第1部:「北陸エリアJR線乗り潰し」パート1 |
今回の「旅」の主役は、金沢発・上野行の夜行急行『能登』です。しかしながら、単に同列車に乗
るだけではつまらないので、金沢方面に行くついでに、JRの氷見線、城端線、七尾線を乗り潰す事
にしました。
それではまず氷見線からと言う事で、特急『サンダーバード15号』に乗って富山県の高岡駅まで
移動しましょう。
特急『サンダーバード15号』の特急券・グリーン券 です。今回は贅沢してグリーン車にしてみました。 |
大阪駅の北陸方面行・特急専用ホームである11番ホ ームに停車中の特急『サンダーバード15号』です。こ ちらが富山方の先頭車となるのですが、この列車では貫 通型が先頭になってますな。 【大阪府・JR大阪駅】 |
こちらが最後尾車両です。これが681系と呼ばれる 特急型電車の非貫通型先頭車です。 【大阪府・JR大阪駅】 |
車体側面に描かれている特急『サンダーバード』のロ ゴ・マークです。同特急は、JR西日本における北陸方 面の看板特急です。 【大阪府・JR大阪駅】 |
外回りの撮影を終えた私は、編成の最後尾となる1号車のグリーン車に乗り込みました。
681系のグリーン車内の様子です。例によって重厚 な幅広座席が3列配置されています。 【特急『サンダーバード15号』車内】 |
座席は、旅行記第15弾で乗ったJR九州の787系や第16弾で乗 ったJR東海のキハ85系のグリーン車の物より幅があり、見た目 も高級そうに見えました。座り心地は、もちろん良好で、ヘッド・ レスト部にある枕は上下に動かす事が出来ます。 【特急『サンダーバード15号』車内】 |
座席前のポケットには、持ち帰り自由の雑誌『アーバン・ネット ワーク』が入っていました。JR西日本オフィシャルの旅行情報誌 で、沿線の観光スポットや名店、グルメなどを紹介しています。 【特急『サンダーバード15号』車内】 |
私の座席は、車両最後列の1番だったので、後ろに気兼ねする事なく思い切り背もたれを倒す事が
出来ました。
足下にはフット・レストが装備されていました。私は使用しない方なんですが、使わないと邪魔に
なる位置にあったのでやむなく使用する事にしました。
『サンダーバード15号』は9両編成の列車でしたが、前3両が和倉温泉行、後ろ6両が富山行と
なっていて、途中の金沢で分割が行われます。
ほどなく定刻の10:42が来て、『サンダーバード15号』は大阪駅から出発しました。グリーン車
の乗客は、全部で10人でした。
次の新大阪を出たところで検札がありました。私の切符をチェックした車掌は、「高岡までですね」
と確認してから私に返しました。
大阪から28分で京都に到着しました。到着前の減速中に普通列車に抜かれると言う珍事を目撃し
ました。京都では5人がグリーン車に乗り込んで来ました。
京都を出ると、おしぼりが配られました。使い捨てのペーパー・タイプではなく、ちゃんとしたタ
オルのおしぼりでした。
発車直後より停車駅と到着時刻の案内放送が続いていましたが、東山トンネルを通過中に、突然、
途切れてしまいました。
いったいどうしたのだろうと思っていると、二つ目のトンネルを出たところから琵琶湖の紹介放送
が始まりました。なんなんだいったい?
列車は、山科駅を通過したところで東海道本線から離れて湖西線に入りました。大阪から北陸方面
に向かう特急は米原を経由せずに短絡ルートである湖西線を走るのです。
そのため、湖西線は線路が高速運転対応に高規格化されており、『サンダーバード15号』は快調
に飛ばし始めました。
湖西線に入ってほどなく、右手遠方に琵琶湖が見えて 来ました。 【特急『サンダーバード15号』の車窓より】 |
車販ワゴン・サーヴィスの案内放送がありましたが、いつもの品目の羅列に続いて『プルプル・サ
ンダーバード』なる商品名が出てきました。いったい何なんだろう?
