駅になっています。

 いつものように十三では、梅田出発時の人数より大勢が乗り込み、乗車率は105%程度に増えて立
ち客が出ました。乗降口付近には収納式の補助シートが8人分あるので、それを使っている人たちも
いるはずです。

 また、十三到着時には、ホームで並んで待っていた位置にドアが来なくて慌てて前後に走って行く
人たちがチラホラ見えました。これもしばしば見られる光景です。

 3ドアの一般車と2ドアの6300系では停車時のドアの位置が異なるので、阪急の利用者と言え
ども京都線慣れしていない人たちは並ぶ位置を間違える事があるのです。

 そのため、ホーム上には2ドア車と3ドア車の乗降口の位置表示があり、さらに列車案内盤でも2
ドア車、3ドア車の案内表示が出ているのですが、それでも間違う人たちがいるのです。

 十三を出ると、次の停車駅は茨木市です。途中の淡路駅で高槻市行の普通を追い抜き、その先で高
架に登ると高速運転に入りました。

 茨木市に停車した際には、隣のホームに相互乗り入れしている大阪市営地下鉄の66系で編成され
た高槻市行の普通が停まっていました。

 その次に停車した高槻市では、そこそこの乗降がありました。同駅では隣のホームに河原町行の急
行が停まっており、この列車から特急に乗り換える人々が多くいるのです。

 高槻市を出た先に、JRの新幹線と東海道本線と平行する区間があるのですが、今日は新幹線に抜
かれる事はありませんでしたが、東海道本線の方には大阪方面へと向かう特急『スーパーはくと』の
姿が見えました。

 次の長岡天神でも若干の乗車があり、さらに5分ほど走って嵐山線との分岐駅である桂に停車しま
した。

 桂では、まとまった人数が降りましたが、同じぐらいの人数が乗って来て込み具合は大して変わり
ませんでした。隣のホームには河原町行の急行が停まっていました。

 発車時刻が来てドアが閉まろうとしたところに、ひとりの乗客がドア目掛けて走って来るのが見え
ました。

 ここから河原町方面は、急行で行っても7分ぐらいしか時間は変わりゃせんのだから、そこまでし
て特急に乗ろうとせんでも隣にいる急行に乗りゃいいでしょうが。

 桂を出た列車は、次の西京極を通過して地下路線に入りました。地下線内で西院、大宮を通過した
列車は、間もなく烏丸に到着しました。

 列車の終点は次の河原町ですが、私はここで降りて地下鉄に乗り換えます。烏丸では3分の1ぐら
いの乗客が降りました。

 烏丸駅から出て行く河原町行・特急です。6300系
は、3ドア車と比べて車両端のドアがさらに端に寄って
いるのが特徴です。
【京都府・阪急電鉄・烏丸駅】

 これで阪急6300系の乗車は完了です。次は、京都と大津の間を結ぶ京阪電鉄の京津線に乗るた
め、京都市営地下鉄に乗って東西線の御陵(みささぎ)駅まで行きます。

 私は『ラガール・カード』で阪急の改札を出た後、乗り換え駅である京都市営地下鉄・四条駅の改
札を同じカードで入りました。鉄道間を乗り替える際に、いちいち切符を買わなくて済むのが『スル
ッとKANSAI』カードの売りなのです。


第2部:「ちょっとこだわりの路線」その10/京阪電鉄・京津線

 京都市営地下鉄・烏丸線の四条駅に到着する国際会館
行・普通列車です。京都市営地下鉄の10系と呼ばれる
車両です。
【京都府・京都市営地下鉄・四条駅】

 到着した列車からは大勢の乗客が降りて来ました。発車して数分で次の烏丸御池駅に到着。この駅
で降りて地下鉄・東西線に乗り替えます。

 京阪電鉄の京津線は、この地下鉄・東西線と相互乗り入れを行っており、烏丸御池のひとつ西寄り
の市役所前駅まで直通しています。まずは市役所前まで行きましょう。

 比較的新しい路線である京都市営地下鉄・東西線は、建設費を抑
えるため小断面トンネル方式で建設されており、安全のためホーム
・ドアが設置されています。
【京都府・京都市営地下鉄・烏丸御池駅】

