宝湯(島根県浜田市大辻町14)


<2001.10.20(Sat)>
 さて松江からだいぶ西、浜田までやってきました。出雲大社に参詣し
てみたり、気動車特急に初めて乗ってみたり、といろいろありながら到
着。まだ2時過ぎで時間に余裕はあるものの、今日は益田市のにしき湯
とハシゴしなくちゃならない、と言うことで、観光よりもまず銭湯(笑)。
駅前ロータリーに止まっている市内循環バスに飛び乗り、約20分で大
辻町到着、あとは手探りで周辺を歩きまわる。大辻町自体があまり広く
ないので、うろうろしながら10分もせずに発見。2階は住宅になって
ます、アパートなのかな。右側後方にはあまり高くはないが煙突がニョ
キッと。
 3時開店(閉店は8時)、と言うことで、一番湯狙いのお年寄りたち
が並んでます。定休日は金曜、こちらも1日ずれていたら、と思うと冷
汗。店のオヤジさんが出てきた開店を告げたらしく、お客がサッシのド
アを開けて入っていきます、牛乳石鹸(?記憶あいまい)の暖簾はサッ
シの内側のままですが、黄色いサイレンが回り始めたので、これが営業
中のサインなのでしょう。私も一足遅れて入口を入ります。フロントで
先ほどのオヤジさんに入浴料金を払って、引き戸式の男湯のドアを開け
て中へ(女湯は更に右奥)。いきなり目に入ったのが棚一杯に並ぶ置き
道具。常連さんが大勢いらっしゃる証拠です。正方形木窓の脱衣ロッカー
に荷物を入れ、プラスチックの脱衣籠に衣服を入れて浴室へ。浴室への
入口のサッシはいいとして、両側の窓はガラス窓ではなくトタンによる
応急処置状態。浴室は両壁側に4カランずつ。浴槽が奥に2つ。おっ、
左側の半岩風呂は湯が白濁してるぞ、どんなのだろ?座椅子(緑のM字
型)と小ぶりのケロリン桶を持って右側(女湯側)カランへ。ここも湯
の蛇口からは熱湯が。しかも冷水の蛇口には湯ほど勢いがなく、ちょう
ど良い湯加減の調整が難しい。なので、浴槽そばのカランに座り、かけ
湯は浴槽からの汲み湯をしました。シャワーは一切なし(あとでオヤジ
さんに聞いたところに寄れば、昔はついていたけど、湯の無駄遣いをす
る客がいて、やめてしまったのだそう)。鏡はありました(地元のガラ
ス店の広告あり、あと水道工事店と電器店のもあった)。天井は一部だ
け高くなっていて、そこに湯気抜き窓がありました。
 さて浴槽、まずは透明湯、温度は40〜41度くらい、ちょうど良い
感じです。深さが2段になっていて、中で座り易いです。パイプが中に
通っていますが、そこから湯が出てくるのかな?さて左側の白濁湯です、
壁や浴槽も岩風呂っぽくて雰囲気あるっす。足を入れてみる。うわっ、
なんか深いぞ、と言うことで縁に両手を突いて入ります。どうやら深風
呂くらいの深さのようです。しゃがむよりやや中腰、と言った感じの姿
勢でちょうど首まで浸かる感じ。おぉ、この匂いは硫黄泉っす。去年の
奥日光はるにれの湯を思い出すなぁ。
 湯上がりは待合いスペースで牛乳を。クボタ牛乳と言う浜田市地元の
製品。カウンター奥の冷蔵庫からオヤジさんが取り出してくる方式なの
で、自然と会話になり、いろいろ話し込みました。で、先ほどの硫黄泉、
実は入浴剤のようでした。でも好評で、遠くからお見えになるお客さん
も少なくないらしい。カウンター横には「東京都浴場組合」の名前でOL
3人娘ポスターが貼ってあったのですが、実はこのオヤジさんが解散前
の島根県浴場組合の会長だったそうで、都の浴場組合からサンプルを送っ
てもらってそのまま貼っている(県では作らなかったので)とのことで
した。お土産に最新号の「1010」を置いて帰ってきました。帰りは
駅まで浜田市タウンウォッチングをしながら徒歩で。