近江塩津で米原から来る北陸本線に入り、敦賀をパスしてほどなく、列車が北陸トンネルに入る前
には、同トンネルについての紹介放送がありました。それによると延長は13キロで通過するには8
分ほど掛かるとの事でした。
北陸トンネルを通過してほどなく、車販のワゴン・サーヴィスが車両に入って来ましたが、列車が
揺れるため移動するのに苦労していました。
12:28に福井、12:40に芦原温泉に停車した後、12:50に加賀温泉に到着しました。同駅では、まと
まった人数が下車して行きました。
加賀温泉駅から見える巨大な金色の像です。仏教系テ ーマ・パーク『ユートピア加賀の郷』にある観音像で全 高は73メートルもあり、何でも抱いている子供の像が 何と奈良の大仏と同じ大きさなんだそうです。 【特急『サンダーバード15号』の車窓より】 |
加賀温泉を出たところで、車両切り離し準備のために6号車←→7号車間が通れなくなる旨の放送
がありました。次に停車する金沢で列車が和倉温泉行と富山行に分割されるのです。
加賀温泉から23分で『サンダーバード15号』は金沢に到着しました。さすがに観光名所の同駅
では大勢が降り、我がグリーン車の乗客も、ここでほとんど降りて、残るはたった4人となりました。
到着後、直ちに併結の解除が行われ、13:17に、まず和倉温泉行編成が先発し、3分遅れて我が富
山行編成も金沢から発車しました。
ちなみに、和倉温泉行編成は、3駅目の津幡から七尾線に入り和倉温泉を目指します。七尾線は、
今回の「旅」で、このあと乗りに行く予定です。
金沢から23分で高岡駅に到着。今回はここで下車します。『サンダーバード15号』は、このあ
と10分ちょい走って終点の富山まで走ります。
高岡駅のホームから空を見上げると、どんよりと曇っていました。雨が降るのでしょうか? とり
あえず今回の「旅」では散策の予定はありませんが・・・。
さてと、それではローカル線の乗り潰しと行きましょう。まずは高岡を起点とし北へと延びる氷見
線からです。
氷見線のホームは、なぜか他の路線のホーム群から離 れた場所にありました。陸橋から降りたあと、少し歩か ねばなりませんでした。 【富山県・高岡駅】 |
高岡駅の氷見線ホームに停車中の氷見行・普通539 Dです。てっきりキハ40系の気動車に乗るものと思っ ていたら、何と元急行型のキハ58系がいました。 【富山県・高岡駅】 |
「モノの本」によると、この477号車は、1963年か ら1967年に掛けて製造された第2次製造グループに属す るとか・・・。 【富山県・高岡駅】 |
キハ58に乗れるとは嬉しい誤算でした。車内に乗り込んで見ると、元急行型のシンボルのひとつ
であるデッキ・ドアは健在でしたが、客室内のデッキ・ドア付近の座席はロング・シートに換装され
ていて、残念ながらオリジナル車ではなくなっていました。ま、致し方ないでしょうな。
このキハ58はワンマン運行用に改造されていました。高校生が大勢乗っており、各ボックス・シ
ートには一人以上が座っていたので、私はロング・シートに座りました。
氷見行539Dは、定刻の13:53に乗車率30%程度で高岡から出発しました。3分で越中中川に
停車。さらに4分で能町に停車しました。
能町にはコンテナ・ヤードがありましたが、すっかり寂れていていました。現在は使われていない
のでしょうか?