 間もなく、醍醐行の列車が到着しましたが、ホーム・ドアがあるせいで列車の姿をしかと見る事が
出来ませんでした。

 京都市営地下鉄・東西線を走るのは50系と呼ばれる車両ですが、小断面トンネル対応車両のため、
通常の車両と比べて車幅は狭く、天井の高さも低い構造となっています。

 となると、当然、乗車定員も少なくなる訳ですが、それは事前の利用予測に基づいて、これで充分
だと判断されたものだと聞いています。

 醍醐行に乗り込んで数分で次の市役所前駅に到着しました。ここで京阪・京津線の列車に乗り替え
ます。

 京都市営地下鉄・市役所前駅に到着する京阪電鉄・京
津線の浜大津行・普通列車です。800系と呼ばれる車
両ですが、ホーム・ドアのせいで姿はよく見えませんで
した。
【京都府・京都市営地下鉄・市役所前駅】
 京阪800系の車内です。列車は4両編成で、セミク
ロス・シート車とロング・シート車が2両ずつの編成と
なっていました。私が乗ったのはセミクロス・シート車
です。クロス・シートは回転しないタイプで集団離反式
に配置されていました。
【京阪電鉄・京津線・浜大津行・普通車内】

 10:43に浜大津行・普通列車は、乗車率20%程度で京都市役所前から出発しました。加速し始め
ると、新しいVVVF制御式車両ならではの高周波ノイズが耳に付きました。

 市役所前を出た列車は、三条京阪、東山、蹴上と停車した後、御陵駅に到着しました。同駅は、京
阪・京津線と地下鉄・東西線の分岐駅であり、駅着前に乗り間違えを注意する自動放送がありました。

 御陵で路線が分かれるとは言え、次の駅は、京阪、地下鉄共に山科であり両線の駅は近接している
のですが、地下鉄・山科までの切符で京阪山科で降りた場合は、御陵→京阪山科間の運賃を別途徴収
するとの案内がありました。

 御陵から出発したところで列車は地上に出ました。すぐに右に曲がる急カーブがあり、その先でJ
Rの東海道本線の下を潜りました。

 次の四宮駅を出たところで坂を登り始めました。大津に至るまでに京津線が越える逢坂山は、61
パーミル(1000分の61)の急勾配なんだそうです。

 その次の追分を出たところで左に名神高速の高架をを見上げ、右には国道1号線が平行していまし
た。逢坂山を越えるところで幹線道路と鉄道が集まった分けですな。

 浜大津から二駅手前となる大谷駅を出たところで左に急カーブしました。その先で下り始め、間も
なく国道1号線を踏切で横断しました。

 1国を越えた後、低速で右に左にクネクネと曲がりながら進みつつ、最後の停車駅となる上栄町に
停車しました。

 上栄町を出たところで列車は道路上に出ました。そこからは車と並んで道路上に敷かれた線路上を
走ります。鉄道用語で言うところの「併用軌道区間」と呼ばれる区間です。

 間もなく、列車は大きな交差点の中で右に曲がると終点の浜大津駅に到着しました。市役所前を出
てから20分ちょいの乗車でした。

 浜大津駅には、大津市内を縦断するように走る京阪の石山坂本線が通っているのですが、同じ京阪
でも同線は『スルッとKANSAI』の適用外路線だったため、今回は浜大津で引き返す事にしました。

 京阪電鉄の浜大津駅です。京津線の起終点駅であるほ
か、石山坂本線が通ります。JRの大津駅とは、かなり
離れていますが、周囲はけっこう賑わっています。
【滋賀県・京阪電鉄・浜大津駅】
 併用軌道区間を走る京津線の800系です。路上を、
路面電車ではなく正規の鉄道車両が走る、何とも不思議
な光景です。路上を鉄道車両を走る路線としては、ここ
以外にも福井の福井鉄道があります。
【滋賀県・大津市】

 さてと、路上を走る電車も写したし、それでは次の目標である叡山電鉄に乗るために京都に戻りま
しょう。

 駅に戻ってほどなく、京津線の列車が到着しましたが、折り返し運転はせずに、乗客をすべて降ろ
すとドアを閉め、いったん石山寺方面にある折り返し線に向けて出て行きました。

 京津線の列車が引き上げ線で停車して間もなく、私が
待っているホームに石山坂本線の坂本行列車が到着しま
した。800系と車両断面のサイズが同じぐらいの60
0系と呼ばれる車両です。
【滋賀県・京阪電鉄・浜大津駅】
 坂本行の列車が出て行った後、引き上げ線にいた京津
線の京都市役所前行列車が、そろそろとホームに入って
来ました。
【滋賀県・京阪電鉄・浜大津駅】

 浜大津までの往路はクロス・シートに座ったので、復路はロング・シートに座りました。ロング・
シートは柔らかくて座り心地は良好でした。

 列車は11:27に乗車率20%程度で浜大津駅から出発しました。横向きの座席に座っていると、逢
坂山を越える際に登っているのがよくわかりました。

 列車は京阪山科でそこそこの乗客を乗せて地下路線へと降りました。御陵で地下鉄線へと入り、浜
大津から20分ほどで京阪本線との乗換駅である三条京阪に着きました。ここで降りて出町柳行の列
車に乗り換えです。

 京阪の列車から京阪に乗り換えるのですが、三条京阪駅は京都市営地下鉄の駅なので、いったん改
札を出なければなりません。このようなところでこそ『スルッとKANSAI』の威力が発揮されるのです。

 京阪の三条駅に到着する淀屋橋発・出町柳行の準急で
す。車両は京阪の通勤型電車5000系です。
【京都府・京阪電鉄・三条駅】
 通勤型である京阪の5000系には何と乗降ドアが5
つもあります。乗客が多くない時間帯では、その内2つ
は閉め切りとなり、ご覧のようにドアの位置に座席が取
り付けられています。実に工夫が凝らされた構造ですが
私は未だかつて全てのドアが使用されているところは見
た事がありません。
【京阪電鉄・京阪本線・出町柳行・準急車内】

 出町柳行・準急は、すぐには発車せず、後着の出町柳行の特急を先行させました。三条から出町柳
までは、たったの二駅しかなく、所要時間は特急と普通でも1分と変わりません。どの列車に乗って
も同じです。

 列車は三条を出ると、途中、丸太町に停車した後、終点の出町柳駅に到着しました。ちなみに、三
条←→出町柳間は鴨東線と呼ばれていて、淀屋橋←→三条間の京阪本線とは別路線と言う事になって
いますが、大半の列車は淀屋橋←→出町柳間を通じて運行されているので、鴨東線の存在を知ってい
る人は少ないのではないでしょうか?


第3部:「ちょっとこだわりの路線」その11/叡山電鉄

 次に乗るのは、京都市北東部、比叡山の麓に路線を持つ叡山電鉄です。路線は、出町柳←→八瀬比
叡山口間の本線と、途中の宝ヶ池から分岐し鞍馬に至る鞍馬線の2本で、路線総延長は14.4キロです。

 叡山電鉄は、かつては京福電鉄の路線でしたが、当時は京阪が出町柳まで通じでおらず孤立した路
線として運営されていましたが、京都市内から出町柳までのアクセスが不便であるが故に乗客数が延
びずに赤字続きだったそうです。

 細かい説明は省きますが、同路線の建て直しに京阪が名乗りを上げ、京福との共同出資で1986年に
叡山電鉄を設立。そして1989年に京阪の三条←→出町柳間を結ぶ鴨東線が開通すると叡山電鉄の乗客
数は倍増し、現在に至っているそうです。

 京阪/叡山電鉄の出町柳駅です。地下が京阪の駅、地
上が叡山電鉄の駅となっています。
【京都府・京阪/叡山電鉄・出町柳駅】

 京阪から降りた私は、その足で叡山電鉄の改札に向かいました。事前に『スルッとKANSAI』のHP
で調べたところでは叡山電鉄も使える事になっていたのですが、見ると改札は有人で改札機も置かれ
ていませんでした。

 この状況で、いったいどうすれば『スルッとKANSAI』が使えるのか分からなかったので、仕方なく
私は券売機で鞍馬までの切符を買いました。

 出町柳駅に到着する鞍馬行の普通です。800形と呼
ばれる車両の2両編成でした。
【京都府・叡山電鉄・出町柳駅】
 2両編成の鞍馬行は短いホーム一杯に止まっていまし
た。列車の先頭側の乗降口はホームの角に来ていて非常
に危なっかしく見えます。
【京都府・叡山電鉄・出町柳駅】

 鞍馬行は、定刻の12:30に乗車率105%程度で出町柳を出発しました。叡山電鉄の800形はオール
・ロング・シートの通勤型で、背もたれは限りなく垂直に近い角度になっていました。

 車内を見渡すと、ガイド・ブックを持った女性二人組やらハイカーの格好をした熟年夫婦など観光
客の姿が多く見られました。

 熟年夫婦の方は、叡山電鉄で普通列車として走っているジョイフル・トレイン型電車『きらら』の
話をしていました。

 『きらら』の時刻表は叡山電鉄のHPに掲載されており、土日祝日は1時間に1〜2本が運行され
ているので乗るのは難しくありません。今日も鞍馬からの復路では乗ってみたいと思っています。