沿線にコンテナ車やタンク車をチラホラ見つつ、さらに5分走って伏木に到着。ここにも貨物ヤー
ドありました。
3分走って越中国分に停車。到着前には右手に海が見えました。ここまで乗降はまったくありませ
んでしたが、同駅では4人が乗って来ました。乗車があって初めて気づいたのですが、この列車のド
アは手動で、手で横に引いて開けるのでした。
越中国分を出ると氷見線は海沿いを走るようになり、車内には自動放送で観光案内が流されました。
JRのローカル線で、このようなサーヴィスにお目に掛かったのは初めてです。
さらに4分走って雨晴(あまはらし)に停車。同駅は目の前が砂浜になっており、列車から降りた
らすぐに海水浴が楽しめそうでした。
次の島尾駅の手前で路線は海から離れて内陸へと入りました。海が見られたのは、ほんの6〜7分
でしたが、なかなかの眺めでした。往路の車内は高校生で混雑していたので写真が撮りづらかったの
ですが、帰りの乗車で撮れれば撮ってみましょう。
右に松林を見つつ、島尾から4分で終点の氷見駅に到着しました。高岡を発ってからは26分の乗
車でした。
氷見線もローカル線らしく列車は数分おきに駅に停車していました。途中駅での乗降は少なく、高
岡を発った時の乗客の3分の2が氷見まで乗ったようです。
氷見駅です。かつて富山で仕事をした際に、車で駅前 には一度訪れた事がありましたが、一見して駅に見えな い駅舎の雰囲気が何とも印象的でした。 【富山県・氷見駅】 |
さてと、スケジュールが詰まっているので、氷見を散策する時間はありません。7分後に出る折り
返しの列車に乗らねばなりません。
氷見駅の券売機で買った高岡までの切符です。次の目 的地は城端線の終点城端ですが、いったん高岡で降りる 事にしました。 |
氷見駅に停車中の高岡行・普通538Dの横より線路 の終端方向を眺めて見ました。ホームの先で線路は1本 となり、その先で途切れていました。 【富山県・氷見駅】 |
私はそそくさと14:26発の高岡行・普通538Dに乗り込みました。車内をざっと見回したところ
では、乗客は全部で15人ほどでした。
乗り込むと進行方向左側のボックス・シートにひとりで座りました。往路の列車の中では高校生に
囲まれていたためカメラを構えづらくて景色の写真を取り損ねてしまったのですが、復路では気兼ね
なく撮る事が出来るでしょう。
雨晴駅付近の車窓から撮ったスナップです。ご覧の通 り駅の目の前が砂浜になっています。 【JR氷見線・高岡行・普通538Dの車窓より】 |
雨晴→越中国分間で撮ったスナップです。何とも趣の ある海岸景色です。 【JR氷見線・高岡行・普通538Dの車窓より】 |
短いながら見応えのある海の景色を堪能したあと、列車は内陸へと入りました。車外の景色をぼん
やりと眺めていると、能町駅の手前で左から合流してくる線路が見えました。
後日調べて所では、これは貨物線で、かつてはこの線路の末端に伏木駅があり、軌道線の加越能鉄
道(現・第3セクター・万葉線梶jが開通するまでは旅客列車が運行されていたとの事です。
能町の寂れた貨物ヤードを見つつ、列車は14:54に終点の高岡に到着しました。往復約1時間の乗
車でした。
JRの高岡駅です。北陸本線が通る他、氷見線、城端 線の起終点駅でもあります。駅前からは第3セクターの 軌道線・万葉線が出ています。 【富山県・高岡駅】 |
高岡駅には、かつて大雪が降っている際に緊急の仕事で1度だけ降りた事がありましたが、その時
は何かと急かされていたために周囲を観察する余裕などありませんでした。
高岡駅前から発着する万葉線の軌道車です。かつては 加越能鉄道が運行していましたが利用者不足から赤字に 耐えられず廃止を表明し、2002年4月からは富山地方鉄 道を大株主とする第3セクターの万葉線株式会社が運行 を引き継ぎました。 【富山県・高岡駅】 |
高岡駅周辺をさらりと見た私は駅に戻りました。次は高岡から南西へと延びるローカル線の城端線
に乗りましょう。
定刻の20分前に城端線のホームに行くと、そこには 城端行の普通339Dがすでに停まっていました。予定 では車両は元急行型のキハ58のはずでしたが、キハ4 7の2両編成でした。 【富山県・高岡駅】 |
城端線のホーム上からふと見ると、ジョイフル・トレ イン型客車が構内に停まっていました。これは『わくわ く団らん』でしょうか? 【富山県・高岡駅】 |
城端行の339Dは、事前に調べたところではキハ58で編成されていたはずでした。急行型の好
きな私としては残念でしたが、予定車両が氷見線と入れ替わっただけなので、まぁよしとしましょう。
車内に入ってみると、このキハ47はリニューアル車でした。乗車率は80%ほどでボックス・シ
ートは埋まっていたので、私は乗降口横のロング・シートに座りました。
定刻の15:41、普通339Dは高岡駅から発車しました。気のせいかキハ47は軽快に加速してい
くような気がします。リニューアルに際しエンジン回りにも手を加えたのでしょうか?