 鞍馬行は、途中、元田中、茶山、一乗寺、そして車庫のある修学院と停車し、出町柳から7分足ら
ずで本線から鞍馬線が分岐する宝ヶ池に到着しました。

 宝ヶ池を出たところで出町柳へと向かう『きらら』とすれ違いました。宝ヶ池までの沿線は住宅地
がずっと続いていましたが、同駅を出ると家が減り始めました。

 宝ヶ池から二駅目の岩倉を出ると沿線の緑が目立つようになって来ました。岩倉から三駅目の二軒
茶屋を出ると線路は単線になりました。

 二軒茶屋の次、市原を出て数分も走ると沿線の景色は、すっかり森になりました。乗客の皆さんは
窓から外の風景を眺めていました。

 そして出町柳を出てからきっかり30分で列車は終点の鞍馬駅に到着しました。下車した乗客は、
出町柳を出発した時の半分程度で、そのほとんどが観光客のように見えました。

 叡山電鉄の鞍馬駅です。歴史ある鞍馬に相応しい造り
の駅舎で、緑の多い周りの風景に溶け込んでいます。
【京都府・叡山電鉄・鞍馬駅】

 鞍馬は涼しく木のにおいがしました。京都の市街地から電車に30分乗っただけですが、ここはま
るで別世界でした。

 鞍馬と言えば天狗。と、言うことで駅前にある駐車場の敷地の隅
には巨大な天狗のお面(?)の「像」がありました。
【京都府・叡山電鉄・鞍馬駅】

 実を申しまして鞍馬を訪れるのは、これで2回目です。ちなみに前回は、仕事で車で移動していて
道を間違えて、ここまで来てしまったのでした。(^^;

 鞍馬駅から少し離れた通りに出たところです。当然な
がら沿道には土産物店が多く建ち並びます。
【京都府・京都市・鞍馬】
 上の写真の場所から奥に進むと、すぐ左手に鞍馬寺の仁王門が見
えて来ます。鞍馬寺の本堂は、ここからまだ山手に登ったところに
あり、鞍馬寺ケーブルに乗るか参道を35分ほど歩いて登る事にな
ります。
【京都府・京都市・鞍馬】

 列車を降りた人々の大半は鞍馬寺に向かったようです。私は観光はしないので、すぐに引き返しま
すが、次に乗る予定の13:35発の出町柳行『きらら』まで30分ほど時間があったので、鞍馬寺とは
逆方向になる京都市街地方面に向かって歩いて見ました。

 数分も歩かない内に沿道は、少し歴史を感じさせる民家と小川だけとなり、観光地から田舎の風景
へと変わりました。その先には道路と沿道の森しかなかったので、私は駅に引き返す事にしました。

 駅に戻ると、出町柳行の列車を待つ乗客が大勢いました。皆さんは次に出る『きらら』を目当てに
待っている様子です。果たして座れるだろうか・・・?

 やがて折り返しとなる『きらら』が到着し、乗客の下車が終わると改札が開けられました。改札を
抜けた乗客の人々は、良い席に座ろうと急いで列車に向かっていました。

 鞍馬駅に停車中の叡山電鉄900形、通称『きらら』
です。ジョイフル・トレイン型の電車ですが普通列車と
して運行されており別料金は不要です。
【京都府・叡山電鉄・鞍馬駅】
 『きらら』車内の様子です。車窓からの眺望を楽しむ
ため片側の座席が窓側に向けられています。座席は固定
式で回転させる事は出来ません。窓は天井付近まで達す
る大きなもので、実に開放的な雰囲気です。
【叡山電鉄・出町柳行『きらら』車内】

 乗り込んで見ると、当然の事ながら横向きの座席は埋まっていたので、私は進行方向に向いた座席
に座りました。座席の座り心地は良好でした。

 『きらら』は定刻の13:35に鞍馬を出発しました。観光地から帰るには、まだ早い時間なのでしょ
うか、車内には空席がけっこうありました。

 次の貴船口に停車すると、大勢乗って来て乗車率は90%ほどになりました。同駅は、鞍馬寺と並
ぶ観光スポットである貴船神社へのアクセス駅だったのです。

 貴船口を出たところの森の中を走行中の『きらら』で
す。車窓を過ぎる緑の景色を楽しむ事が出来ます。
【叡山電鉄・出町柳行『きらら』車内】

 『きらら』は、各駅に停車しつつ、鞍馬から20分で宝ヶ池に到着しました。このまま終点まで乗
っていたかったのですが、ここで本線に乗り換えて八瀬比叡山口へと向かいます。