5分で最初の停車駅となる二塚に停車、同駅では貨物列車と交換しました。貨物列車が走っている
とは大したもんですな。
列車が駅に着いてもドアは開きませんでした。この車両のドアはボタン開閉式であり、乗降客が自
分で操作するのです。
3分走って林駅に停車。ここでは高校生が5〜6人降りていきました。戸出、油田を経て砺波に停
車。砺波は路線中の主要駅であり、けっこうな人数が降りましたが、ジャージを着た中学生風の集団
が乗って来て乗車率は130%ほどに増えました。
ローカル線らしく、駅間3〜4分の走行で東野尻、高儀、福野、東石黒と停車し、主要駅の福光に
到着。同駅では一気に4分の3が下車し、車内はガラガラになりました。
福光は、かつて仕事で富山に滞在した際に何度か訪れた事のある土地であり、私は駅名標を眺めて
懐かしさに浸っていました。
福光を出て越中山田に停車したあと、16:29に終点の城端に到着しました。高岡から48分の乗車
でした。駅着前には、氷見線と同じく観光案内の自動放送がありました。
城端線の途中駅は、ほとんどが無人駅でしたが、これらでは乗降はほとんどありませんでした。海
岸縁を走る氷見線と違い、沿線風景には、これと言って見るべきものはありませんでした。
城端駅です。ローカル線の終点らしく大きな駅ではあ りませんが、瓦葺きの趣のある駅舎です。 【富山県・城端駅】 |
城端駅の駅前にはビルはなく、周辺の道路沿いに商店が何軒かあるだけで、駅前道路の対面には民
家がありました。
ここでも散策はなしで、7分後に出る折り返しの列車に乗ります。駅舎と周辺の写真を何枚か写し
た私は早々に駅舎の中に戻りました。
高岡までの切符を買おうとしましたが、なぜか1台しかない券売機は稼働しておらず、窓口で買う
事になりました。
城端駅の窓口で買った高岡までの切符です。こんな近 距離の切符を窓口で買ったのは初めてかも知れません。 長距離乗車券や特急券と同じ大型切符であり、何だか御 大層ですわな。 |
16:36発の高岡行・普通342Dは、私の乗る2両目は乗客3人で出発しました。私は、ひとりで
ボックス・シートに座りました。
福光で、またしても中学生のジャージ軍団が乗って来て乗車率は80%にハネ上がりました。列車
が動き始めたと思ったら、改札から入って来たおばさんが手を振り回しながら走って来るのが見えま
した。
それを見た運転士は列車を止めてドアを開け、おばさんを乗せると再び出発しました。何ともロー
カル線らしい光景です。
それからの道中、中学生のジャージ軍団が車内でさんざん大はしゃぎしたあと、砺波で降りて行き
ました。砺波では下りの341Dとの交換がありました。
時刻は17時を回って太陽は地平線の下に沈み、外は暗くなり始めていました。見ると大雨が降っ
ていました。
17:22、乗車率20%程度で342Dは終点の高岡駅に到着しました。城端まで往復1時間41分
の乗車でした。
ホームに降りると、対面のホームに城端線の次発列車となる343Dが停まっていました。この列
車は、私のお気に入りのキハ58編成でした。
肌寒さを感じた私は、まくり上げていたシャツの袖を伸ばしました。9月も末を迎え、朝夕は気温
が下がり始めていました。
さてと、これで高岡を起終点とするローカル線2本の乗車は完了です。次は七尾線に乗るべく金沢
へと移動します。
高岡駅の陸橋上から撮った構内の様子です。車庫があ り、氷見線や城端線用の気動車が憩っていました。 【富山県・高岡駅】 |
小腹が空いていたので、ホームの立ち食いそば屋で、厚揚げが2枚載った「揚げそば」(310円)
を腹に収めたあと、七尾までの切符を買うと、17:54発の北陸本線・金沢行に乗るべくホームへと向
かいました。
高岡駅に到着する富山発・金沢行の普通列車450M です。キハ58同様、私のお気に入りである元急行型の 475系電車で編成された列車です。 【富山県・高岡駅】 |
交直流両用の元急行型であるこの475系は、残念ながら近郊型 化改造が施されており、急行型の特徴のひとつであるデッキ・ドア は撤去され、デッキ出入口付近の座席もロング・シートに換装され ていました。 【北陸本線・金沢行・普通450M車内】 |
6両と言う長編成の450Mはガラガラで、私は悠々とボックス・シートに座れました。37分の
乗車で金沢に到着。
それでは、今回の北陸エリア・ローカル線乗り潰しの最後となる七尾線に乗りましょうか・・・。
第2部につづく・・・。
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