 宝ヶ池では何人か降りましたが、乗り換えのためホームに留まったのは私しかいなかったと思いま
す。ホームには清掃員のおっちゃんがおり、ゴミを拾いながら私に訝しげな一瞥をくれました。

 宝ヶ池に到着する14:01発の八瀬比叡山口行です。70
0形と呼ばれる車両の単行(1両)列車でした。
【京都府・叡山電鉄・宝ヶ池駅】

 乗り換えである事を示すため、私は運転士に鞍馬→八瀬比叡山口の切符を見せてから乗り込みまし
た。鞍馬行の列車と違い車内はガラガラでした。

 列車は、途中、三宅八幡に停車し、宝ヶ池からわずか5分で終点の八瀬比叡山口駅に到着しました。

 八瀬比叡山口駅です。ここには、かつて京福電鉄が運
営する八瀬遊園があり、駅名も八瀬遊園だったのですが
2001年に閉園となったのに伴い2002年に駅名も改称され
ました。
【京都府・叡山電鉄・八瀬比叡山口駅】

 立派な駅に反して駅前は人影もまばらで閑散としていました。ほんの200メートル離れたところ
には比叡山の山頂へと通じる比叡山ケーブルがあるのですが、この調子だと利用者は多くないのでし
ょうか・・・?

 ここでの予定は何も考えていませんでしたが、とりあえず閉園した八瀬遊園の跡地でも見に行って
みましょうか。

 駅のすぐ傍らを流れる高野川に架かる橋の上から撮ったスナップ
です。駅の周辺には山が迫っていて緑に覆われており、何とも情緒
がある景色です。
【京都府・京都市・八瀬】

 八瀬遊園があった方向を示すような表示の類は一切見つかりませんでした。たぶんこっちの方だろ
うと近場にあった階段を登って見ると、そこには広いアスファルト路面とバス停がありました。

 一見して現役のバス停に見えたのですが、よく見ると前の道路からバス停までの間のアクセス道路
の途中には、道路を横切るようにフェンスが設置されていて車は入って来られなくなっていました。
バスが来る事のない孤立したバス停。何とも物悲しい光景でした。

 バス停の向こうにはフェンスに囲われた草ぼうぼうの更地があるだけで何もありませんでした。た
ぶん、ここが八瀬遊園の跡地なのでしょう。

 国道側から見た八瀬遊園への進入路です。路面に描か
れた「バス」と「自家用」の案内表示が、かつてここに
遊園があった名残です。その先に見える草地が遊園のあ
った場所と思われます。くだんのバス停は道路に沿った
左手奥にあるのですが、道路はフェンスで寸断されてし
まっています。
【京都府・京都市・八瀬】

 さてと、それでは駅へと戻る事にしましょう。駅に着いて列車を待ちながら改めて駅の様子を眺め
ると、ホームは2線あり、高くて立派な上屋で覆われていました。

 無人駅で寂れてはいますが、ひょっとすると出町柳駅よりこちらの方が駅としては立派かも知れま
せんな。

 八瀬比叡山口駅に到着する出町柳行の普通列車です。
来た時に乗ったのと同じ700形でした。
【京都府・叡山電鉄・八瀬比叡山口駅】
 叡山電鉄700形の車内です。乗降口は車両前後端の
2つだけで、座席は扉間にまたがるロング・シートとな
っています。
【京都府・叡山電鉄・八瀬比叡山口駅】

 出町柳行・普通は、定刻の14:28に八瀬比叡山口を出発しました。数えて見ると、乗客は私を入れ
て16人いました。

 列車は、途中の駅で徐々に乗客を増やしつつ、13分で終点の出町柳駅に到着しました。叡山電鉄
の駅間走行時間は2〜3分で、地元密着型の鉄道である事がよくわかります。

 叡山電鉄・出町柳駅の改札です。ご覧の通り有人改札
です。写真右手に停まっているのは、八瀬比叡山口から
乗って来た700形です。
【京都府・叡山電鉄・八瀬比叡山口駅】

 これで叡山電鉄の乗車は完了です。お次は本日最後の「こだわり」となる京阪電鉄の特急乗車です。


第4部:「ちょっとこだわりの列車」その27/京阪電鉄・8000系特急

 と、言う事で、次は京阪の特急です。京阪本線の特急は10分間隔で運行されている別料金不要の
一般列車であり特異性は何もないのですが、私がこの列車を「こだわり」として選んだのは、在阪私
鉄の別料金不要特急の中では最高に快適な列車だと思っているからです。

 京阪の出町柳駅に到着する淀屋橋行・特急です。京阪
の看板車両と言っても過言ではない8000系で編成さ
れた列車です。
【京都府・京阪電鉄・出町柳駅】

 京阪特急は、終点である出町柳および淀屋橋に着いた際には、まず乗客が並んで待つ乗車位置とは
少しずれた位置に停車して乗客を降ろします。

 続いて乗務員が車内を巡回して乗客が残っていない事を確認すると、いったんドアが閉められます。
次に座席の背もたれが自動で反対向きに倒されます。

 そして、乗降口がホームの乗車位置に合うように少し移動してから再びドアが開かれ、乗車が始ま
ると言った具合です。

 京阪特急の売りのひとつは、このダブルデッカー(2階建て)車
です。2階からの眺望は、見慣れた沿線風景でも、またひと味違っ
た雰囲気です。ダブルデッカー車は近鉄も特急で走らせていますが
在阪私鉄の中で別料金不要特急でこれを走らせているのは京阪だけ
です。
【京都府・京阪電鉄・出町柳駅】

 ダブルデッカー車の2階席は各列車とも人気の的であり、たとえ編成全体の乗客が少なくても2階
席が真っ先に埋まっていきます。

 2階席を狙うのであれば、列車到着前から並んでおく必要があります。私も2階席に座りたかった
のですが、到着した列車の写真を撮っている内に、すっかり出遅れてしまいました。

 8000系の車内です。デッキこそありませんが、有
料特急車にヒケを取らない立派な内装です。
【京阪電鉄・京阪本線・淀屋橋行・特急車内】
 座席はリクライニング機能のない転換クロス・シートですが、柔
らかくて座り心地は抜群です。転換クロス・シートの中では、私の
一番のお気に入りです。
【京阪電鉄・京阪本線・淀屋橋行・特急車内】

 14:58発の淀屋橋行・特急は、乗車率10%程度で出町柳駅から出発しました。最初の停車駅であ
る三条で大勢の乗車があり、座席は一気に埋まって少し立ち客が出ました。

 次の四条でもそこそこの乗車があり、乗車率は130%ほどに増えました。これが京阪特急のパタ
ーンなのです。

 五条駅をパスして七条に停車。同駅ではそこそこの乗降がありましたが、人数に変化はなかった様
子です。

 七条を出たところで列車は地上に上がります。6駅パスして、近鉄・京都線との乗換駅である丹波
橋に停車、同駅でも乗降による人数の変化はありませんでした。

 伏見桃山をパスして宇治線との分岐駅である中書島に停車。ここではまとまった人数が降りて立ち
客は7〜8人程度になりました。

 中書島を出たところで、自動放送で、乗降口付近に8人分備えられている収納式の補助席が使用で
きる旨の案内がありました。

 これを聞くや、乗降口周辺で立っていた人々が一斉に補助席を出して座るのが見えました。この放
送があるまでは、補助席はロックされて出せないようになっているのです。

 その後、私は居眠りしてしまい、気がついた時には京橋駅に着いていました。同駅では大勢が下車
して行きました。

 京橋を出た列車は、間もなく地下路線に入り、天満橋、北浜と停車した後、終点の淀屋橋に到着し
ました。出町柳からは約1時間の快適な乗車でした。

 大阪市営地下鉄・御堂筋線・淀屋橋駅に到着する千里
中央行・普通です。この車両は大阪市交通局の物ではな
く、相互乗り入れを行っている北大阪急行の8000系
です。
【大阪府・大阪市営地下鉄・御堂筋線・淀屋橋駅】

 梅田で降りて今回の「旅」は終了です。これまではJR列車ばかりでしたが、これからは私鉄/公
営鉄道も、どんどん乗って行くつもりです。

 今回使用した『スルッとKANSAI』カードです。裏面に
乗車記録が印刷されるようになっています。上から順番
に下記のように並んでいます。
1.阪急・梅田→烏丸
2.京都市営地下鉄・四条→京阪・浜大津
3.京阪・浜大津→京都市営地下鉄・三条京阪
4.京阪・三条→出町柳
5.京阪・出町柳→淀屋橋
6.大阪市営地下鉄・淀屋橋→梅田
残額は2890円でした。

 『列車まかせの旅』小旅行記第6弾、おわり。


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